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Nemesis TCG  作者: C.コード
1/8

ネメシスTCGと小生意気な少年

TVのCMがやけに耳に残る。

『――――――――ネメシス トレーディングカードゲーム! 好評発売中!』

ぼんやりとしていた。今が午後何時だったのかすら曖昧だ。

神の采配とでも言うべきだろうか。妙な気まぐれが俺の体を起こした。

「ネメシス…ねえ」

子供の頃にカードゲームはやっていた。今は高校生だが、とても懐かしさを感じるゲームだ。

…ちょっと、見るくらいならお金も使わないしタダだと思い、自転車に乗った。




近くのカードショップは喧騒がヤケに印象的だった。

ここまでの人と人との声が今まであっただろうかというくらいの賑わいだ。

子供の頃にカードショップに来ていたときとは店内の印象が変わっていた。

久しく来ていなかったが、カードショップとしての力の入れ方は、賑わい相応にランクアップしている。

変化に驚きながらも、ネメシスTCGとやらの商品を探す。


カードゲームは最小単位がパックと呼ばれる形で販売している。

1つが税込150円と少し上くらい。パック1つにカードが5枚入っている。

懐かしいことを思い出しながら店内を行くと、すぐにネメシスは見つかった。

特に人の集まりがあった方向にそれは並んでいた。

「これが、ネメシス?」

とんでもない賑わいだ。

現在は3種類ほど、パックがあるようだが、そのうち最新のものは売り切れとなっていた。

(なんて人気だ。出て間もないカードゲームだっていうのに人気ありすぎだろ―――)

唖然としていると、すぐに後ろから人がまた押し寄せていた。

俺は混み具合に耐え切れず、その場をあとにして、店の(すみ)へと移った。

ちょっと見に来ただけだというのに少し疲れてしまった。

店の3分の1程はデュエルスペースになっているようだった。

そのほか、カードのシングル販売や、中古カードのストレージもこのあたりにあるようだ。

まじまじと眺めていると、俺は人とぶつかってしまった。

「おっと、ごめん。大丈夫?」

「・・・・・・」

相手は小学生だろうか。身長は低い少年だった。少し間を空けて少年は俺を見据えて言った。

「おい! どこ見て歩いてるんだよ!」

「ごめん、ごめんって。怪我はない?」

「てめーのせいでカードが散らばっちまっただろうが!」

床を見ると、少年の近くにカードが散らばっている。

俺はすぐに床のカードを広いはじめる。

「ホント、ごめんね。そんなつもりはなかったんだ。」

「ったくもう! とりあえずそっち拾って!」

少年は小生意気な口調ながらも、深くは気にせず急いで集める。




「はい。これで全部かな?」

「ちょっと見てみる・・・・・・うん、たぶん全部ある。」

「よかった。それじゃ」

「ちょっと待てって。まだ終わってねーぞ!」

「ええ?」

「これは俺がこれから買うはずだった中古カードだよ。これは買うけど、傷が付いちまったかもしれねーなァ?」

「俺が買い取れって言いたいのか。」

「いやいや、ちげーよ。お互いカードを持つデュエリストなら、デュエルで良し悪しを決めようじゃない。」

「でも俺、カード持ってないぞ。」

「だったら今買えばいいだろ。興味あったんだろ? ほら、早くしよう。」

なんて王道な絡みパターンだ。しかし、興味があるのは事実。好奇心も膨らんできてたところだ。

・・・少しだけなら買えるだけのお金もあるし買ってこよう。


「わかった。今から買ってくる。」

「俺も行くぞ。」

「どうして? 君はカードを持ってるんじゃ?」

「分かってねーな。今アツいデュエルのやり方ってもんがあるんだよ。まあ見てな。」

少年は俺と一緒に先ほどいたネメシスTCGの商品があった棚に向かった。

「これだ。・・・最新のはさすがにねーな。先週発売したばっかりだしな。」

「どれを買えばいい?」

「今からやるのは『ブースター8』だ! 今残ってるのは、第1弾と第2弾のパックしかないけど

ここからパックを8個選んで、それでデュエルするんだよ!」

「そんなことできるの!?」

「デッキを組むルールは今のところ、40枚ピッタリに合わせるだけだからな。

俺は第2弾から8パックだ。」

少年はパックの表紙が印刷された札を取った。

この札はおそらく、直接パックを触れられたときに起こるトラブルなどを防止するための対策だろう。

これをカウンターに出して商品を買うのがカードゲームでは一般的になっている・・・はず!

