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Nemesis TCG  作者: C.コード
4/8

闇のアストラルカード【ベノムヒドラ】

「闇より黒いアストラルカードを特別に見せてあげよう。」

デュエル開始。デュエルスペースではなく、果てしない黒い世界だけがある

この世界で、どんなデュエルをしようというのか、見当もつかない様子でお互い

5枚の手札をそろえる。

「アストラルカード? なんだそりゃ?」

「この世界を作り替えるために生み出された、選ばれしもののためのカードさ!

このデュエルで、アストラルカードの力も身に染みるだろう。

・・・先攻はいただくよ。マテルアルチャージ、ターンエンド。」


「俺のターン、マテリアルチャージ、ターンエンド。」

序盤の1ターン目。両者とも動く気配がないのは不幸中の幸いか、

雅の手札には、このデッキのコンセプトとも取れるミラージュレアのカードが

しっかりと握られていた。

「僕のターン。ドロー、マテリアルチャージ。

まずは様子見と行こうか。2コストを支払い【ハイドキャンドル】を召喚。ターンエンド。」



【ハイドキャンドル】 闇文明  2コスト  種族:ゴースト

Atk:2  Def:2

特殊効果

ブロッカー:相手クリーチャーが攻撃宣言したとき、このクリーチャーをタップすることで攻撃対象をこのカードにして戦闘を行ってもよい。

このクリーチャーは攻撃宣言できない。





「俺のターン。ドロー! マテリアルチャージ!ターンエンド!」

「威勢がいいだけかな? まあいいさ。俺のターン!マテリアルチャージ!

【スタンナー】召喚。」



【スタンナー】 闇文明 コスト3  種族:ブラックオーケストラ

Atk:2  Def:1

特殊効果:

このカードがタップされている間、相手はクリーチャーをタップして発動する効果を使うことができない。





「俺のターン!ドロー! マテリアルチャージして、3コストを使って【シャギーベル】を召喚!

そのまま効果発動! デッキの上から1枚をマテリアルゾーンへ! ターンエンド!」

「マテリアルブーストか、さすずめ大型クリーチャーを狙っているといったところかな?

でも、そんなんじゃ甘いよ? 俺のターン、ドロー。マテリアルチャージ。」


次に繰り出そうと手が添えられたカードが、怪しげな光を放ちだした。

かつて見たことがない怪しげな色彩を纏った奇妙な光だ。


「俺は4コストを支払って【エトロジイエナジー】を詠唱、そのままターンエンドだ。

さあ、俺を存分に楽しませてくれよ、少年君。」

「な、なんだあのカード、見たことねーぞ、あれもミラージュレアか!?」

「ざーんねん。ミラージュじゃないんだけど、ミラージュよりもっとすごいカードさ。

ミラージュレアを持つことができない人でも、ミラージュ並、いや、それ以上のカードが使えるようにと

考案された…『アストアラルカード』さ。」

「そんなもん、聞いたことねえ。ちゃんとしたカードなのかよ、それ…」

「ちゃんとしたもなにも、現にこうしてデュエルできっちり使えているし、

今にこのデュエルでそんな余裕がなくなるところを見せてあげるよ。」


「とにかく、今はデュエルだ…。あの奇妙なカード、呪文のくせにまだ効果が発動してない。

おまけにエターナル効果だ。この後なにされるかわかんねー。」

あの雅でさえ見たことがないというカード。雅の反応を見るに、雷牙も不安を隠せない。

「な、なあ雅、どうすんだよ。なんだよエターナルって!」

「あせんなっての。エターナルってのは呪文が持つ効果だ。

使い切りじゃなくて、ああいう風に場に残って、効果を使い続ける呪文ってところだ。

この後相手が何かしてくるのは間違いないけど…」


不安をぬぐい捨てるかのように、少年は自分のターンを始めた。

「ドロー! マテリアルチャージ!

