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一緒に入隊

『は?えと、あなたが一部隊の隊長さん?』

、、、


『そうだ』


『それで俺は、エリート軍人大学に行くどころか高校中退からのいきなり軍人!?』


『そうだ』


『冗談じゃない、俺はまだ学びたいことがたくさんあるんだ!それに軍人にはなりたいが俺がなりたいのはあくまでエリート軍人であってわけのわからない部隊の軍人じゃないんだ!』


『エリート軍人?目立った能力のないお前にか?』


『ク、、、ああそうだ、それでも俺はなるって決めた』


『そうか、、、そこまでいうならこの話はなかったことにしよう』

『ああそうそう最後に』


『なんだ?』


『我部隊に入る話はなかったことになったが私では退学はなかったことにできんからな』


『は?』

何を言っているのかわからんのでもう一度

『は?』


『当たり前だろう、入隊のことは私とお前が決めることだが退学うんぬんはお前と学校のことだからな』フフーン


そう言ったこの隊長様は『さあ、どうする?』と言わんばかりの笑みを浮かべた。

『いやいやお前がやったんだろ!』


『そんな証拠がどこにあるんだ?教えてくれ』ニヤリ


なんて悪い女なんだこの女は

『そ、そうだ俺の親はどう言ってるんだ!?』

さすがに一部隊の隊長様とはいえ、未成年の男児の将来を左右するのに保護者の同意は必要であろう。

そして俺は親にもエリート軍人になると誓っている。

絶対に断るはずだ。


『ああ、それなら許可はもうもらってあるぞ。』


『え?』


『えっとどこやったかな、、、』


そう言うと自分の服のポケットからなにかを探し始めた。


『あ、あったあった。ほらこれを見ろ』


すると隊長様は一枚の紙を見せてきた。そこには同意書と書かれた紙に俺の母と父のサインが入っていた。

『なんでこんなものが!?いつ?』


『昨日だ。お前が帰ってくる前に家に伺ってな』


いやいや俺が帰ってからにしろよ!


『いやー、いいお母様とお父様だったよ。ちゃんと説明したらすぐ同意書にサインしてくれてな』


その前に俺に説明するべきだろ!


『そうそう、いい忘れていたがお前のお母様とお父様からの伝言だ。まずお母様〈良かったわね!あなたの夢叶ったじゃない!おかげで家の家計もたすかるし、一石二鳥だわ!とにかく頑張ってらっしゃい〉次お父様〈よう、一叶!お前も男なんだったらエリートとかそうでないとか気にせず頑張ってこいや!そして絶対生きて帰れ!〉だそうだ』


うぅ、わかったよ、母さん!父さん!

なるほどポジティブに考えればこれはチャンスなのかもしれない。エリートではないにしろ軍人は軍人、そこで成果さえ出せば上に行けるかもしれない


『隊長さん、俺、、』


『ん?あ、まだあった。追記〈私達は今から地中海に行ってきます。長期になると思うので、もし今家に帰って来ても誰もいませんのであしからず〉』


『お前絶対なにか渡しただろ!わいろてきなやつ!俺の家はごく普通の一般家庭、地中海に長期で行く金なんかないはずだ!』


『さ〜あ、私は知らんな。ただ私が持っていたカバンからちょこっとものが落ちてな、お母様が拾ってくださったのだが、私にはあまり必要なものではなかったのでもらっていただいたよ』


また嫌な笑みをした。

『典型的なワイロじゃないてすか!一部隊の隊長がそんなことしていいんですか!?』


『隊長だから良いのだ!それに、上からも〈ほしい人材は何が何でも引き抜け!〉といわれているのでな』


そう言われるとただの一般学生の俺にはもう何も言えなかった。、、、


『、、、』


『、、、』


『一叶もうしかたねぇじゃん、とりあえず夢だった軍人になれるんだぜ』


沈黙が続いたが、それを破ったのは俺の親友の高木優介タカギユウスケである。そしてそう言う祐介の方を見て俺は決意した。


『、、、わかりました。入隊します』


『よろしい、では車に乗れ』


『ただし!条件があります!』

こうなったら道連れだ。、、、

『この高木優介も入隊させてください!これが俺からの条件です。』


『ほう』


『は!?何いってんだ一叶!!』


『ん?どうした?優介、お前が言ったんじゃないか、〈とりあえず夢だった軍人になれるんだからいいだろ〉って、確かお前も軍人になるんだったよな』


『いや!なんで俺がこんな訳のわからん部隊に入らなくちゃならないんだよ!』


『それはお互い様だろ?』


『いや、おかしいだろ!』


カツカツカツ


俺と優介が言い合いをしているとヒールの音をたてながら祐介の前に綺咲キサキ奇稲クシナが立った。


『な、何でしょう?』ぶるぶる


祐介わかるぞ、すごい威圧感なんだよな


『まずお前の名前は!』


『は、はい!苗字は高い木と書いて高木。名前はえと、ユウスケとか書いて優介であります!』


『ふむ、どうやら頭はそんなによくなさそうだな。で、次だ、お前の能力を教えろ!』


『はい!えと俺の能力は簡単に言うと発火能力と自分の半径10メートル以内にある火を操る能力であります!名前はフレイムアパレェションといいます!』


『ほう、炎操作か、、、それにしてもセンスのない名前だな』


それは俺も随分前から思ってはいた。


『はぁ、そうですかねぇ〜、、自分では気に入っているのですが』


『話を戻そう、炎操作が君の能力ということはわかった。たが実際お前はどこまで操れる?炎操作系の能力者はそう珍しくない、そして炎操作系能力者は一人ひとり能力に特徴を持つことも多い。例えば火の細かい操作はできないが火力を大きくしたり小さくしたりできる能力だったり、火を凝縮して火の塊、エネルギーの塊を作れたりする能力などがあると聞く。』


