風船のお話
掲載日:2012/03/22
大人には見えない風船。
こどもにもみえないフーセン。
誰にも見えない風船を、あたしは今日も口から製造してるワケなんです。
ふふふっ、と息を吐いたら黄色の大きい大きい風船が膨らんだ。
ぱちん。
「うわっ。」
下から声がして思わずのぞく。
「なぁーんだ。長内かよぉ〜。」
同級の長内は今日も不機嫌に右眉を引き攣らせる。
「またいつものパターンですかぁ?ちっ、つまんねぇ。ニューパターンつくれよ、」
あたしは貯水タンクから見事に屋上にダイブする。
一瞬ふわっと動きがゆるまるのは背中に貯めた風船のおかげなのです、うふ。
「なぁ、お前さぁ。」
サンドイッチを貪りながらあたしは振り向く。
「背中の風船邪魔じゃないの?」
不覚にもサンドイッチが屋上に着地した。




