軍人生活
国家特殊兵器科特殊部隊《通称特特隊》は名前の通り、主に特殊兵器の開発とその開発した兵器を実戦で使い、データをとって良質な兵器なら他の部隊に提供し、成果が出ないものは即廃棄といったことを行う部隊だ。
そんな部隊に無能力者の俺、湊莉一叶と俺の親友で炎操作が能力の高木優介は特特部隊の隊長でもある綺咲奇稲に強引に学校を退学させられ入隊することになった。
ゴー
キュウ
『ついたぞ』
車を降りるとそこは周りは木に囲まれ店もなにもない山奥だった。
そして目の前に広がっていたのはカクカクゴツゴツした真っ黒な壁と建物の幅より遥かに大きい屋根だった。その屋根はまるで傘が反対に開いているような形をしていた。
『さあ、ついてこい、案内してやる』
隊長がこいと言った先には大きな鉄の扉があり隊長が暗証番号を入力すると開いた。そして、基地に入ると基地の中は鉄でできていて、小綺麗で隅々まで掃除されているのがわかった。
『この基地、中も全部鉄でできてるんですか?』
『ああそうだ。鉄はいいぞー、頑丈で』
『はぁ』
まさかの鉄マニアなのか!?
『あと、随分大きい屋根ですね』
『ん、ああ、あそこは屋上だ。私たちが開発する兵器は主に飛行兵器だからな、その実施試験はあそこでやるんだ。』
『はぁ、でもなぜ屋上でやるんですか?周りでも開拓すればいいんじゃ、、、』
『実はな、、
この基地は緊急時変形して動くんだ。』
『え?実際本当に変形したり動いたりするんですか?』
『ああ、まあちょっと下から4つタイヤが生えて移動できるようになるだけなんだが』
うわぁー、想像してたのとちがうな
『まあ、だから試験する場も一緒にいどうしなくてはならんので、それなら屋上に作ろうということになったんだ。』
そうこうして歩くこと5分、多くの部屋の扉を通り過ぎた。
俺の少し後ろを歩いている優介も基地を興味津々に見ていた。
そして今まで通り過ぎた部屋の扉より少し大きな扉の前で隊長の足がとまった。
『さて、ここが主に兵器の考案・研究をしている研究室だ。入れ』
今度も隊長が暗証番号を入れることで扉が開いた。
『お邪魔します』
『お邪魔しまーす』
『お、来たな!』
中に入るとこの部隊員であろう人たちが計4人いた。一人目は最初に声をかけてきた角刈りで少し白髪の40代くらいのおじさん、二人目は短髪のこちらを睨んでいる20代後半と思われる男、三人目は髪が肩まであり同い年くらいでおとなしそうでかわいい系の女の子だ。最後はロング髪の清楚系美人って感じで歳は俺らより少し上の20代前半というところだろう。
『一叶、優介、こっちに来て横に並べ!。我が隊員達、紹介しよう!まず、お前らから見て左にいるのが高木優介(17)、こいつは高身長で顔もまぁまぁだが少しバカだ!』
『え!?俺、バカ?なんですか?』
優介、それは間違いない
『おホン、続けよう。こいつの能力は炎操作、火系の能力で我々が見てきた炎を操る能力はほぼ全てできるようだ。』
『ほおー、それはすげーなー。もしかしてこの子が隊長が昨日言ってた使えそうな子かい?』
『いや、朝比奈そいつは本命のついでに見つけた副産物だ。だが案外そいつのほうが使えるかもしれん!火が必要なときはいつでも呼んでやってくれ!』
『俺はライターですか!あ、とにかくよろしくお願いします!』
『そしてその右にいるのが昨日言った湊莉一叶(17)だ!こちらも顔はこちらもまぁまぁ頭はいい方だ。そしてこいつの能力は、、、』
『能力は?、、、』
『能力は、、、』
『能力、、は?』ゴクリ
『、、、センスと勇気だ!!』
ズコーーー
いや、コケるのうまいな!
『ありゃ?え?それだけですかい、隊長』
『ああ』
『ああって、、、』
『つまり、超珍しい無能力者ってわけですか、隊長?』
おじさんが困っていると1番奥にいた短髪の若い男が話しだした。
『話になりませんねー、そんなやつ希少価値以外に価値があると思ってるんですか、隊長は』
まあ、そうなるわなー
『高岸お前の言うことはわかるがこいつのことは後で見てもらえばわかる』
『ほおー、そうですか、そりゃ楽しみにしてますよ』
空気悪!