「俺は、両方から4パックずつにするよ。」

「ホントにやったことなさそうな選び方だなー。」

さっきカードはやってないといっただろうとツッコミを入れながら、カウンターへ向かう。

8パックがそれぞれ150円ちょっと。1300円あれば、足りるかな。



結局、カードを買うことになってしまうことになった。この状況が想定外のことだけど。

「じゃあ、ルールから教えてやるよ。あ、パックは先に俺が開ける。これで説明してやるよ。」

「カード見えちゃうけどいいの?」

「これくらいのハンデじゃ絶対負けねーし!」

そんなことを言いながら、少年はパックを開けて始めた。すると、いきなり少年の様子が変わる。

「うわっ! これマジかよ! ミラージュレアだ…ッッ!!」

「それはすごいカードなの?」

「これはレアなんてもんじゃねー・・・! 持ってる奴がホントに周りにいねーくらいレアなんだよ!」

かなり少年は興奮している。そういうものなのだろう。俺もレアカードという響きにはかなり弱かった。

「これはちゃんとスリーブしておかないと」

「スリーブ?」

「ああ、カードにスリーブは上級者じゃ当たり前だぜ! カードを保護するためのアイテムのこと!」

スリーブか、そういうものもちゃんと売っているんだな。昔の俺はしてなかったはずだ。


「ふー、全部開けたから説明するぞ。まず、デッキは40枚でひと組になってるんだよ。

同じカードは4枚までしか入れられないんだけど、今からやる『ブースター8』は特別で

パックから出るカードで40枚ぴったりになるから5枚以上あっても入れ替えなしでデュエルできる。

まあ、そんなことほとんどないけど。」

「へえー、40枚か。ピッタリじゃないとダメなの?」

「ああ! 絶対40枚! カードには、いくつか種類がある。これ見て!」

少年が出したカードは【復讐者(ふくしゅうしゃ) スレイド】というカードだった。




【復讐者 スレイド】  コスト2   クリーチャー:ヒューマノイド

Type:Blaze    Rare:a    Atk:2   Def:1

特殊効果:

1.このカードの召喚ターンの終了時に、自分のバトルゾーンにほかのクリーチャーがいない時、

手札からエクィプカードを1枚このカードにマテリアルの消費なしで装備させることができる。

2.上記の効果でこのカードがエクィプカードの装備に成功したとき、デッキからカードを1枚ドローできる。





「これはクリーチャー。戦ったり守ったりするカードだ。クリーチャーにはコストと攻撃力(Atk)、

防御力(Def)と種族が書いてある。このクリーチャーはヒューマノイド種族だな。

特殊効果も書いてある。Rare(レア)はレア度のこと。レア度【 a 】は一番下だ。

Type(タイプ)は文明を表している。こいつはBlaze(ブレイズ)(火)だな。

他にも、『呪文』っていう使い捨てのカードと、装備させられる『エクィプ』っていうカードがある。」

「かっこいいカードだね。これは強いの?」

「こいつだけだとあんまり強くない。組み合わせるとそこそこかな。」

なんだか、ワクワクしてきた。高揚感というやつだろうか。心地よい高ぶりだ。


「デュエルの流れを説明するぞ!

デッキをシャッフルしたらセット! デュエル開始時はライフを40ポイントからスタートする。

ライフをもらったら、【シールド】を出すかどうか決められる。

【シールド】は相手のクリーチャーのダイレクトアタックを防いでくれる。

最初に0~5枚まで出すかどうか決められるけど、出した枚数1枚につき4ポイントのライフをなくすぜ!

そのあとに手札を5枚ドローする!


