3話:ハリッシュが剣道で日本人に勝利
翌日、ハリッシュに会うと昨晩はありがとうといい両親が君をすっかり
気に入って、また時間がある時に是非、来て下さいと言ってくれた。
英語が素晴らしくコミニケーションが取れ、いろんな事を知りたいと
母が言っていたと言うと佐藤妙子もインドの人に聞いてみたいことが、
まだまだ、あるので時間ができたら行きたいと言うと喜んでくれた。
そして今日は剣道と集中力について教えて上げるわと言った。
その後、防具を着けて私と剣道の試合をしましょうと言うと喜んで
、防具を着け、はじめと言い試合を開始した。もちろん、続けざまに
3本取って、ほんの数分で試合は終わった。試合後、妙子が面を決める
前に胴や小手を取る様な素振りをしたでしょ、あれは相手を攪乱させる
方法で最初から隙ができたら、面を取ろうという作戦だと教えた。
そして面を取りに行くときは一心不乱に面をとった。つまり邪念が隙を
つくり邪念を払い集中していれば相手の考えていることを的確に読む事が
できるのよと説明した。それを聞いていたハリッシュは、へー剣道って
奥が深いのですねと言うので、当たり前よ、日本では侍の時代、本当の
刀をつかい殺し合っていた。つまり生きるか死ぬかは、この隙があるか
ないかで決まるのよと言うと、そうかと膝をたたいた。
しかしハリッシュには多分、分かっていないだろうと笑いながら妙子が
言った。相手の動きを知り、相手に隙を作らなければ100戦、100勝
できる。しかし剣道の上級者の試合は長い。それは両者が経験豊富で相手の
動きを読んで違う行動を取るからだと説明した。しかし日本語で体得という
言葉と会得という似たような言葉ありハリッシュは会得しただけで体得できて
いないのよ。
つまり頭では分かっているが行動に移せない。頭では分かっているのに
身体では覚えていないのよと笑った。じゃ-どうやって体得できるのか
と聞くので、それは何年も何十年も練習、真剣な試合を通して体得でき
、負けない強い剣士になるのよと説明した。そうか練習量と集中力と
読みと勘と一気に攻める集中力かとハリッシュが言うと、その通りと
伝えた。
それからというものハリッシュは考えながら素振りをし、以前に比べ
着実に強くなった。夏休みも欠かさず練習していたある日、練習試合で
はじめて日本人相手に面を取った。それからめきめきと剣道の腕を上た。
これを見ていた剣道部の顧問の先生が夏休みの最後の日に紅白戦を
行いハリッシュも選手になって参加するとはりきっていた。そして
ハリッシュが夢にまで見たはずの日本人選手から勝利を収めるという
快挙を成し遂げた。
これを見ていた佐藤妙子は自分の事のように喜んで涙を流して喜んで
あげると、日本の武士道恐るべしとハリッシュが大きな声で叫んだ。
夏休みに最終日、ハリッシュの家に呼ばれて佐藤妙子が訪問すると
ハリッシュの両親がハリッシュが日本人選手と剣道の試合をして勝った
ことで多くのことを学び、これが彼にとって、きっと大きな自信になり
、素晴らしい人間になるために役立つと喜んだ。
そして佐藤妙子に、ありがとうと握手を求めた。高校2年の夏が終わり
高校3年となると剣道部を辞めて、どこの大学を受験するか決めなければ
ならない。この頃、佐藤妙子は何回かハリッシュの家で食べたカレーの味
とインド数学の奥の深さに興味を持ちインドのことをもっと深く知りたい
と思うようになった。
そこでハリッシュの家を訪問したときに思い切ってハリッシュの両親に
インド数学についてもっと知りたいと話すと喜んでくれ、インドのこと
を知るには2つ方法がある、1つはインドの語学、ヒンディー語学科
を受験するかインド哲学科のいずれかだろうと言った。