『まあまあ、さて次は俺たちの番だ。俺は朝比奈 正歳も四十二、身体も四十二だが心だけは二十歳のまんまだ。そして俺の能力は鉄加工と言って触れた鉄ならどんな形にもできる。まあ土系統の一種だな。』
便利そうな能力だ
『そういやー、お前らの紹介の最中にいろいろ口出してすまんな、そういう性分なんだ。』
『いえ、全然大丈夫ですよ』
『あ、それと俺はここの技術主任をしている、なんか壊れたら何でももってこいや!直してやるから!改めてよろしくな!』
『こちらこそよろしくお願いします!』(二人)
俺たちは深々とお辞儀をした。この人はいい近所のおじさん、あるいはお父さんって感じの人だな。機械の知識も欲しかったから今度教えてもらうことにしよう。
『えっと次は高岸!自己紹介しろ!』
『ああはいはい、隊長様の命令じゃ仕方ありませんね。もっとも無能力者さんに俺の自己紹介してもすぐ出ていくことになるだろうから無駄でしょうけどね』
『一叶、こいついちいち嫌味なやつだな』
優介が耳打ちしてきたがまあ無能力者の扱いは今までの人生で俺はよく知っていたのであまりムカつくことはなかった。
『高岸 将暉24歳、少尉だ。俺はここで開発した兵器の実験時の操縦だったり朝比奈さんの開発の手伝いをしている。そして俺の能力は触れた機械の情報を読み取ることができる。その機械よ情報を読み取り、使い方やその機械に入っているデータを記憶として脳に取り込むことができる。』
『へぇー、言うわりになんか地味な能力だな、』
『な、なに!?き、貴様ー!』
優介、本当のことでも言わない方がいいこともあるんだよ
『やれやれ、はい次、えっと、ああ桜!』
『は、はいぃ!』
隊長が次に呼んだのは入ったときに俺らと同じくらいだと思った女の子だ。少し赤が掛かった髪で顔を赤らめ、恥ずかしそうにしていた。
へぇー桜ちゃんかー
俺はすごく可愛いと思ったのだった。
『なにしてる、もうちょい近くで話せ』
『は、はぃ』
彼女はちょこちょこと小股で近づいてきた。
『あ、え、えっと、私は綺咲桜、といいます。』
ん?綺咲??
『私はここで家事やお掃除、料理などをしています。ときどき研究も手伝わさせていただいています。それで私の能力なんですが、』
『はいそこまでー!!我が妹よもういいぞー』
『でも、お姉ちゃん私能力を』
『わかったからわかったからお姉ちゃんは。言わなくていい、よく頑張った、お前はやはり可愛いなー』
『お姉ちゃん、そんなに撫でないでー、みんな見てるから』
『、、、』
なぜだかわからない、初対面だし、この子のことをなにも知らない、だけどふと感じた。俺はこの子と、、、
『俺は将来君と夫婦になる、、気がする』
隊長 (ほう)
『ヒューヒュー、湊莉のにいちゃんよく言うじゃねぇか、入隊初日にプロポーズとはなー。俺も若い頃にそんな勇気が欲しかったぜ』
ボン
『な、な、何言ってるんですかーーー』
バタバタバタバタ
彼女は俺の言葉を聞いた瞬間顔がりんごのように赤くなり、走って行ってしまった。
『一叶、先程の発言だが、、、』
隊長はゆっくりと拳を鳴らしながら近づいてくる。
『い、いや、少し思ったことが口に出てしまいまして、、、』
あーーーーー
ボコボコ
『お前には十年早い』
『まぁまぁ、隊長さん落ち着いてください。一叶はたまにそうゆうとこあるんですよ。唐突に《こう感じた》とか《ああなる》とか言って、まあ直感ってやつなんでしょうねー』
隊長(センス、か)
『それより、隊長さんたちはほんとに姉妹なんですか?』
『そうだ、正真正銘実の父母から生まれてきた姉妹だ。なにか文句でもあるのか?優介』
『いえ、なにも、、、』苦笑
やっぱり姉妹だったのか!!綺咲って名前を聞いてそうなんじゃないかと思ったが、姉がこの人だとはどういう育ち方をしたらこの違いが生まれるのだろうか、、、
それにしても、あの子の能力は何なんだろうか、なぜ隊長は遮ったのか、、
『まあ、私の可愛い妹はおいといて、はい!次!』
『次は私ね、私は二堂綾音22歳。私もここで新しい兵器開発・研究に携わっています。能力は、そうですね、、色気?いや見たものを気絶させちゃう?(美人すぎて)、あと、いろいろ見えたりもします。よろしく』
『おホン、私が説明しよう。彼女の能力は《透視》だ。』
『透視ってあの透視ですか!?服透けて見えるとかの?』
優介はこれまでで一番興味を持っていた。だが俺も興味が内訳がない。男ならみんな憧れるものだ。
『そうだ!、あの男が持ったらいろいろいけないあの透視だ。と言っても透けて見えるのにも距離制限があったり土などは透けて見えなかったりする。だがそれ以外だったら全部彼女の意思で透けさせて見ることができる。』
男が持つのは危なそうだが女性が持って性欲以外に使うならいろいろ便利そうだ。中身がわからないものが危険物かどうかも判断できたり捕虜などの服の下を見て丸腰かどうか一瞬でわかる。
ん?服が透けるということは、、は!