確かに図書館の本にそう書いてあった。火を操るものだけでなく火以外の、水、風、土、木を操るものもそれぞれ一人ひとり能力に特徴でると言われている。

そういえば、俺も優介がどこまで火を操作できるのか知らないな、この学校にいると本当に人の能力を見る機会が昨日の試験くらいしかなかったからな。今年の試験も去年の試験も優介は炎を手から出したら平均点取れるからな。

全く羨ましい限りだ。


『俺の特徴ですか?特徴と言ってもそんなこと全然考えたことなかったもので、、ただ火力を大きくしたり火の塊を作ったりはできますよ』


んん??


『なに?2つもできるのか!?』


『2つというか、他のこともできますよ。炎の壁作ったり、周囲の火を集めて自分のエネルギーに変換したり、あ!あと炎の形を変えたりもできます!。』


んんんん???


『私の知っている炎操作系能力の全てができてなおかつ多分まだ軍の記録載っていない能力まで使えるだと!?』


優介ってそんなに強かったのかよ!!!


『優介、ちょっと』


『ん?なんだよ一叶』


『なんで言わなかったんだよ。そんなに色々できること』


『ん?だって一叶詳しく聞かなかったじゃん?いいんだなーと思って、それにそんな面白い能力でもないしな』


いやいや十分面白いだろ、火使ってあんな実験やこんな実験し放題じゃないか!


『はぁ、こんな逸材がこんな学校にいたとはな』

、、、


『高木優介!!』


『はい!何でしょう?』


『合格だ!お前も今日付で我が部隊に所属してもらう!』

(これは一つの岩にダイヤの原石を2つ見つけたかもしれんな)


『ちょっと待ってください、ほら、まだ一叶と違って俺の親の了解はとってないでしょう?。それに準備とかもあるし、さすがに今すぐは無理かなと、、、』


矢崎ヤザキ!高木優介も連れて行く!用意を頼む』


綺咲奇稲がそう言うと車の陰から見た目は20代くらいのスーツ姿の女が現れた。その女は髪 は後ろで三編みにし束ね、メガネをかけていて、腕でなにかのファイルを抱えていた。まるでザ・秘書のような女だった。


『隊長!またですか!?いつもいつもそんなわがままばかり、振り回されるこっちの身にもなってください』


やっぱりいつもこんな調子なのか


『説教はいい、早くしろ』


『もう、こうなったらなにも聞かないんですから。後で柊木さんに怒られても知りませんよ』

プルルプルル


そう言うとスマホでどこかに掛け始めた。

それにしてもこの傲慢な隊長を怒れる人がこの世にいるとは驚きだ。


カチャ


つながると人の良さそうな声で話し始めた。


『はい、軍のもので、、、、1億、、、このくらいでどうで、、、はい、はい、、、、あ、ありがとうございます。では失礼します。』

ガチャ

『隊長、OKです』


『わかった』


1億!!?あまり聞こえなかったが、確かに1億と言った。


『おい、一叶、、、今1億とか言わなかったか』


『おう、俺もそう聞こえた』

汗が体中から出るのを感じた。このとき俺はすべてを察した。俺の親も同じ方法で説得され、地中海にいったのだと。

俺は、夢を叶えるどころか軍に売られたのだった。


『おい、高木優介。お前の親から許可はもらった。書類などは後ででもかまうまい。退学届けも今すぐにでも出せるが、どうする?』


『えとやっぱ、一回家に帰って親と話してからで、、、』


『ああそうそう、お前の親から伝言があった。南の島に長期でいくから家にはしばらく帰ってくるなだそうだ。なお鍵は持っていくそうだ。』


やっぱ、俺と同じ手口か!


『さあ、どうする、ゆ、う、す、け?』


綺咲奇稲は不敵な笑みを浮かべながら優介に問いかけた。


クゥ


『優介諦めろ』

俺は優介の肩を叩きながら逃げられないことをさとした。


『さあ!乗れ!』


俺と優介は真っ黒な高級車に渋々のりこんだ。そして車は走り出し、今まで過ごしてきた国立能上学園は遠のいていった。

《車の中》


『クソー、一叶、、、、』


『なんだー?』


『俺の夢を真っ二つにしやがって、いつか覚えてろよ』


『忘れるよ、それに真っ二つになんてなっていない。』


『どういうことだ?』


『お前もさっき言ったろ、エリートでないにしろ一応軍の一部なにか功績を立てれば上にいけるかもしれないだろ』


『まあ、確かに、、』


『俺ら二人ならできるさ!どうせなら一緒にエリート部隊に入ろうぜ!』


『、、、わかったよ、一緒になるか!』


『おう!』


俺たち二人の決意とともに車は走っていく。そして俺たちが今向かっているのは俺らが入れられた国家特殊兵器科特殊部隊《通称・特特部隊》の隊員の寮でもあり拠点でもあるところらしい










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