ターンのはじめはドロー! 先攻の一番初めのターンはドローできないけど、そのあとからドローできる。

その次はマテルアルチャージ! 手札からカードを1枚だけ、自分のターンにマテリアルゾーンに置くことができる。

これが、マナだ。ここにあるカードを使って、コストを支払うとカードを手札から使えるんだ。」

「なるほど、コストはマテリアルを貯めてからじゃないと、支払えないんだな。」

「そうそう。マテリアルチャージが終わったらカードを使うメインフェイズだ!

カードをどんどん使っていく。クリーチャーは召喚したターンは『召喚酔い』して、

そのターン中は攻撃できないんだけど、能力で召喚酔いしないクリーチャーもいる。

そのあとに、バトルフェイズ!

クリーチャーで攻撃できる。攻撃するときと、マテリアルゾーンにあるカードで支払うときは

カードを縦から横にタップする。」

「おおー、なるほどねえ。」

「クリーチャーに攻撃の回数は決まってないけど、縦の状態(アンタップ)からタップしないと

攻撃したことにはならないから、普通は1回しかできないからね。」

「オーケーオーケー。」

「攻撃が終わったら、そのあとはエンドフェイズ。自分のターンが終わって、相手のターンになる。

流れは一緒で、後攻はドローしてから始められるからね。

あっ、そうだ。ドローの前にアンタップ! 自分の場のカードをマテリアルもフィールドのカードも

全部アンタップできる。ドローしちゃうと戻せないから気をつけろよ。」

「・・・ちょっとつかめてきたかな。」

一通りの流れを説明されたあとで、俺はパックを開封した。

そのあいだに、少年はパックであけたカードすべてにスリーブをしていた。

「ん、これは?」

光るカードがパックの中から現れた。少年はそれを見て、少し驚いた。

「それ、【キマイラ・フィドー】じゃねーかッ! 結構強いぞ、それ。」

なるほど、これは強いのか。文明はDark・・・闇の文明ということだろうか。


すべてのパックを空けて、40枚のデッキにした。これでデュエルができる。

「よし、デュエルだッ! 先攻後攻はデッキジャッジで決める!」

「デッキジャッジ?」

「シールドを出して、手札を5枚引いたあとに、二人でデッキの一番上をめくるんだ。

そのカードのコストの大きさで勝負を決める。めくったカードはデッキの一番下に戻すけどな。

俺はライフを20ポイント使って、シールドを5枚展開!」

「なら俺も、シールド5枚展開!」

「へへ、まあ出すよねー。シールドは攻撃を防いだあとは手札になる。

こうやって、デッキの上から裏向きのまま5枚出すんだよ。」

「5枚展開。手札5枚ドロー!」

「よし、デッキジャッジ! 俺が引いたのはコスト5のカード!」

「俺はコスト3だ。」


「俺の先攻! ドローはできない。マテリアルチャージだ。

自然文明のカード、【呪術を喰らうモノ】をチャージして、ターンエンド。」

なるほど、最初のターンは何もせずに終わりか。・・・俺も、コスト1のカードはなかったから

なにもできずにおわるんだけどね。

「よし、今度はこっちだな。ドロー! マテリアルチャージ。

火文明のカード【メルトスライム】をチャージ。ターンエンド。」


「俺の第2ターン! ドロー! 俺は手札から火文明【シューティングバード】をチャージ!

・・・カードの使い方を教えるよ。コストを支払うとき、同じ文明のカードを1枚は絶対マテリアルから

使って支払わないといけない。俺は自然と火のカードで2マナを支払い、クリーチャーを召喚!

コスト2! 【復讐者 スレイド】!」

あれは、さっき俺に見せたカードだ。確か効果は・・・

「俺はこれでターンエンド。その前に、スレイドの効果発動! 召喚したターンの終わりに

他に自分のクリーチャーがいないとき、手札からタダで装備カードをこいつにつけられる!

俺は手札から【進軍の旗】を装備させる!」




【進軍の旗】 コスト3    Type:Blaze    エクィプ(装備)

特殊効果:

1.装備クリーチャー以外の自分のクリーチャーすべてのAtkを+1する。

2.このカードは複数枚自分の場に出せない。




「これでターンエンド。さあ、そっちの番だ。」

「俺のターン、ドロー! 闇のカード【キマイラ・メキッド】をチャージして、2マナ!