『あの!二堂さん!?』
『何かな少年a(一叶)?あと綾音ちゃんと呼んでいいんだぞ♡』
うぅやりづらい
『あの、も、もしかして今も俺らの服透けて見てたりします?』
『ふふん、そりゃもうバッチリ見てますよー!』
そう言いながら綾音さんは手の形を望遠鏡のように俺たちの下半身をじろじろ見てきた。
ヒッ(二人)
俺と優介は直様両手で股関を守った。なんて能力だ。
『おい』
ボツン
そんなやり取りをしていると奇稲隊長が綾音さんの頭を軽く叩き止めた。
『アイター』
『いいかげんにしろ、綾音。そうゆうのは後でやれ』
いや、後でもやめてください。
『さて!一通り自己紹介は終わったな!』
『え?この部隊俺と一叶合わせてこれだけしかメンバーいないんですか?』
メンバーが本当にこれで全員なら確かに今の世の中の部隊としてはかなり少ない方だ。
『そうだ、こいつらだけだ。』
『まじっすか』
優介は相当うろたえている様子だった。
『マジだ』
『いやぁー、すいません。俺の憧れていた軍人生活は大勢の同士に囲まれて最初は先輩方や同期と仲良くなり、そして後輩ができると『先輩!』と呼ばれ、そして仕事終わりは賭け事や酒で毎日ワイワイやりながら過ごすことだったので(泣)すいません!(泣)』
優介は理想を熱く語り、最後は目から涙を流した。
優介、、理想は理想なんだ、、、
『なるほどな優介、だかなこの部隊にはこの部隊ならではの超良いところがあるぞ』
『なんですかそれは!?』
『それは、この部隊には可憐な三輪の花がいることだ!しかも!その一つは花束と言ってもいい美しさと豪華さを持つ!』
『え?どういうことですか??』
優介は目をまんまるくした。
『なんだ、わからんか』
『はい』
『この部隊に所属する三人の美女のことだ!一人はもちろん私(綺咲奇稲)、もう一人は私の愛する超超可愛い妹!(綺咲桜)、最後はこの色気漂うお姉ちゃん(二堂綾音)だ!』
『は、はぁ』
まあ確かに三人とも美人なんだが、一人は変態、もう一人は毒と棘が多数、実質可憐な花と言えるのは一人ってところだ
『おい、一叶、今すごく失礼なことを考えていなかったか?』
この隊長まさか心が読めるのか!?
