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Nemesis TCG  作者: C.コード
7/8

開幕前の余興デュエル!

「ここが会場かあ…」


俺、雷牙は唖然として広場に立っていた。

今日はネメシスTCGの公式大会と聞いて浮き足立っていたのだが、

いざ目の前にしてみると、やはり圧巻である。


ここ、会場はネメシスTCGを販売している企業が立てた施設である。

その名も…『デュエルアリーナ』!

なんという、心地よい響きだろう。まさにデュエルの聖地ともいうべき場所だ。

…できたのはつい最近なのだが。


「な、雷牙? わざわざ……遠くから電車で来たかいがあっただろ?」

「そうだな、雅! わくわくよりも、緊張してきた……!!」


緊張で固くなっている足を、そんなこともないかのようにふるまうのが精いっぱいだ。

対して雅のこの震えは武者震いといったところだろうか。


「ここで勝てば最新弾のパックが先行ゲットできるんだったな……負けらんねえ!」


この勝負、告知では最新弾のパックが勝者にいきわたるようになっているらしい。

参加賞ではさすがにもらえないが、強者をたぎらせるには十分なものだとわかる。

そして彼らが戦う場所で、俺達も戦わなければならない、デュエルで!




足早に向かった会場内ではすでにフリースペースでのデュエルが行われていた。

「【グラビティコントロール】発動! その効果で俺のダメージはこのターン中1になる!」


「進化!シーモンスター種族を進化元に【グランドヴァリオン】召喚!

 さらに効果発動! 自分の墓地にある水のカードの枚数分、Atkがアップする!」


「【セイントクレア】の効果発動! 自分のシールドを1枚手札に加える代わりに、戦闘破壊を無効にする!」


既にデュエルの質は高度を極めていた。





「なんてやつらだ、レアカードのオンパレードじゃねえか!」

「や、やっぱあれすごいのか、雅!?」

「どれもスーパーレアばっかりだぜ…そうでなくてもいい効果のカードばっかり。すげええ!」

「俺らもササッと受付済ませて、デュエルしようぜ!」

「よしよし、今日は俺の本気を見せてやる!」


受付を済ませるとデュエルスペースを見繕って席に着く。

大会開始までまだ時間に余裕があったが、デュエルスペースは満席に近い状態だった。




「雅はどんなデッキ組んできたんだよ、やっぱり火文明か?」

「ああ、しかもとっておきのやつだぜ。ミラージュレアはいれてないんだけどな。」

「ええ、なんでだよ。あんなに強かったじゃないか。」

「デッキの肌に合わなかったからな。まあ、見せてやるって。このデッキの強さってやつ。」

「オーケーオーケー。俺もデッキ強化したからな! 粘ってやる!」





雅の先攻、第2ターン。


「俺はマテリアルチャージして、ハイドキャンドル召喚。ターンエンド。」

「へえ~、闇を加えてブロッカー持ちのクリーチャーを使えるようにしたのか。」

「ハイドキャンドルはブロックできるし、敵がいなけりゃ攻撃できるし、使い勝手がいい。

レアルティも低いからすぐ手に入るしな。雷牙のターンだぜ。」

「俺のターン!ドロー! マテリアルチャージ! 俺もハイドキャンドルを召喚だ! ターンエンド!」

「やっぱ雷牙も使ってたか。まあ、そりゃそうだよね。闇文明が入ってたらみんな使うよ。」

「そんなにこいつは強いのか? 俺もたまたま目に入ったから入れちゃったけど。」

「今の闇文明はこいつ以外に2コストで使いやすいカードが他にないんだよね。

3コストからはみんな好きなカード使うけど2コストはハイドキャンドル一択だ。勝利を狙うなら、な。」

「雅はほんとにネメシスのことよく知ってるな、どんだけやりこんでるんだ。」

「この日のために調べまくったからな。俺のターン、ドロー! マテリアルチャージして……

 3コスト、【シモンキャノン】召喚!」




【シモンキャノン】  コスト3  Type:Blaze(火)  種族:アーキタイプ

Atk:5  Def:3


特殊効果:

