フラードでの忙しない日常
今、俺達二人はある建物の前で立ち止まっていた。
「ねぇ海、なんでコイツら今まで捕まんなかったの?」
「それは馬鹿な俺でも疑問だ」
話は20分前に遡る〜
海と会った後すぐ俺達は窃盗犯の組織のアジトを突き止めるためにいろんな人達に話を聞こうと生活街に足を運んだ。
生活街に着いた後、海が
「アジトって路地裏とかにあるんじゃないか?」
と言ったので、線は薄いが取り敢えず路地裏を回る事にした。
もしアジトが路地裏にあったとしても、そう簡単に見つかる訳が無い。 俺も海もそう思っていた....思っていたんだが....
「おっ?朔〜!此処じゃないか?」
「おぉ〜自信たっぷりだね。」
「だって、この貼り紙」
「張り紙?」
海が指差した方向に顔を向けると、一軒の建物の扉に貼り紙があり、こう書いてあったのだ。
【仲間以外入るな!仲間なら合言葉、「窃盗最高!」と叫べ!】
「.....ねぇ海、なんでコイツら今まで捕まんなかったの?」
「馬鹿な俺でも疑問だ。」
そして話は戻る〜
「コイツら合言葉の意味知ってるのかな?」
「窃盗の意味は知ってるのにな」
此処が路地裏じゃなかったらすぐ捕まってたね。
まぁ、それは置いといて俺達は潰しに行く事にした
「それで?どうやって攻める?」
「え?そのまんま一網打尽にすればいいんじゃねぇか」
「忘れてたよ、海が脳筋だって...でも相手の中に能力者がいるかもしれないよ?」
そう、この世には希に常人ではありえない脳力を持っている者がいる。俺も海もその能力持ちだ
海は水分操作、俺は分子操作という脳力を持っている
だから今回も組織の中に能力持ちがいたら少し戦闘が長引く可能性があるのだ。
更に相手が相当なやり手なら二人だけじゃやられる可能性もある。
まぁ....こんな貼り紙出してる組織だし、頭の方は危険視しないでいいと思うんだけど。
「じゃあ、俺が水で相手の数を調べてこようか?」
海はそう言うと頭に被っているニット帽に触る
すると、海の手には少し水滴が付く。
海のニット帽は少し特殊な材質で、数時間水に浸してるだけで1ヶ月ほど水を染み込ませる事が出来る。しかも触り心地は普通のニット帽と同じなので水分を操作する海にピッタリなのだ。
「ん〜...ざっと8人だな」
「1人四人がノルマだね。じゃあ俺は分子になって部屋に散らばって奇襲するから海は真正面から突入していいよ」
「良し!わかったぜ!じゃあ行ってくる!」
そう言うと海は扉を開け、廊下を直進していく
「気が早いよ!ったく」
「ぎゃあァぁ!!なんだこいつ!」
「打てっ!!銃で打てっ!」
「そんなもん効かねぇぜ!!」
「なんだこいつ!?水で弾を防いでやがる!」
「ぎゃあぁぁァァァァァ!!!」
「ひゃっほぉぉぉぉ!!!」
......このまま全部倒してくれないかな?
「夜刀埜さん〜窃盗犯全員捕まえてきたよ〜」
「おぉ〜、お二人さんご苦労さま〜」
あの後、ほぼ海が暴れて窃盗犯グループは全滅した。
ただ、今まで取ってきた物の在処だけ話さないので取り敢えず夜刀埜さんに会いにやってきたのだ。
「夜刀埜さん!久しぶり〜!」
「おぉ、海じゃねぇか〜久しぶり〜」
「この人達、今まで取ってきた物の在処話さないから、どうしようかと思って取り敢えず連れてきたんだけど」
「あんがとな、朔。 じゃあコイツら牢屋にぶち込むついでに警察ン所連れてってくれ。そこの獄使長の嬢ちゃんなら吐かさせてくれんだろ」
「大剛刑務所か〜久々に行くな〜良し!俺も着いてく!」
「そうと決まれば署長に連絡しねぇとな〜」
そう言うと夜刀埜さんは電話を手に取る
「お〜い、トル?」
『ん?夜刀埜さんじゃないか。どうかしたのか?』
「いやな、前言ってた窃盗犯グループを朔達が捕まえてくれたからさ、今からそっちに連れてくわ〜詳しい内容は朔に聞いてくれ」
『捕まえたのかい?それは良かった!わかったよ。散歩しに行こうと思ったけど待っておくよ』
「おう〜」
ガチャ....
「良し、連絡は取ったからお前らそいつ等引き渡してこい」
どうやら次の行き先は決まったらしい。
「じゃあ行こうぜ!朔!」
「じゃあ大剛刑務所にいくか....」
そうして、俺達は大剛刑務所に足を運び始めた。
はぁ....これ終わったら生活街の甘味所でゆっくりしようかな
はい、話の間に少しずつ設定やらなんやらを説明していこうと頑張っているんですがなかなか難しいです
...
キャラの見た目や設定等は後ほどまとめますんで( ̄∀ ̄)