そのまま『セントラルフレア』を唱えるぜ! 俺のクリーチャーを破壊して、

相手の6ダメージだ!」


【セントラルフレア】 Type:Blaze   呪文  5コスト


特殊効果:

1.自分の一番Atk値の高いクリーチャーを破壊して発動する。

相手のライフポイントに6ダメージを与える。






「ぐおおおおお! いきなり仕掛けてくるとはねえ!」

「うわわっ! なんだなんだ、いきなり相手が燃えちまったぞ!」

「ククク…このデュエルではシールドブレイクやライフポイントへのダメージが

現実となって襲い掛かる…。デュエルの敗北はズタズタになって這いつくばるまでの

痛みが待っていると思え!」

「ま、まじかよ…だったらこの手札は…」

「ん? まだ何かあるのかな? だが私のライフは残り14…。シールドも5枚健在で

ここから削りきるのは至難の業だと思うがね。せいぜい君の持っていそうな

ミラージュレアで抵抗してみてくれよ。」

「言われなくてもな! これでターンエンド!」


「おっと、その前に!【エトロジイエナジー】の効果が発動する!」

「なにっ!?」

「君に絶望を味わってもらうために、特別にカードの効果を見せてあげよう。」




【エトロジイエナジー】 Type:Dark  呪文

特殊効果:

エターナル:このカードは破壊されない限り場にとどまり効果を発揮し続ける。


1.次に墓地に送られたカードのコスト分だけ、デッキの上からカードをめくり、

それらを全てマテリアルゾーンにおいても良い。

2.この効果を使用した直後にこのカードを破壊する。





「さて、エトロジイエナジーの効果だ。≪次に墓地に送られたカード≫…君ならもうわかるかな?」

「あっ…」

雅の表情は一気に焦りへと変貌する。


「マジでか!? ってことは【セントラルフレア】の5コスト分、相手にマテリアルチャージされるってことかよ!?」

「ルールのおさらいもかねて、説明しよう。まず…君の【セントラルフレア】の効果で、

墓地に送られたカード…【シャギーベル】のコストは3だ!

呪文の効果適用中は、呪文はまだ墓地にはない。効果が終わってから墓地に置かれる。

よって、呪文の効果の途中で破壊された【シャギーベル】が、次に墓地に置かれたカードとなる。

僕も初めはうまくいったと思ったけどね。でも、3枚の追加マテリアルでも十分さ。

【エトロジイエナジー】の効果で、一気に3枚のマテリアルチャージだ!」


敵のマテリアルは、3枚の追加で7枚に達している。次のチャージを含めれば、

相手は8コストまで使えることになる。


「さて、この効果を使い終わった【エトロジイエナジー】は直後に破壊される。

これで僕のターンだ。」

「…ふっざけんな、ふざけんなよ! なんだこのインチキ効果は!」

「これが『アストラルカード』の力さ。きみもほしくなったかい?」

「こんな理不尽なやり方で、イカサマスレスレの効果、ありえねーだろ!?

こんなのデュエルじゃねえ!」



雅はすでに平常心を失いかけていたが、それでもこのデュエルに

中断という選択肢が浮かばなかったのはまだ幼い少年だったからだろう。


「嘆いてももう遅い! 僕のターン、ドローだ! ふっふっふ、

ここまで来たらもうマテリアルチャージは必要ない。

8コストを使って更なる絶望を! 現れろ、【ベノムヒドラ】!

ハッハッハッハ、このカードも特別に効果を見せてあげよう!」



【ベノムヒドラ】  Type:Dark  8コスト  種族:アストラルマニア

  Atk:18  Def:14

特殊効果:

1.このカードのダイレクトアタックが決まったターンの終了時から、相手はエンドフェイズごとに

ライフポイントが1減るようになる。ただしこの効果でライフポイントが0になることはない。

2.このカードをコントロールしているプレイヤーは自分のターンのエンドフェイズ時に1ダメージ受ける。

3.Tブレイカー:このクリーチャーは相手のシールドを3枚順番にブレイクする。





「恐れろ、戦け、絶望しろ! 俺はこれでターンエンド! 君の余命は残り数ターンだ。」


あまりにも桁違いのパワーに、凶悪な未知のカードに

戦慄している二人は見守るしかなかった。だが、雅は動き出す。

「…クソッ! こんなんでも、やらねーよりましだ!」

「何か手はあるのかよ雅!? 勝てっこねーよ!