1.スピードアタッカー:このカードは召喚酔いしない。


2.このカードはタップされていないクリーチャーに攻撃宣言ができる。


3.このカードは相手のシールド、相手プレイヤーに直接攻撃することはできない。

ただし手札を1枚捨てることでこの条件をこのターン中のみ解除できる。


4.このカードが手札を墓地に送る効果を使用したとき、そのターン中のみAtk+1の効果を得る。

ただし1ターン中に何度もカードを墓地に送っても最初の一度目しかAtk+1の効果は得られない。







「シモンキャノンはタップされてないクリーチャーに攻撃ができる。

更にスピードアタッカーだから召喚酔いしない! ハイドキャンドルに攻撃!」


【シモンキャノン】Atk5  VS  【ハイドキャンドル】Atk2


「グッ、俺のハイドキャンドルが!」

「そして今度は俺のハイドキャンドルでシールドブレイク!」


雷牙 シールド5⇒4


「早速シールドを削ってきたか……。前に手札を与える云々言ってたことはなんだったんだ。」

「手札を使われる前に倒し切る。布陣が整う前に崩す、それがこのデッキのコンセプトだ。」


その後も雅がリードしてデュエルは進む。


「【キャノンカセット】をシモンキャノンに装備させる。」




【キャノンカセット】  コスト2  Type:Blaze   エクィプ


特殊効果:

1.Atk,Def+1の効果。

2.このカードを【シモンキャノン】に装備しているとき、

シモンキャノンの手札を捨てて発動できる効果を使ったとき、手札を捨てる効果だけを無効化できる。







「シモンキャノンは効果でシールドブレイクとダイレクトアタックができないけど、

手札を1枚捨てることでその効果をこのターン中だけ解除できる。俺はその効果を発動。

そして【キャノンカセット】の効果で手札を捨てる効果は、手札を捨てずに発動できる!

だが、『手札を捨てる効果』は発動した。

【シモンキャノン】第4の効果、『手札を捨てる効果を使用した時、このターン中Atk+1の効果』が発動する。

食らいやがれッ!」


雷牙 シールド1⇒0


「なんてスピードだ、追い付けねえ!」

「クリーチャーを出しても、シモンキャノンがいればタップされてなくても攻撃できるから安全に処理できるってわけ。

大きなコストのクリーチャーを出すか呪文でひっくり返すしかないよ~?」

「そんな都合のいいカード簡単に引けるか!」



雅の速攻は実に堅実で確実な速攻であった。

コストの低いカードから順番にクリーチャーを並べてできる限り攻撃回数を稼ぎ、ライフを最短で削りきる戦法は

本来なら手札の消費が著しく、途中で手札不足による息切れを起こしてしまうリスクも背負っている。

だが、雅のデッキは速攻のようなクリーチャーを並べる戦法をとりながら、ライフではなくクリーチャーを狙う。

相手の攻め手を一方的に削ぎながら、自身は一気に攻め入る隙を伺う『コントロール型』の戦法を取り入れていた。


【シモンキャノン】は3コストでありながら、高いAtkを持つ。

タップされていないクリーチャーを攻撃できる代わりに相手プレイヤーにはシールドを含めて攻撃できない効果を

併せ持っているが、手札を1枚捨てることでその効果を解除しつつ、Atk+1の効果も得られる。

更には【キャノンカセット】により手札を捨てる効果は捨てずに発動できるため手札の消費は抑えられている。

速攻のようにカードを使いながら、他の速攻とは一味違う、一歩先を行くデュエルを見せていた。




「俺さ、前々から思ってたんだよね。『自分と似てるデッキを使う人』がいたらどう戦えばいいんだろうって。

それを解決してくれたのが【シモンキャノン】と【キャノンカセット】のコンボなんだよ。

こいつは手札を捨ててもシールド1枚攻撃だけじゃ、割に合わないけどライフへのダメージなら効果が高い。

そしてクリーチャーを始末してくれる便利な効果。当然4枚入れてるぜ。」


雅はあの時からさらに強くなっていた。他を圧倒するデッキ構築のセンス!


