私にどんな運命が待っているのかしら 悪役令嬢? 聖女? それとも…あら!? ここは?
「私にどんな運命が待っているのかしら。……悪役令嬢? 聖女? それとも、もっと特別な……あら!?」
転生の間。目を開けた瞬間、私は言葉を失った。
「どういうこと? 誰もいないじゃないの! 案内役の神様も、出迎えてくれるはずの天使も……まったく、どうなってるのよ」
静寂。ただ、どこまでも続く白い空間。
苛立ちながら歩き始めた私の足が、何かに躓いた。
「あら? ……こんな所に、屍が」
それは、長い時間放置されていたような、枯れ木のようになった遺体。
ふと、その枯れた指に目が止まる。
「指に、何か嵌めてあるわ……。これ、私が今つけている指輪に、少し似ているような……。……気のせいよね、そんなはずないわ」
不安を振り払うように立ち上がろうとして、背筋が凍りつく。
その死体のサイズ感。手足の長さ。それは鏡を見ているかのように、私の身長と寸分違わず同じだった。
「え……!?」
周りを見渡す。霧が晴れるように、死角となっていた場所が見えてきた。
そこには、同じ指輪を嵌め、同じ姿をした、数えきれないほどの「私」の屍が、山となって積み上げられていた。
「どうなってるの……!? 私、私は、今まで……」
私が「次」の運命を夢見ている間、ここは「前」の私が捨てられる、ただの廃棄場だったのだ。
(完)