手札から【復讐者 スレイド】を召喚!」

「同じカードを持ってたか~!」

「俺も効果発動だ。手札から【レッドソード】をタダで装備させて、ターンエンドだ!」



【レッドソード】 コスト3   Type:Blaze    エクィプ

特殊効果:

1.装備クリーチャーにAtk+2,Def+1の効果。



このカードのおかげで、パワーは相手より高くなった。これが決め手になるといいが。

「やるじゃん。俺のターン。アンタップ、そしてドロー。 光のカード【プロテクション】をチャージして、

3マナ! 呪文【マジェスティックシールド】を唱える!」



【マジェスティックシールド】 3マナ   Type:Bright    呪文

特殊効果:

・チェーンガード:このカードは相手のカードにチェーンされない。

1.自分のデッキの上から裏向きで1枚をシールドに加える。




「マジェスティックシールドの効果でシールドを1枚増やす! ターンエンド!」

「ちょ、ちょっとチェーンガードってなに?

「ん、ああ、これか。呪文にはクイック(速攻)とか相手の呪文を妨害できるカードがあるんだよ。

無効化したりできるカードがあれば、効果を発動する前に止められるんだが、特定の効果がなきゃできないし、

使うにもマナが必要だから。」

「ふーん、まあいいや、アンタップ、そしてドロー! 闇のカード【デッドフォース】をチャージして、

3マナで【デッドトリガー バルーク】を召喚!



【デッドトリガー バルーク】コスト3   Type:Dark   クリーチャー:ダークロード

Atk:6   Def:3

特殊効果:

このクリーチャーはデッキの上から1枚を墓地に送らないと攻撃できない。





バトルだ! 召喚酔いがなくなったスレイドで攻撃!」

「シールドがあるから、シールドをどれか1枚選んでそれをブレイクできるぞ。」

「なら、一番端のカードだ!」

「これだな、手札に加える。 カードにはライトニングっていう効果があって、

シールドから手札に加わるときに手札に加える代わりにその時タダで唱えられるんだ。」

「そんなカードもあるんだね。」

「今回は違ったけど。」

「俺はこれでターンエンド。」

「俺のターン、ドロー! 自然のカード【新緑の儀式】をチャージ。ターンエンド。」

何もしてこないのか? 余裕か、それとも何か戦略が?

「俺のターン。ドロー。【マナウィップ】をチャージ。4マナ支払って召喚!

【狡猾なエルフ】! 



【狡猾なエルフ】4マナ   Type:Earth   クリーチャー:エルフ

Atk3   Def:1

特殊効果:

1.攻撃時、デッキの一番上のカードを見る。そのカードが呪文カードだった場合、手札に加える。

そうでなかった場合は見たカードをデッキの一番下に戻す。



 

バトルフェイズだ! まずはスレイドで攻撃! シールドブレイク!」

「くっ・・・これは何もない。」

「次だ! デッドトリガー バルークで攻撃・・・する時に効果発動。

デッキの上から1枚を墓地に送る。」

墓地に置かれたのは【ビーチハンター】・・・特殊効果はないクリーチャーだ。


「シールドブレイク!」

「そのまま手札に加える。」

「ターンエンド!」

「俺のターンだ。 ドロー! さっきから攻撃してくれて大丈夫か?」

「俺の方が、少し有利だと思うけど。」

「こっちは手札が増えてるんだ。おかげでいいカードが来たぜ!

【フェアリードロップ】をチャージして4マナ! 【スレイド】を進化させる!」

「進化だって!?」

「ああ、そうさ! 進化クリーチャーといってな。バトルゾーンにあるクリーチャーを進化させて召喚できる!

コイツは強いぜ! 【機構戦士 バリステンド】! 」



【機構戦士 バリステンド】コスト4    Type:Blaze   進化クリーチャー:ヒューマノイド

Atk:8   Def:4

特殊効果:

エボリューション:このカードは自分のヒューマノイドの上に重ねて召喚する。

1.このカードが破壊されたとき、相手の場にあるエクィプカードを1枚選び、破壊する。

2.Wブレイカー:このカードはシールドブレイクするとき、2枚順番にブレイクする。




「言っておくが、進化クリーチャーには『召喚酔いがない』からすぐに攻撃できるぜ!