「俺は手札を捨てる効果を発動。そしてキャノンカセットの効果で捨てずに使える!

シモンキャノンでダイレクトアタック!

続けて2体目のシモンキャノンも手札を捨てて効果を解除。ダイレクトアタック!」


「うわわ、一気に削られた!」

「どんなもんだ!」



雅の圧勝だった。今までにない速さと強さを兼ね備えた最強のデッキ……!!









「すごいすごーい! 速攻って感じのデュエルだったね!」

突如聞こえた女性の声。二人はデュエルに夢中で気がついていなかった。


「特に君、あんなにストレートに勝つデッキ、初めて見たかも。」

「ど、どうも……貴方、どこかで見たような……?」


雅はどうやらこの人を知っているような様子だった。


「もしかして、『ネメシス』の雑誌買ってるの? アレに私載ってるんだけど見てた?」

「え? もしかして……『月夜見(ツクヨミ) アカリ』!?」

「あー! やっぱり見てたんだ! 嬉しいかも!」


雑誌の有名人だということがなんとなくわかる。

俺は買ってなかったけど、雅はきっちり買ってたんだな。


「ねえねえ、ちょっと私ともデュエルしようよ!」

「マジですか! やりましょやりましょ!」


雅、結構熱くなってんな! まあ、気持ちはわからんでもない。

有名人とのデュエルなんて熱いよな。


「先攻は君からでいいよ。えーっと、雅くん、だっけ?」

「そうっす、アカリさん! シールド5枚展開して俺のターン!

 マテリアルチャージして終了です。」

「じゃあ私のターンね。私もシールド5枚出して……っと、マテリアルチャージして1コスト!

 【キャラメル! ファーストコンタクト!】発動!」




【キャラメル! ファーストコンタクト!】  1コスト  Type:Bright  呪文

特殊効果:

1.自分のデッキの上から3枚をめくる。その中にあるキャラメルと名のつくカードを全て相手に見せてから

 自分の手札に加えても良い。その後、手札に加えなかったカードを自分のデッキの一番下に置く。

 





「自分のデッキの上から3枚をめくって『キャラメル』の名前を持つカードを全部手札に加えるよ! それっ!」


【ミクルル・キャラメル】【リスペルシェスタ】【FiverComing! キャラメルスタンド】


「ミクルル・『キャラメル』と『キャラメル』スタンドは手札に加えて、残りを自分のデッキの一番下に。ターンエンド!」

「1コストの呪文……あのカードも見たことない……。俺のターン、マテリアルチャージして2コスト、

 ハイドキャンドルを召喚、ターンエンド!」


雅が出遅れる形となった。1コストに有効なカードは限られていて、多くのデッキでは採用されていないが

アカリのデッキは初動1ターン目という素早い動きになった。

雅も自分のデッキの流れを作っていく。


「私のターン、ドロー! マテリアルにカードを置いて、2コスト!

 【支配の子 ケレス】を召喚、ターンエンドだよ!」




【支配の子 ケレス】  2コスト Type:Bright   種族:ライトセイバー

Atk:4  Def:4

特殊効果:

1.このクリーチャーは相手プレイヤーに攻撃できない。

2.このクリーチャーが相手クリーチャーを戦闘によって破壊したとき、デッキからカードを1枚ドローする。






「2コストでAtk4だと……パワーで攻めるデッキなのか……?」

「ふっふーん、どうだろうねー?」

「……まあ、俺は俺のデュエルでいきますよ、俺のターン!

 マテリアルチャージして3コスト! 【シモンキャノン】召喚!

 バトルです! シモンキャノンで『支配の子 ケレス』に攻撃!」


シモンキャノン Atk5  VS  支配の子 ケレス Atk4


「よし、ターンエンド!」


「やってきたね、いいよいいよー。私のターン、ドロー! マテリアルチャージして3コスト!

