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第二話
…………?
何だ、これは?
白い。真っ白だ。
小さい頃見た雪景色を思い出すが、今の季節は夏だ。
…っていうか、俺、死んだんじゃないのか?
意識は覚醒しているのに、身体の感覚がまるでない。
口も動かないし、何も聞こえない。
…もしかして、大きな後遺症は残ったものの、俺は奇跡的に一命をとりとめて病院のベッドの上にでもいるのだろうか。
もしくは、ここがあの世?
「まあ、概ねそんな感じです」
唐突に聞こえた声。
その声に驚いていると、空間が歪んで女の人が現れた。
…いや、違う。霧だ。視界一面に広がっていたのは濃霧で、女の人はその向こうから歩いてきたのだ。
美しい。
彼女の全貌が明らかになった時、まず最初にそう思った。
透き通った金色の長い髪の頂点に月桂樹の冠を乗せ、古代ギリシャ風の服(トーガ?)を着ている。
その人の、真夏の昼空のように青い瞳が俺を見つめる。
浮世離れしたその美貌に、俺は心の中で言う。
『神様だ…』
「はい、神様です」
言って、女神様は微笑んだ。