2/3
2.あなたと過ごした夏
暑い日が減り
どことなく秋の気配を
感じられるようになった
9月の夜のこと
あなたに
別れを告げられたのは
猛暑日でのことで
まだ一緒に過ごせると思っていたのは
わたしだけのことだった
花火大会の露店で
初めてかじったりんご飴の甘さも
一面に広がる向日葵畑を
見に行ったことも 遠い日の記憶のように
かすれて上手く思い出せない
あなたは もういない
あなたと過ごす夏は もうやってこない
そう考えるだけで
涙がたくさん溢れだしてきた
あなたが涙を流すことは
心の整理することだって教えてくれたことは
こんなにも 鮮明に思い出すのに