 あの攻撃を受ける前に…やめよう。」

「やめるって、デュエルをか?

俺はあの男の言いなりにはなりたくない。」

「だけど、お前のセントラルフレアの6ダメージの威力を見ただろ!?

相手のベノムヒドラの攻撃力は18! 3倍…どう考えても無理だ!」

「まあ、普通かてねーよ。でもさ、雷牙、見ててくれよ。

たった一つだけ、勝ち筋が浮かんだんだ。」

「ほ、本当か? …それで、いいんだな、雅?」

「任せとけって。デュエルでお前に負けたことねーから、わかんだろ?」

「……やばくなったら、無理やりにでも止めるからな。」


雷牙はただ、任せるしかなかった。少年の小さな背中にある勇姿を

見続けることしかできなかった。


「俺のターン! ……雷牙、ちょっとこれ、やべーかも。」

「!! やっぱり、無理そうならやめとけ。次のターン、シールドブレイクが来る。」

「いや、まー、なんつーかさ。結構ギリギリなんだけど、このドローで感じたんだよ。

可能性っていうのか、ビリビリくる何かをさ。」

「どういうことだ? いけそうってことか?」

「…なんか、勝ってやろうって気になった。それだけだ。

行くぜ! 呪文【バーニングメモリー】を発動! デッキから相手にダメージを与える効果を持つ呪文を

1枚選んで、相手に見せてから手札に加える。俺は【ファイアボム】を手札に加える。」



【ファイアボム】  Type:Blaze  4コスト  呪文

特殊効果:

相手ライフに4ダメージを与える。




「何をするかと思えば、またダメージか。懲りないねえ。」

「やってみなきゃ、わかんねーだろ? 残った2コストで【ボーンレッド】を召喚!

これでターンエンドだ。」

「さーて、ここからが本番だ。俺のターン、ドロー!

…ふふ、もう何もすることはなさそうだ。そのままバトルフェイズ!

【ベノムヒドラ】でシールドをTブレイク! 消し飛べェ!」


ベノムヒドラの口から、禍々しい閃光がはなたれ、シールドへ向けられる。

そして、強烈な炸裂音と衝撃。

二人は、この攻撃に耐えきれず、立っていられなかった。


「雅、大丈夫か!?」

「俺は…大丈夫だ。それより次だ次。」

「お前、なんかおかしくなってるんじゃないのか。この状況で、興奮しすぎてるんじゃ。」

「そんなんじゃねーよ、たぶん。なんかデッキから感じるんだ。」


雅の奇妙な発言に、どうにも違和感を覚えていた雷牙。だが、次の雅のターンで、

その正体が判明する。


「これが、アストラルカードの力だ。ターンエンド。」


「へっへっへ。俺のターン。ドロー! …まあこんなもんか!

行くぜ、俺はマテリアルチャージ! これで6コストまでいける!

もう一体の【シャギーベル】召喚! これで7枚目。残りは4コスト!

これでさっきの【ファイアボム】を唱える! 食らえ4ダメージ!」


「ぐううううう、くふううう。 なかなか熱いデッキじゃないか。

でも私のベノムヒドラの一撃には遠く及ばない! シールドがなくなったら終わりだ!」


相手のライフは残り8ポイント。

ライフが、ベノムヒドラの効果で、ターンエンド毎に1ポイントずつ蝕んでいくが

それでも倒れない。勝利に食らいつくだけの野性的な目をしている。


相手の焼ける姿は悲痛なものだった。だがまだ余裕がある。

それはこのデュエルが相手の痛みに訴えるシステムの中で、

彼は勝利を信じているからだろう。まだ勝算があると。

次のベノムヒドラの一撃でシールドはなくなる。

そうなったら、彼が今まで攻撃に使っていなかった【スタンナー】と合わせて20ダメージまで

一気に通すことができる。…雅にはもう残りのターンがない。




「これでターンエンド。」

「もうカウントダウンはすぐそこだ! 私のターン!