バリステンドで攻撃! 対象はスレイド!」

「バトルってことは、どっちが勝つ?」

「攻撃する側、バリステンドはAtkで、最初からタップされているクリーチャーはDefでバトルする。

数値の大きい方が勝ちだ! 同じ時は、相打ちで両方共破壊になる。」


スレイド(レッドソード装備) Def1+1  vs  バリステンド Atk8


「スレイドを破壊! そうそう、バトルはタップ状態のクリーチャーにしか挑めないからな。 ターンエンド!」

スレイドを破壊されたか。このままじゃ、次にデッドトリガー バルークも・・・。

相手は5マナも貯めている。

俺もこのターンで5マナになるが、いいカードが弾けるかが勝負だ。

手札は単純に相手の方が3枚くらい多い。

俺の手札は2枚しかない。

「ドロー! 水のカード【チェーンヒール】をチャージ!

バトルだ! 【狡猾なエルフ】で攻撃! この時特殊効果が発動だ!

デッキの一番上をめくって、呪文だったときは手札に加える!」

デッキの一番上野カードは・・・【アクアスペルα】 呪文カードだ!


「アクアスペルαを手札に加える。シールドブレイクだ!」

「懲りずに来るじゃん 俺は次のターンからもっといけそうだ。」

「これで、ターンエンド。」

「やっぱり、バルークじゃ攻撃できないよね。切り札が墓地に送られちゃうかもしれないし。

・・・ドロー! 【チェリンデル】をチャージして・・・4マナ!

【マグマドロンジャー】召喚!」




【マグマドロンジャー】4マナ    Type:Blaze   クリーチャー:メルトウォーリア

Atk:6   Def:0

特殊効果:

1.このクリーチャーは火文明のクリーチャーに攻撃できない。




「バトルだ。バリステンドで狡猾なエルフを攻撃!」


バリステンド Atk8   vs   狡猾なエルフ Def1


「破壊だ! これでターンエンド。」

このままじゃ倒される一方だ。シールドを全てブレイクしても、ライフが20もある。

まだ勝負は終わりそうにない。ジリ貧だ!

「装備カード、使わないのか? レッドソードは、装備カードだからバトルとかじゃ破壊されないんだぜ。

クリーチャーが倒されても、コストを支払えばまた付けなおせるんだぞ。」

「そうだったのか。。使い方を間違えてたな。 俺のターン! ドロー!

【奇妙なドラゴンエッグ】をチャージして3マナ! 

デッドトリガー バルークにレッドソードを装備! これで合計、Atkが8になる!

バトルだ! バルークでバリステンドに攻撃!」


デッドトリガー バルーク(レッドソード装備) Atk8  vs  バリステンド Def4


「俺のバリステンドが!」

「これでターンエンド!」

「・・俺のターン ドロー!  ・・・きやがった!」

きやがったって、何が来たんだ? 切り札か?

「俺のミラージュレア召喚! コスト4支払って、いけ! 【継承者 スレイド】!」



【継承者 スレイド】コスト4  Type:Blaze   クリーチャー:ヒューマノイド

Atk:9  Def:4

特殊能力:

バトルマスター【W】:このクリーチャーは相手のクリーチャーを1体以上倒したとき、次の【B】の能力を得る。

2体以上倒したとき、【B2】の能力を得る。

【B】1.このクリーチャーはアンタップ状態のクリーチャーに攻撃宣言できる。

【B】2. 1ターンに一度、バトルフェイズ前に使用可能。自分の墓地に「スレイド」と名のつくカードが存在するとき、そのカードをプレイしても良い。

【B2】1.Wブレイカー:シールドブレイクするとき、2枚のシールドを同時にブレイクする。

【B2】2.自分のターンに一度、手札または墓地からエクィプカードを1枚選び、自分の場のクリーチャーにコスト0で装備させても良い。




「バトルだ! マグマドロンジャーでデッドトリガー バルークを攻撃!」


バルーク(レッドソード装備) Def3+1  vs  マグマドロンジャー Atk6


「バルークを破壊してターンエンド。」

「くっ・・・早く何とかしないと。 ドロー! 【反撃の導き】をチャージして、

【アクアスペルα】を使う!」



【アクアスペルα】 コスト4  Type:Aqua    呪文

特殊効果:

