佐藤さんコウモリになる
1995年12月11日
北海道の冬は厳しいです。寒いと言うより痛いのです。ホテルでの周りは-15度以下です。
男性は厨房の仕事、掃除の他に外仕事があります。
-15度以下の中せっせせっせと外仕事です。
段々と身体も冷えてきます。なんせ毎晩飲んだくれている僕は健康な訳はありません。
なんか熱っぽいのです。今日で3日程熱が下がりません。仕事が終わり、早めにとこに着いたのですが、大声で僕を呼ぶ声がします。なんか事件が起きた様な叫び声です。
戸を開けて見ると誰の姿もなく、只良く見ると足の指が窓のところに見えます。只声は急を告げてるのです。そばに寄って見ると佐藤さんが窓の枠に足を引っ掛けて外に宙吊りになってました。
そうコウモリのように窓枠に足を引っ掛けて宙吊りになっていたのです。
佐藤さんは小鳥を飼ってるのですが、小鳥に餌をやろうと思って足を滑らして宙吊りになった様です。
何故にそうなってるのか理解が出来ないのですが、
いずれにしても早く助けないと下は氷の世界。
間違いなく即死です。
急いで高橋君を呼んで二人で引き揚げました。
でも不幸中の幸いです。もし僕が具合が悪く部屋にいなければ間違いなく僕は風呂か車で街まで行っていたと思うので、。
僕は命の恩人です。
でも佐藤さんからなんのお礼もありません。
まあ良いか!見返りを求めないのが大事だもの!