『いえ、滅相もない』
『そうか、ならばよし』
ふぅ
『とにかくわかったな、この私、いや、この隊の三人の美女を大切にし!すきがあればクドくように!あと妹はだめだ絶対に駄目だ。もし私がお前らが妹を口説いているのを発見したら悪即斬する!』
この隊長、よほど男に植えているのか俺たちに自分を口説けと言っている。
『さて、自己紹介も終わったことだし、二人とも!基地の案内を続けよう』
『え?まだあるんですか?』
『バカを言うな優介、この基地がこれだけであるわけ無いだろ。むしろこれからがお前らの仕事で大事なところだ』
まあ、そうだろうとは思っていた。実際俺らの仕事についてまだ一切教えられてないんだから、はぁ
『あ、そうだ、高岸!ちょっとお前も来い!』
『はい!隊長!隊長のご命令なら喜んで!』
俺たちは隊長と無能力者という理由で俺を嫌っているこの基地では若手の高岸将暉さん24歳と共に研究室をあとにし、また長い廊下を歩きだした。、、、
『さて、着いたぞ』
『わお』
歩くこと3分途中エレベーターなどを使い着いたところは、思わず優介が声をあげるぼど研究室とは比べ物にならない大きな横開きの扉が俺たちの目の前にあった。
『ここはなんですか、隊長』
『ん、ここは兵器倉庫または訓練室だ。さあ、入れ!』
うウィー
巨大な扉が開くとそこは空とつながる広大な平面の床と横並びに置かれた数々の兵器だった。
『注目!ここはお前たちも入るときに見たであろう、この基地の屋上だ。ここで兵器の実験操縦や操縦者の訓練、たまに対人訓練をしている場所だ。屋根を出しているのは少しでも広げたいからだ』
普通の理由だなー
『さて、お前たちにまずやってもらうのは兵器の操縦練習だ。』
『隊長!?これにいきなり乗せるんですか!?』
『そうだ、文句でもあるのか高岸』
『文句というか、まだボタン配置や操作の仕方さえ教えてないんですよ!せめて俺がお手本を見せてから!』
『いや、それじゃ意味がない』
『なんでですか!?そのために俺をつれてきたんじゃないんですか!?』
『お前には見ていてほしいんだ、こいつら、いやこいつ湊莉一叶の力を』
『 そんな、下手したら死ぬんですよ!』
へー、この人俺のことを一応心配してくれてるのか、意外といい人なのかもしれないな
『俺たちの兵器たちが!!』
あ、そっちですか
『俺たちが丹精込めて作った兵器たちをこんな奴らと共に粉々にするなんて我慢なりません!!』
『まあ、落ち着け高岸。私もお前らが一生懸命作ったものを粉々にする気はないんだ』
ポン
奇稲隊長は高岸隊員の肩に手をおろした
『私を信じてくれ』
『んー、わかりました。隊長がそこまで言うなら、、』
『ありがとう高岸少尉』
『ただし、お前ら!、ここにある兵器たちに傷一つでもつけたら、死ななくても俺がお前らを殺すからな!』
『は、はい、、、』(二人)
なぜこんなに俺たちが言われなければならないのか、無茶振りしてんのそこの隊長だよね、、、
高岸少尉は言うだけ言ったあとこの屋上訓練所のちょうど真ん中あたりにある管制室らしきところに歩いていった。きっちり監視するということだろう
『すまんな。あいつは少し兵器オタクの気があってな、少しでも傷がつくと『誰がやったー!』と怒り出すんだ。全くうるさくてたまらんよ、ほんのちょこっとだぞ、5センチいや10センチくらいだったか』
この人がほとんどやってる気がする、、、
『さて、聞いての通りお前たちにはこれから操縦訓練をおこなってもらう。ついてこい』
二人『は、はい〜』
奇稲隊長について2分ほど歩くと、さっきここに入るときにこの隊の人たちが言う”兵器”であろうものがたくさん見えたところに到着した。
『さて、諸君ここが我々が開発したものを置く自慢の倉庫だ』
『おお!すげぇな!こんなのみたことねぇ!』
優介は子供のようにはしゃいでいるがそれも無理はなかった。太陽の光が差し込む巨大なガラス張りの窓と目の前には普通では絶対に見れないであろう数々の"戦闘兵器"と呼ばれるものがあった。
『これ、ミサイルか!?あ、こっちにはガトリング銃!これがレーダーか?おい!一叶も見てみろよ!』
『楽しんでいるところ悪いが早速お前たちにはこれに乗ってもらう』
奇稲隊長が指したものはスマートなフォルムと操縦席の黒いガラス、よく古い洋画でみる戦闘機だ。
『こいつの名称は』
『ロッキード・マーティン F-35 ライトニング IIですよね』
『お、何だ知ってるのか一叶』
『はい、一応軍人を目指していたので昔の戦闘機の本で見たことがあります。この機体の特徴としてはコンピュータによる情報統合を推し進めており、ヘルメットディスプレイによる全周囲視界、最初から多用途戦闘機として開発されたため、対地攻撃能力や電子装備も充実していて開発当初は優れたステルス戦闘機として最強だったそうです』