 【オリオンザライト】召喚! そしてそのまま効果発動!」




【オリオンザライト】  3コスト  Type:Bright  種族:ライトセイバー

Atk:4 Def:4

特殊効果:

1.このクリーチャーを場に出したとき、自分の手札からカードを1枚裏向きにしてシールドに加えても良い。





「手札を1枚シールドにして、ターンエンドだよ!」


「やってくるぜ……あんなにサクサク進めてくるなんて、手慣れてるし、みたことないカードばっかりだ。

 俺のターン! ドローしてマテリアルチャージ! 【キャノンカセット】をシモンキャノンに装備!

 バトルだ! オリオンザライトに攻撃!」


シモンキャノン+キャノンカセット Atk5+1  VS  オリオンザライト Atk4


「ターンエンド!」

「なかなかやるじゃない……確かにこのままじゃクリーチャーを破壊されてても足も出ないところだけど、

 お楽しみはここからよ! 私のターン、ドロー! マテリアルチャージして4コスト!

 さっき手札に加えた【FiverComing! キャラメルスタンド】を発動!」




【FiverComing! キャラメルスタンド】  4コスト Type:Bright  呪文

特殊効果:

1.自分はこのターン中1度だけ、キャラメルと名のつくクリーチャーを召喚する時、

そのコストを支払わずに召喚しても良い。 


2.自分の場にキャラメルと名のつくクリーチャーが場に存在していて、

自分が相手のダイレクトアタック以外の方法により、ライフが1以上ある状態でゲームに負ける時、

墓地にあるこのカードを除外することで、自分の敗北を1度だけ無効にする。





「キャラメルスタンドの効果で、手札から「キャラメル」の名前を持つクリーチャーを1体、タダで出しちゃうよ!

 私は【ミクルル・キャラメル】をタダで召喚!」




【ミクルル・キャラメル】  6コスト  Type:Bright  種族:ヒーロー/ライトセイバー

Atk:6  Def:6

特殊効果:

1.Wブレイカー:このクリーチャーはシールドを2枚順番にブレイクする。 


2.キャラメルマスタリー:自分が手札から「キャラメル」と名のつく呪文をプレイする時、そのコストを3減らしても良い。

ただし、この効果でコストは1以下にはならない。 


3.【Rev2】自分のシールドが2枚以下の時、このクリーチャーはブロッカーを得る。 


4.********************




「これが私の相棒だよ! ターンエンド!」

「俺のターン! ドロー!」


雅は選択を迫られていた。シモンキャノンと相打ちを狙うか、機を伺うか。

雅のデッキにはシモンキャノンが4枚、キャノンカセットも4枚入っているが、

どちらもまだ1枚ずつしか引けていない。シールドに含まれている可能性も考えると

相手に攻撃させて、2枚目のシモンキャノンか、キャノンカセットを手札に加えてから

あのクリーチャーを倒しておきたいと戦術を組み立てていた。


これは雅がデッキの改良をしていくうえで新たに生まれた弱点でもあった。

シモンキャノンのようにコストが軽いカードを多く取り入れる速攻デッキは、

コストの重いカードをあまり入れない為である。


手札も枯渇してきた今は相手の様子を見ておきたいという考えに雅は至った。


「マテリアルチャージして、4コスト! 【継承者 スレイド】を召喚! ターンエンド!」

「あ、そのカードはあの時の……」

「ん、どうした、雷牙?」

「ちゃんと使ってたんだな。当たり前だ、使い方をしっかりしてやればスレイドはマジで強いぜ。

 ミラージュレアだから、さすがだな。」




アカリはミラージュレアに目を奪われていた。




「えっ! ミラージュレアカード持ってるの!? 持ってる人は初めて見たかも!?」


「キラキラしてて綺麗でしょ、でもそれだけじゃないってところを見せますよ。」

「確かに、強そうだね、なんとかしないと! 私のターン! ドローしてマテリアルチャージ!

 私は1コストで、2枚目の【キャラメル! ファーストコンタクト!】発動!

