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エピローグ
「花の…っ」
名前を呼ぼうとしても、うまく声を出すことができない。
「花音…」
これ以上声を出しても無駄だと思うが、伝えなきゃいけない。
「花音。僕は君が大好きだった。だから、死なないでくっ…」
伝えなきゃいけないのに、こんなときまで言えないなんて。全くダメなやつだよ。
「莉都。私も大好きだったよ。ありがとう。」
そう言うと花音は倒れた。
花音。なんで?なにがいけなかった?なぜ花音が死ななければならなかった?
「泣くんじゃねーぞ。」と花音に怒られそうだが、涙がどんどん溢れてくる。
そんな時
<力が欲しいか?>
と聞こえた。
<俺だよ。俺俺。風邪ひいちゃって声が変だけど気にしないで。>
こんなときまでふざけやがって。
<ごめんごめん。そんなに怒らないでよ。うちだよ、君の守護神のゾディアックだよ。>
なんだよ。何の用だよ。
<力が欲しいんでしょ?あげるよ。>
本当に?
<嘘ついてどうするの?うちが今まで嘘ついたことあった?>
あったよ。めっちゃあったよ。
<まあいいや。力を受け取る準備はいいかい?いくよ。>
おい、待て。急だよ。はやすぎるよ。
<いくよ。それっ。>