『ほほう、よく勉強しているな』
『でもこれは昔の話です。いまの戦闘機はこれの何十倍の性能があります』
『まあ、そうなんだが、忘れたかこれは練習だ。それくらいが丁度いい』
『まあそうですね』
『わかったらさっさと乗れ!最初は一叶だ!』
まずは俺か、まあ俺のたった一つの特徴としては器用なことだからな、操縦説明書みたいなものがあればどんな機械や兵器でも難なく乗れる自身はある
『わかりましたよ』
俺はf35(ロッキード・マーティン F-35 ライトニング II)の操縦席のガラスを開け乗り込んだ
『ではいけ!』
『え?あのー説明書とかはぁ?』
『ん?』(こいつ自覚してないのか)
『そんなものはない!さっさといけ!』
『は、はぁ』
そんなものは無いって、どうやって乗れって言うんだ
『閉めるぞ!』
ドン
真っ暗なf35の中、音も視界もなかった。
そんな中俺はまずはエンジンをかけようと右腕を伸ばした。ん?なぜ俺は今右腕を伸ばしたんだ?まあいいかとりあえず適当にいじって見ればいいか、壊したらすいません。
そうして俺は何も見えない中右腕を伸ばし、奥にあるスイッチを押した。すると全方位に光がつくとともにエンジンがかかったのであろう大きな音が響いた。
『やっとエンジンをかけたか』
『へー、車みたいなもんなんですか?』
『、、、』
ええっと次はこのボタンを押してこのレバーを倒して、、、
ん?なんで俺わかるんだ、、、
あとはこれを引いて足で踏み込むと
ボォー
『いけ!湊莉一叶』
ビュイーン
『はぇー』
俺が乗っているf35は周りが一瞬でみえなくなるくらい高速で発進した。
『さて、ここからが本当のお手並み拝見ってやつだ。』
なんとなく発進してしまったが、俺これからどうする、ボタンやレバーだらけだ。
さすがに操縦の仕方までは本に書いてなかったからな
クソ!頭がまとまらねぇ、一つ間違えば死なんだ。
こうなったらどう生きて変えるかだ。飛び降りでもするか?
『f35と現代の簡易的な操縦システムの兵器を比べると遥かにf35の方が難しく、難易度も10点満点中8ってところだ。もし私の思っている力と違うのであればあいつ(一叶)はここで死ぬ』
『一叶のやつずっとまっすぐ行ってますね。大丈夫なんですか?もうすぐ見えなくなりますよ隊長』
『はぁ、しかたねぇな!あーもしもし高岸、今すぐf35の無線につなげ』
、、、
ーー管制室ーー
『了解です。隊長』
『言わんこっちゃない、あの無能力者のガキ。あのまま国境超えて敵地の戦闘機に落とされるんじゃないか』
ーー訓練場ーー
『おい!湊莉一叶!!!何やってんだ!』
『奇稲隊長!?何やってるってわかるでしょ!操作の仕方がわかんないんですよ!』
『はぁ?操作の仕方がわかりませんだ?今まであれだけ偉そうにしといて不甲斐ねえな!、、、お前、どうやって発進したんだ!』
『はい?』
『その戦闘機は操縦難易度8の激ムズ兵器、操作の仕方がわからねぇやつに発進なんてできるわけねぇ、、でも、お前にはできた、お前はできるんだよ!ちっとは落ち着いて考えろ!』
プチ
なんなんだあの人は!
けど確かに発進はなぜかできたんだ、あのときは発進しようと思ったときにはもうどうすればいいかわかっていた、、、
、、、
、、、
そういえば俺は、発進してから脱出ことばかり考えてまともに操縦することを考えていなかった気がする、、、
うぅ、まず操縦することだけに集中してみるか
俺は足の力を少し抜きとりあえず操縦する姿勢をとった。
、、、
なぜだろう、、操縦する姿勢をとった瞬間俺はこの機体の動かし方がわかったような気がした、、
まずは転回だ。
このボタンとこのボタンを押してあとはこれを倒す
ギュイーン
『どうやら私の予想はあたっていたようだな。ひやひやさせやがって』
次は高度を少し落とさないと、このボタンを押してこれを引けばいいような、気が、する
ウウィーン
『馬鹿な!あんな何も知らないガキがなんであんなに動けるんだ!あいつはなにも知らないはずだろ!』
『さて、操縦方法がわかったところでお次は、あ、もしもし高岸か、ちょっとあのf35にそこからホーミングミサイルを打ってくれ』
『は!?隊長正気ですか!?そんなことしたらf35が粉々になりますよ!!』
『構わん!これは隊長命令だ!』プチ
ーーー管制室ーーー
『俺の兵器たちごめんな!!!』ポチッ
プシュゥゥゥゥゥゥ
ーーー訓練場ーーー
『うわ、なんかあそこから出ましたよ奇稲隊長』
(さてどうする湊莉一叶)
ピピピ
ん?なんだ?