…君はもうあまり手札に余裕がないようだな。さて、私の勝利を確実なものにしてやろう。

6コストで進化だ! 俺のゴースト種族のハイドキャンドルを【ゴーストシップ】へ!」




【ゴーストシップ】  Type:Dark  6コスト  種族:ゴースト

Atk:9  Def:9

特殊効果:

エボリューション:このカードは自分のゴーストの上に重ねて召喚する。

1.このカードが場に存在している限り、誰もライトニング効果を発動することができない。

2.ブロッカー





「これで君のライトニングによる逆転劇は封じた!

もう君のシールドから手札に行くときに、コスト0で使える効果≪ライトニング≫には頼れない。

さらに、ハイドキャンドルにあった≪攻撃宣言できない≫効果は、

ゴーストシップに変わったことでなくなった!」

「くっ…だが、ゴーストシップはAtk9。 なんとか、痛みに耐えられそうなダメージだな?」

「フッフッフッフ、甘いな。私には【スタンナー】がいる!

攻撃力9のダメージでは済まさんよ!

バトルフェイズだ! スタンナーとゴーストシップで残りのシールド2枚をブレイク!」


「しまった! 雅ッ!」

「もう遅い! ベノムヒドラでダイレクトアタックだ! 『蛇龍魔閃弾(ベノムストライク)』!」


「ぐわあああああああ!」

「うわああっ ああっ!」


シールドによる防がれても尚強烈だった攻撃が、今、直接攻撃でライフにダメージが加わった。




「う、うぅ…雅…」

返事がない。


「み、雅? おい、しっかりしろ…!」

「……きっついな。これ。」

「しっかりしろ! 大丈夫か!?」

「は、ハハ…これだめそうだな。もう、動け、ねー…かも。」


ボロボロになって横たわる雅を見下ろして、彼はデュエルを進めた。


「クク、そうだ。それだ。その絶望を感じている表情。

求めていたモノそのものだ。これでターンエンド…。この瞬間ベノムヒドラの効果が発動する。

俺はエンドフェイズごとに1ダメージを受ける。だが、ダイレクトアタックを受けた相手は

俺と同じようにエンドフェイズごとに1ダメージを受ける。これで

君の残りライフはたったの1!」


雅のライフは1。相手はまだ7ポイントのライフがある。シールドがまだ残っている相手に

もう6ダメージを与える手段は、皆無に等しいはず。

【ファイアボム】は4コスト。2回使えるマテリアルもない。


「雅、もう、止めよう。だめだ。これ以上は…」

「…最後に、ドローを…」

「えっ?」

「最後に、あきらめる前に、ドローを…しておきてえんだ。

だめそうなら、そこで、止めるさ。…どのみち、

俺はターンの終わりに…」


「言っておくがね。ベノムヒドラはその効果で相手のライフは0にはできない。

とどめを刺すのは効果ダメージじゃなくて、ベノムヒドラだ。

あがくだけあがくといいさ。ま、無理だろうけどね!」




「雅…次の攻撃は…」

「雷牙には、まだ言ってなかったっけな。」

「…何を?」

「俺さ…前の日にいいカードを仕込んでおいたんだ。

それが、来たら…勝てそうなんだけど、なあ。

…雷牙、俺さ、もう…立てそうにねえし、動けねえんだ。代わりに…

ドローしてくれねーか? 頼むよ…最後のドローだ…。」

「わ、わかった…」


「代行か? デュエルできるならキッチリターン開始宣言してからにしてくれよ。」

「…俺のターン、ドロー…。 雅、…これが最後のドローカードだ。

たった1枚のカードでは、どうにもならないだろう。さあ、…」

「…フフ、諦めんなよ…雷牙…。」

「馬鹿、何言ってッ」

「当たりだよ、雷牙。使ってくれ。それで全部終わる。」

「お前、この状況わかってんのか! つづけたらもう、相手は容赦しないぞ!?」

「大丈夫だ…雷牙、お前のおかげで、もってこれたんだぜ、このカード。

使ってみりゃ、分かる…頼むって。」


「~~~~ッ! クソッ、死ぬときは一緒だ!