 デッキを3枚めくって、「キャラメル」と名のつくカードを手札に! イッツショータイム!」




【キャラメルブレイン】【キャラメルメモリー】【ミクルル・キャラメル】




「いいねー! 全部手札に加えるよ!」


「うそだろ、一気に3枚ドロー……!?」


「まだ終わらないよ~? 私のバトルゾーンにある【ミクルル・キャラメル】の2つ目の効果!

 私が手札からキャラメルの名前を持つ呪文を使うときのコストは3つ少なくなる!

 でも、1コストよりは下がらないからコストは1使っちゃうよ!

 私は1コストで、今手札に加えた【キャラメルメモリー】を唱えます!」




【キャラメルメモリー】  4コスト  Type:Bright  呪文

特殊効果:

1.自分のデッキから呪文カードを1枚選び、自分の手札に加え、デッキをシャッフルする。

このカードによって手札に加えたカードが「キャラメル」と名のつくカードであれば、

それを相手に見せることでデッキをシャッフルした後にカードを1枚、デッキからドローしても良い。





「デッキから呪文を1枚選んで手札に! 私が選ぶのは……【FiverComing! キャラメルスタンド】!

 あとはデッキをシャッフルして、追加効果! 1枚ドローします!」


「なんてコンボだ、これなら持ち味となるキャラメルのカードが手札から尽きることはない……!?」



「コンボはまだ終わらないよ! ミクルル・キャラメルの効果でコストを3つ減らして、今度は1コストで

 【FiverComing! キャラメルスタンド】発動しまーす!

 2体目の【ミクルル・キャラメル】をタダで召喚!

 ついでにさっき手札に加えた【キャラメルブレイン】を、またまたコスト1で使っちゃいまーす!」




【キャラメルブレイン】  コスト4  Type:Bright   呪文

特殊効果:

1.自分のデッキの上からカードを2枚ドローする。 


2.自分の場に「キャラメル」と名のつくクリーチャーが存在していれば、このカードは「ライトニング」効果を得る。 


3.このカードによってドローしたカードを、相手にすべて見せても良い。

そうして見せたカードの中に「キャラメル」と名のつくカードがあれば、さらにカードを1枚ドローしても良い。




「デッキから2枚ドロー、そのドローしたカードを全て相手に見せて、『キャラメル』の名前を持つカードがあれば

 さらにもう1枚ドローできちゃいます!」


アカリがこうして見せたカードは【光来魔人】と【叡智と再来の龍】。


「あちゃー、追加ドローはなしかー。」

「やっと、止まったか……。」

「いーや、最後に切り札のお披露目が残ってるよ!」

「なんだって、残りのマテリアルが2で、まだ何かあるっていうのか!?」

「あるんだよねーそれが……未来のネメシスを担う、新しいカードを特別に見せちゃいます!」


未来の、新しいカードに雅は息をのんだ。


「私はバトルゾーンにある2体の【ミクルル・キャラメル】でオーバーレイ!」


「オーバー……レイ……!?」


「クリーチャーの進化とば別の形で進化を遂げた、新たなクリーチャー…【 X (エクシーズ)クリーチャー】だよ!

 自分のバトルゾーンに同じコストを持つクリーチャーが2体か、それ以上いれば、Xクリーチャーを呼び出せるの、

 この【エクストラデッキ】からね!」


「エクストラデッキ!? まだ開発段階って雑誌に書いてあったけど、もうあるの!?」


「ふふん、正式にカード化されて、実は私もそのカードを持ってるデュエリストの一人なの!

 でも、雑誌のカードは……サイキック、だったよね、私のは違うんだよ~?」


「そう、それ! サイキック・クリーチャー! それじゃないの?」


「私がこれから出すのは X (エクシーズ)クリーチャー。

 サイキックと違って、エクストラデッキから出せる進化クリーチャーみたいな感じかな。

 ……それじゃーいくよ! 私のキャラメル2体で X (エクシーズ)召喚!

