1話 リリー
今回はこの作品を見て下さりありがとうございます。
まだ使い方にも慣れてない状態なので、おかしな部分もあるかと思いますが、頑張りますのでよろしくお願いします
人間は花に似ていると思う。
俺は目の前の枯れかけの花を見てそう思った。
『花なんて珍しいな、もう枯れかけだけど』
『母ちゃん〜!母ちゃん〜!どこなのここ〜!目、開けていい?』
『ま〜だ!』
暖かな春の風と一緒に俺の中での最後に見た花の思い出が蘇ってくる。
『よし!いいよ恭ちゃん!目、開けてみて』
真っ暗な視界の中から出てきたその景色は、言葉を失うほどに綺麗だった。
太陽みたいな向日葵と、白のワンピースにキラリと光る石のイヤリング。向日葵の葉っぱと同じ、緑色の髪の毛に、眩しい母さんの笑った顔。あの時の俺にはキラキラ光る宝石箱みたいに見えた。
今、もうあの時夢中になった宝石は、母さん は、太陽みたいな向日葵 は、もう俺の目に映ることは無い。
死にたい時に思い出すのはいつも母さんのことばかり。
でもやっと会えるんだ。やっと、やっと、やっと!!やっっと!!!!またあの宝石箱に会える。
『じゃーな1輪の花よ!長生き、、は出来ないだろうけどよ、俺が待っててやるから、また会おうな!』
俺は死にかけの花にお別れの挨拶を告げて、自分の死を改めて覚悟した。
これもまた今では珍しい大きな木の枝に俺はロープを巻き付けこれから自分の首を絞めることになる輪っかを作った。
『俺が死んだらみんな泣いてくれるのかな』
どのぐらいニュースになるだろうか、そもそも死んだ後どーなる?解剖とかされる?そもそも母さんは死んだ後、、、、、、どこにいったのだろうか。行き先は一緒なのか。
あぁそんなのどうでもいい!何を躊躇ってる!
俺は木に頭をぶつけ目を覚まさした。
準備は完璧だ。母さんが居なくなってからの間、俺はどーやったら母さんにもう1回会えるかだけを考えてた。場所・時間・方法 やっと条件が揃ったんだ。
『俺は、俺は!死ねる!!!!』
『ねえ、死ぬの?』
風の音しか聞こえなかった空間に割って入ってきたその声に俺は悪寒がした。
『は?』
こんな人の気の少ないところに、辺りを見渡しても誰もいない。いや、いるはずがない!
いるのは、今から俺の死の手伝いをしてくれる大きな木と、俺と、、俺と、!それから、それから、、、
ふと視線を下に向けるとそこにはさっき別れの挨拶をしたばっかりの 奴 がいた。
花??
『いやー待て待て。人って死の近くになると霊が見えるとかは聞いたことあるけどよー』
『まさか、花??今喋ってるの、この枯れかけの花?』
『、、ねぇなんで死のうと思ったの?君は』
『いや、質問に答えろよ!なんで花が人間に、、』
俺は腰を屈めて花に近づき、花を凝視した。
『、、、っハハ!アハハ!!!!あーもう限界!!』
花じゃ、ない。
いきなりバカにするような大笑いをし始めたそれで、俺はその声の居場所にやっと気がついた。
下じゃなくて、、う、上??
花にあった目線を空へと向けようとした時
『バァ!!』
木の枝に足をかけ逆さになって表したその姿と目が合い、俺は思わず悲鳴を上げた。
『う、うわぁぁぁぁぁぁー!!!!!』
『もう、なによそのまるでお化けが出たみたいな反応!!』
ぷくーと頬を膨らませ拗ねるその少女は
『よっこらせっと!』
眩しく照らしていた太陽に被さるように、空から降ってきた。
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