俺はこのカードを使う! 4コスト! 【紅玉の禁断魔法】!」


「キラキラしたカードだねえ。おあいにく様、

俺はアストラルカード以外はあんまりいいの見たことなくてね。

必要ないし…それで?」

「これで終わりだ。雅、やめよ…雅?」


「雷牙、最後の時だ。最後らしくデュエリストっぽく、台に立たせてくれ。」

「…わかった。」


「【紅玉】の効果はなんだ? 無駄うちなら早くターンを回してくれよ。」

「無駄なんかじゃないさ。…お返しに、効果、見せてやるよ。」




【紅玉の禁断魔法】  Type:Blaze  コスト4  呪文

特殊効果:

クイック:このカードは相手のターンでも使用できる。


1.墓地、手札の中から呪文カードを1枚選び除外して発動する。

除外したカードの効果を2回プレイすることができる。




「ハッハッハ、愉快なカードだ。だが君の手札…

ヒドラにやられて散らばった時に見えたが、もう有効なカードなんてない。」


「【紅玉】は、墓地のカードも選べるんだよ、

俺の言いたいこと、もう、わかるだろ?」


「まさか【ファイアボム】を…!?」

「そうだ、しかも、≪2回プレイすることができる≫効果だ。だけど、それだけじゃ済まさない。

…俺の場に2体のクリーチャーがいるよな。

【シャギーベル】と【ボーンレッド】…。お前にも痛み分けってことで、俺が選ぶのはこれ…!

墓地にある【セントラルフレア】…これを2回使うぜッ…!」


「なっ、お前いつの間に…それでクリーチャーを!」

「俺の場のクリーチャー2体を、破壊…そして、食らえッ

渾身の…6ダメージ×2回分を!」


「ぐああああ、アアッ! あぎゃああああ!

こんなガキにぃ!」


12ダメージを与えた。相手のライフポイントは0になり、デュエルは決着。


「ガハッ!」

「雅!」

デュエル終了と同時に、当たりの空間は元に戻っていつものデュエルスペースになった。

だが、相手は…


「そうだアンタ、何もんだよ!?」

「……」

返事がない。だが、まだ生きていることは確かだ。

しかし苦しみ方が尋常ではない。

「……アンタ大丈夫か?」

「あ、アストラルカードを使ってデュエルに負けた時、

地獄のような苦しみが跳ね返る…。

次はこの程度では済まさん。覚悟しておけ…クッ」


相当辛い様子だ。だが、聞かなきゃいけない。


「アンタ、名前はなんていうんだ。」

「俺は…マジェスティ…。そこのガキ…お前は…」

「俺か、俺は、雅だ。」

「なるほど。次会える時が楽しみだ…。グオオオッ!」


倒れていたマジェスティは、急に起き上ったかと思うと、渾身の力で

走り去った。

デュエルは決着し、俺は雅を支えて、家まで送った。


「雷牙、すまねえな。助かったよ。」

「雅こそ、無茶しやがって! 俺もうだめかと思ったぞ。」

「…ハハ、俺もなんであんなことしたのかわかんねー。じゃあな。雷牙。

次はちゃんとデュエルしような。」

「急にどうしたんだよ。やっぱり雅はおかしくなってるんじゃないのか。」

「ひでーな、雷牙…。今日はゆっくり休むよ。」

「ああ、そうしてくれ。俺も買えるよ。驚きの連続で疲れたしな。」



こうして、闇のデュエルは終わった。

このTCGの謎は深まるばかりだが、来週には新しいイベントが待っていた。

それは『ネメシスTCGフェスティバル』

雷牙がこのことを知るのは、次に雅とカードショップで会った時だった。

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