 現れよ! 【キャラメル・ホーリーフォース】!」




【キャラメル・ホーリーフォース】  ランク6  Type:Bright  種族:【X】ヒーロー/ライトセイバー/エンゼルハイト

Atk:10  Def:9

特殊効果:

【X】自分の光のコスト6のクリーチャー2体

1.Wブレイカー  


2.ブロッカー 


3.このクリーチャーが X (エクシーズ)素材に「キャラメル」と名のつくカードを持っている時、

自分が受けるダメージを全て半分にする(割り切れない場合は切り捨てる)。 


4.メテオバーン:自分のターンのメインフェイズ中、このクリーチャーのX素材を1枚取り除いても良い。

そうしたら、相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのクリーチャーは次の自分のターンまで全ての効果を失う。







「キャラメルの『メテオバーン』効果発動! キャラメルの【 X (エクシーズ)素材】を1枚取り除くことで、

 相手のクリーチャー1体の効果を次の私のターンまで無効にします! 私はシモンキャノンを選択!」


「俺のシモンキャノンが!」


「Xクリーチャーは召喚酔いがないのも進化クリーチャーと一緒だよ、バトルフェイズ!

 キャラメルでWブレイク!」


雅 シールド 5⇒3


「ターンエンド!」


「俺のターン、ドロー! マテリアルチャージ!

 俺は2体目のシモンキャノンとキャノンカセットを出す!」


雅は2枚目のシモンキャノンがあれば、状況を打破できると考えていたが、対策を打たれてしまった。

キャノンカセットのATK+1の効果とシモンキャノンの手札を捨てた時の効果でさらに+1.

しかし、新たなクリーチャーはAtk10.これは4枚目までキャノンカセットを装備させないと相打ちにできない。


「ぐ…ターンエンド。」


「私のターン! ドロー! マテリアルチャージ、私は【エンゼルリング】をキャラメルに装備!」



【エンゼルリング】   コスト3  Type:Bright  エクィプ

特殊効果:

1.装備クリーチャーはAtk,Def+1の効果を得る。 

2.自分のバトルゾーンにエンゼルハイト種族のクリーチャーが存在するとき、追加でAtk,Defを2ずつ上昇させる。






「これでもう、バトルでは倒されないんじゃないかなー! 

 キャラメルでWブレイク!」


雅 シールド 3⇒1


「やべーやべー……倒せるやついねーぞ。」


キャラメル・ホーリーフォースはすでにAtk,Defともに13.

シモンキャノンで倒せる相手ではなくなっていた。


コストを3コスト付近のカードに絞っていた雅はこれをひっくり返せるカードをデッキに入れていなかったのだ。

アカリはキャラメルによる猛攻撃でデュエルを続けた。

雅のデッキに入るブロッカーもパワーで押し負ける。

シモンキャノンで相手プレイヤーを狙う戦法に切り替えたが、

タップしてしまえばキャラメルに攻撃され、クリーチャーを狙われた。

キャラメルにジリ貧となり、勝負は決した。



「ラストアタック! キャラメルでダイレクトアタック!」


雅 ライフポイント 7⇒0


「うわあ! やられた!」





「ふー、楽しかったよ! 雅くん!また面白いデュエルをしたいな!

 ……そうだ、これも何かの縁だし、これ上げるね。勝負を見てた君にも!じゃあねー!」


そういってカードを渡すと、アカリはその場を去って人ごみの中へ。


めくったカードは【ミクルル・キャラメル】と【FiverComing! キャラメルスタンド】だった。




「一体何者なんだ、アカリさんは……。」


「雅があんなに押されるなんて信じられない。あれが新しいカードの力か……。」


「くっそー、Xクリーチャーか! かっこいいな!

 でも、俺も負けねー! 次こそは!」




『間もなく、デュエルトーナメントマッチを開催いたします! プレイヤーの皆さんは会場広場へお集まりください!』




アナウンスが聞こえた。


「この声、アカリさんか?」


「みてーだな。やっぱり大会で来てたんだ。行こうぜ、雷牙!」


「おう!」




デュエルトーナメントマッチが 始まろうとしていた。

未来のカードは強いです。

ソリティアと呼ばれる一人が延々とカードを動かすっていうのは、この回のアカリのようなことを

もっとえげつないやり方に使うものだと思ってください。

でも、今回の奴でもやりすぎた感。

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