海への準備
短くなってしまいましたが、読んでくださると幸いです。
-夏といえば?-
ふと気づくと、俺は妹にそんな質問をしていた。
「なんだと思う、瑠衣?」
「プールか海?」
「そうだよな、行くか海?」
さり気なくそんなことも言ってみた。
「却下…。」
「な、なんで!?今のは行く流れでしょ!」
「えっと、その、泳げないから…。」
「嘘だぁ〜、瑠衣の友達から聞いたが水泳得意らしいな。」
「い、いや、そんなことないもん!」
照れながらそんなことを言っていた。
「泳げるなら何故?」
「知らない…。」
「あ、わかった。昔の水着しかないからだな!」
バシッ‼そんな鈍い音が鳴り響いた。
「痛ッ‼そんなの買いに行けばいいだろ」
「お兄ちゃんのエッチ!変態!ラノベ主人公!じゃなくて、仕方ないな…買いに行くね。」
その後、瑠衣は軽蔑するような目でこう言った。
「絶対について来ないでね…。」
当然、兄がそんな特大イベントについていかないわけないだろうと言うことで、ついてきている。
今は瑠衣が選んでいるところをじっくり見ている。こんな兄で大丈夫か、自分でも心配になってくる。
「これがいいかな?これのほうがいいかな〜?」
「お決まりですか?良ければオススメでもお教えしましょうか?」
「あ、はい、お願いします…。」
…30分後。
「よしこれにしよう…。」
妹が決めたのを見て、俺は店をあとにした。
家で妹の帰りを待っていると。
ガチャ
「おかえり!良い水着は見つかった?」
「最低。」
その真っ先に飛んできた言葉は見事に心に突き刺さった。
「はい。」
妹が見せて来たのはタイムラインに載った文章だった。
-なんか、eオンの水着ショップの前で髪型が厨二病臭い男が誰かのことじっと見てるんだけどwww-
それを見た瞬間、俺の人生は終了したと確信した。
そしてその直後、鈍い音がまたもや家に響き渡った。
【海への準備】
次回は海編となります。
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