デッキからカードを2枚ドローする。



「2枚ドロー。ターンエンド!」

「動きが止まったな! ドロー!  【死神の策謀】をチャージして、

7マナでこいつを召喚する! 来い! 【シールドイーター】!」


【シールドイーター】コスト7   Type:Dark   クリーチャー:キマイラ

Atk:5   Def:4

特殊効果:

このカードがシールドブレイクしたとき、相手プレイヤーにも直接ダメージを与えることができる。

(相手のシールドのブレイクが終わり、ライトニングの有無やそれに対するチェーンが終わってから相手にダメージを与える)。




「クリーチャーがいないんじゃ、バトルマスターの効果が使えないけどいいか。

スレイドでシールドブレイク、ターンエンド!」

シールドからカードが手札に加わるが、ライトニングは都合良く来ないか。

だけど、このカードはラッキーだ。

「ドローして、チャージはしない。6マナ! 【キマイラ・フィドー】召喚!」


【キマイラ・フィドー】コスト6   Type:Dark   クリーチャー:キマイラ

Atk:6  Def:7

特殊能力:

手札を1枚墓地に送ることでこのカードは、このターン中Atk+5と

Wブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚同時にブレイクする)の効果を得る。




「ターンエンドだ!」

「スレイドを攻撃させにくいな。ドロー! マグマドロンジャーでバトルする!

シールドブレイク!」

来た! ライトニング!

「ライトニング発動! 【光弾】!」



【光弾】コスト1   Type:Bright    呪文

特殊効果: 

ライトニング:シールドブレイク時にこのカードがシールドから手札に加えたとき、Mtl(マナ)消費なしですぐに使用できる。

相手のクリーチャー1体を選び、タップ状態にする。




「効果でスレイドをタップする!」

「やべえ! スレイドが! ・・・ターンエンド」

「俺のターン! ドロー! バトルだ!

手札を1枚捨ててキマイラフィドーの効果発動! Atk+5とWブレイカーの効果を得る!

この状態でバトルしてスレイドを攻撃!」


キマイラ・フィドー  Atk6+5  vs  継承者 スレイド Def4


「よし、ターンエンド!」

「お、俺のミラージュレアが・・・! ドロー・・・」



その後の少年の速度は落ちていった。流れは変わって、俺の優勢になる。


「キマイラフィドーの攻撃! 手札を捨てた効果でWブレイク! シールドを2枚ブレイクする!」

「ライトニングは・・・ない・・・!」


少年は既に、切り札カードが倒されているため、これ以上の強いカードはデッキにはなかった。

攻撃力の高いマグマドロンジャーを、タップさせることを惜しんだ少年は攻撃できないままついにシールドがなくなる。


「行くぞ! キマイラフィドーの効果! 手札を1枚捨てて、Atk+5の効果! ダイレクトアタック!」


キマイラフィドー  Atk6+5=11    少年のライフ  20-11=9


「嘘だろ! こんなのありかよ!」


少年に、逆転の手は来なかった。


「キマイラフィドーでダイレクトアタック! 手札を1枚捨ててAtk+5だ!」


キマイラフィドー Atk6+5      少年のライフ 9-11=0


「俺の勝ちだ!」








少年はすっかり落ち込んでしまっている。

「気を落とすなって、俺も楽しかったよ。」

「え、あ、ああ・・・。おにーさん。名前は?」

「俺? 俺は霧山 雷牙(きりやま  らいが)っていうんだ。 君は?」

「俺は・・・大達 雅(おおだち   みやび)。」

「デュエル、楽しかったぜ。またここに来るんだろ。今度もっかいやるか?」

「え、ああ、おう。」

「それと、大達は小学生か? 口調が悪いから直したほうがいいぞ。」

「俺は高校生だ。」

「え??」


今日一番、びっくりしたかもしれない。

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