ヤンバルクイナに説法!
蓮華海、水深無量大数光年。ブツリューセンター。
やっほー。こんな田舎へね、社会見学に来てくれるなんて嬉しいよ。ここの従業員はボクしか居ないけれどね、やれる限り案内するよ。
たくさんの箱が流れているだろう?今ね、キミたちが観ているのは、ほんの極小な一部でしかないんだよ?ボクからすればね、限りなくゼロに近い部分なんだ。これがね、万物の流れだよ。
だからね、イタズラはよしてくれないかな、クイナちゃん?こら、今のでね、キミは何千の世界のタナトスになって、同時に何億の世界のエロスになったんだよ?
ほら、センターに生えてるキクラゲなら幾らでも採っていいから、こっちでね、お茶にしよう。キミの中華鍋〝火麟罩〟。なぜ、それがキミの下にあるのか、その由縁をね、教えてあげるから。
え?興味がない?あぁ、それで遊ばないでくれないかな?その世界の観測点が無くなって、無限にどうとでも解釈できるただの情報羅列が出来てしまう。悪いんだけど、そこのネロくん。ちゃんとね、円で縛り直してくれないか?熱暴走の原因なんだ、クイナちゃんお願いだよ。よしてくれないかな?
うん。ボクもね。こんな事はしたくなかった。これと同じ事をしたのは、昨日か何億年も前だったかな……。あぁ、それはね?世界の境界を決めるための、杭みたいなものだから、決して抜けないよ。まるでね、山に封じられてるみたいでしょ?〝両界山〟っていうんだ。
そうだよね、とって欲しいよね?それじゃあ一つ、〝おつかい〟を頼まれてくれないかな?
あれをね、観てくれるかい?いや、ボクの指先じゃなくてね?あっちだよ。いい加減にしないとね、目の前でグルグルするよ?そうそう、いい子だね。ほらね、多くの箱の行き先が、一か所に集中し始めているだろう?
あのお届け先にね、因果が集中し出しているんだ。このままだとね、キミたちの世界も含めて、キミたちの感覚からすると結構な数の世界が、捻れて滅んじゃう。
そうなる前にね、彼を懲らしめて欲しいんだ。大丈夫。キミのね、鍋の…いや、キミの真の力
〝廬紗那滅却式〟
があればね。
え?格好いい?どうしたら出来るかって?それはね、キミは生きているんだから、いっぱい業を積めば良いんだよ?
それはね〝人間〟の業の極致なのだから。
ありがとうございました。