ギターとベースと友達
「えーーと、これが、、、Cコードで、、、ジャん、、、でこれがAmでジャん、、、、これがFコード、、
やばい、、いててて、手がつる。」
何と難しい。Fコード
俺はとある、ど田舎の高校生だ
周りは田んぼ蛙のなき声
街灯などなく夜になれば真っ暗で
基本的に夜には出歩かない
それより話したい事は
俺は友達の家に遊びに行った時に
友達がエレキベースを弾けると
ベンベンと弾き始め
(カッコいい)と内心思って
友達に
「俺はギターで弾き語りが出来る!」と何と
弾きも触った事もないのに(兄貴がギターを触っていたから少し知識だけはある)
ギターが弾けると見栄を張った。
友達が
「ギター弾けたんだったら今度一緒に合わそうよ!」って
「ううん。良いぜやろう!」
友達が純粋無垢な笑顔で言って来たもんだから
、、、言うんじゃなかった。なーってこと。
今から謝ってウソでしたーーーって言おうかな
絶対キレられる。
イヤイヤ、出来るだけ簡単なコードで
誤魔化して
乗り切ろう。
練習し始めて
数時間ついに
左の指先が弦で切れた。
「イタッ、もうやめ。」
そう言ったもののまた弾き始め
そして、また別の指先がキレ
辺りは夜になった。
「あんた!!ギターうるさいわよ!!」
鬼のようにお母さんがブチギレて来た。
「やめるよーー!」
床に着き
なんとなくあの友達が弾いていたベースラインを思い出していた。
ベンベン、、、べん、、ベン、、、、ベンベンベンベンベンベン、、、
うん、、うん、、これはいいな
気持ちいいベースラインだ
重低音の中に軽やかな
そう頭の中で考えると
自然とメロディが思い浮かぶ
ラ、、ララ、ラ、、、ラ、、ララ
ラララと鼻歌に混じって
歌詞が思い浮かぶ。
月の光
誰かが泣いている
月の光
誰かが笑っている
僕はその中のちっぽけな光
君の事は知らない
僕の事も知らない
それでもどこかで繋がってる
そう感じるだけ
ただそれだけ
ただそれだけ
そう、君と耳打ちし合おう。
「恥ずいなこれ」
翌朝これを読んでみると
クソ恥ずかしくなった。
消そ。
登校途中にその友達と会った。
「どう、今日合わせない?」
むちゃくちゃキラキラした笑顔で
「分かった!ビビるぞ俺のテクで」
なんでーーー俺は見栄を張ってしまうんだーーーー!
ってこれは、、、、?
「いいでしょ?ここ私の秘密基地!」
友達の家に裏山があって
そこで見つけたんだろう
木製の小屋があった。
けど、中に入ると
しっかりと防音が施されてる。
(一体、どうやってやったんだ?)
そんな事を思っていると。
「さあ、ギター見せてよ!
と友達が言う。
俺は、ソフトケースからギターを取り出す。
「、、、はい」
キラキラした目で友達はギターを触る。
「いいじゃん!これって高いギターじゃない?、有名なブランドだし」
ギターのヘッドを指さす。
「ははは、まあね」
(家の倉庫に眠っていた兄貴のギターだ。)
「私弾いてみて良い?」
「どうぞ、気が済むまで弾いててよ、いやむしろ弾き続けてよ。」
「なに言ってんの?」
と友達が首を傾げる。
すると、友達はプロ顔負けの
ギターソロを弾き始めた
(カッコいい!)
スライド、ハンマリング、そして、スラップ奏法これはエレキベースによく使われるが
ギターに使うとわ俺も開いた口が収まらない。
「どう?」
「いやーお見事です」
てかギターも弾けんの?
凄すぎっ
「はい、弾いてみてよ」
「おう」
えーーーーと、無理です。
いや、考えろ、考えろ。
「どうしたの?」
と俺に純粋無垢に聞いてくる。
「じゃ、ちゃちゃっと弾いちゃうかー、、ははは」
「おっ、待ってましたーーー!」
と拍手をする。
持ち上げるな俺を
泣くよ、もう、泣くよ。
よし、取り敢えず
Cコードだ。
「ジャん、、、、、ジャ、、、ん、、、ジャん」
そして、Amコード
「ジャ、、、、、ジャン、、、ジャ、、、、」
で、Fコード。
「ジャ、ジャ、、、」
イテっ。俺の手首がーーー。
「え、、、とどう?」
「いいじゃん弾けてるよ!」
友よ君はどうしてそう
キラキラしているんだ。
「じゃあ私がベースで合わせるから。そのコード弾いてて。」
「ヨッシャ、せーの!」
俺の覚束ないギターに
友達のベースが軽やかにその音に
合わさる。
なんて心地良いんだ。
そして、昨日思いついた歌詞をこの際に歌って見せた。
月の光
誰かが泣いている
月の光
誰かが笑っている
僕はその中のちっぽけな光
君の事は知らない
僕の事も知らない
それでもどこかで繋がってる
そう感じるだけ
ただそれだけ
ただそれだけ
そう、君とだから耳打ちし合おう。
その凄まじく恥ずい歌詞
それでも友達は
キラキラと笑って
合わせてくれた。
俺もそれに合わせて
笑い合って本当に楽しかった。
久しぶりに短編書いてみました!
よろしくお願いします^^