ぴぴーー
これってまさかミサイル!?
あのクソ隊長!どうなっても知りませんよ!
ギュイーン
まず上昇して
ピピピピ
そして一気に
ピピピピピピ
下降
ヒュー
ヒュー
もう少し、、、
『そのままだと地面に激突しちまうぞ一叶!』
今だ!!
ギュイーン
(ほほう、急降下から地面スレスレで立ち上がりミサイルを地面に叩きつけようということか、だがそれではまだ最新鋭のホーミングミサイルは破壊できんよ)
クソ、なら
うーん
あそこしかない
ヒュー
『一叶のやつ次は、倉庫の方に行ってますね』
(次は何する気だ湊莉一叶)
倉庫のシャッターの幅とf35の幅を考えると相当ギリギリ、いや、足りない。だがシャッターの対角線を全くブレずに通ることができれば通れるはず!
地面ギリギリ!
ヒュゥゥゥゥゥゥゥ
『このままだと一叶のやつ倉庫に突っ込みますよ!隊長!』
『突っ込む気なのだろう』
行っけぇ!!
キリキリキリ
通れた!あれだ!
次は急上昇!!
カッ
パリッンンン
ボォォォォォォォォォン
ふぅ、良かったぁ、成功した
『はぁー、一叶のやつ上から出てきましたね』
(なるほど、一叶のやつ兵器がたくさんある倉庫に突っ込んでわざと羽にかすらせ倒しそこにミサイルを当て、自分は天井の窓から脱出ってところか。、、それにしてもf35の幅とあの倉庫のゲートの幅をあのスピードで瞬時に理解するとはな、、、本来兵器の倉庫はf35くらいだったら余裕で通れるゲートでないといけない。だがあの倉庫は小型兵器だけを格納するためだけに作った倉庫なのでゲートも小さめに作った、それを目で測ったか、、、)
なんかこの機体の操り方がわかったような気がする
ギュイィィィン
『一叶のやつ、また上に昇っていきますね』
(次は何見せてくれる)
このまま一気に!
ギュゥゥゥゥィィィィィィン
ヒュュュュュュュ
ギュゥゥゥゥィィィィん
ヒュュュュュュュゥ
『うわすげぇ!一叶、めっちゃ回ってますよ、隊長!』
『ああ、あれは「Looop」(ループ)という昔使われた航空戦闘機の空中戦闘機動の一つだ。一般的には宙返りとも言う。初歩的な技ではあるがとうてい今日乗りたての素人にできるはずはないんだがな』
『はぁ、、、』
意外と楽しいかもこれ
ギュゥゥゥゥ
ヒュュュュュュュ
ヒィィィィ
(やはり私の予想は間違ってなかったらしい。湊莉一叶の能力、それは《超感覚》あらゆる物体・機械・手段があいつはそれを実行しようと自分で思うだけでやり方が頭に入ってくるというものだろう、でなきゃいきなりf35なんて代物を動かせるわけがない。
あいつは叡智を持って生まれた、、、)
ーーー管制室ーーー
『なんだ!なんなんだあいつは!!俺でさえあんなに動けるまで半年はかかったんだぞ!クソ!』
高岸少尉は管制室の中で膝をついてうなだれた
ーーー訓練場ーーー
(さて)
『ここでの練習は終わりだ、あいつの実力はわかった。優介!管制室に行ってあいつに降りてくるよう伝えろ!ただし降りるときにキズ一つつけたら殺すとな』
『は、はい!わかりやした!』
『それであの、俺の訓練はいつやるのでありますか!』
優介は敬礼をしながら尋ねた
『ああ、、また今度だ!わかったら行け!』
『は、はい!』
優介は急ぎ走で管制室に向かった
(湊莉一叶か、、、あいつはもしかすると戦いの英雄になるかもしれんな)