26話:佐藤の実家へ引っ越し、店の手伝い
前もって朝のうちに連絡していて、店も昼休み中で10人の若者が
手伝ってくれ、1時間ほどで大きなリビングに荷物を下ろし、レンタカー
を返してきた。その後2人で、板に4つの小さな車輪の付いた台車の大きな
荷物を乗せて、指示された2部屋に荷物を運び始めて19時過ぎには、
ほぼ片付いた。
その晩、父が佐藤妙子に店の店頭で「なめろう」の持ち帰りと売って
もらい、亭主の佐藤勤一には「なめろう」の製造をやってもらいたいと
言うと了解した。その話をしただけで、後は俺に着いてこいと言って、
今日は疲れたろうから早めに風呂入って寝ろと言ってくれた。そして、
直ぐに床について、明朝は6時に起き、成田山新勝寺に行って、今後も
宜しくと挨拶し、店の繁盛も祈願してこいと言われた。
早朝、父の車を借りて、成田山新勝寺へ行き、お参りして来た。
家に戻り7時から朝食で7時半に、まず簡単の手伝いから始めようと父が
、勤一に、さばいた魚をみじん切りにして、皿に、置いてある野菜を包丁で
混ぜながらたたき、そこに味噌入れ、粘りが出るまで浸すらたたくと説明
したが、勤一がぼーっと聞いているように見えた。しかたないなと言い、
俺が実演するから、よく見ろと数回、見本を見せたが、魚の臭いに負けて
、気持ち悪くって真っ青になって、トイレに駆け込んでもどした。
これを見て、こりゃ駄目だと言い、妙子を呼んでお前の亭主は使えない
から、お前がやって見ろと言われ、父が見本を見せると、直ぐ、「なめろう」
を作った。出来るじゃないかと言い、ただ、女は体温が高いから、途中で
、氷水に手を入れて冷やせと言うと、わかったと答えた。その日、妙子の
作った「なめろう」を父が試食して、これでOKと言った。
と言う事で勤一は販売と仕込み材料の運搬の運転手の仕事に決まった。
営業時間は朝10時、仕込みは7時半、食堂は10時から14時、
17時から22時で14-17時が昼休みとなってると言った。但し、
料理人と食堂の人以外、10時から22時前休みなしで交代制で店頭販売
をすると教えた。
そして、あっという間に3ケ月が過ぎ、7月を迎え、成田の実家の近所
にも若夫婦が帰ってきたと佐藤夫妻の顔が覚えられた。そして朝6時半に
父が佐藤夫妻を呼んで、実は、お前達に、成田の交通の激しい場所の以前、
農協の直売所があった所を借りて、佐藤なめろう店の直売店を出す計画を
持っていた。そこを任せたいと言い、今年の10月から始めたいといった。
君達は英語も自由に使えるから最近増えてる外国人観光客に売りたいと
考えてると言った。そこで、何か良いアイディアはないかと聞くと、勤一が
、外国人に「なめろう」は受けない。多分、魚はフライしか駄目でしょうと
言い、そのフライもカレー粉をまぶしたものと素揚げでチリソースとから
マスタードソースが良いと思うと言った。必要なら外人好みとい言うか
インド人好みのソースも試作して見ましょうかと言うと、是非やってくれ
と言った。
何しろ、外国人は、仲間同士の口コミで評判が決まるらしいと言い、それに
乗れば売上も伸びると笑いながら言った。それでは「なめろうは」、試食品
にしよかと言うと、勤一が、やめた方が賢明でしょうと言った。その理由は、
来日外国人に日本で嫌いなものはと問う質問に対し、答えのNo1が魚の生臭さ
、N02が醤油の臭いですと言った。それを聞いて父が、そうかと言いでは、
揚げ物だけにして、種類を「いわし」、「あじ」で始めてみようと言った。
販売所で魚を揚げる様にしても良いのですかと勤一が聞くと、父が、
そうだなと言った。勤一が大型冷凍庫と冷蔵庫と棚があれば良いと言い、
フライを揚げる専門の人が、最初最低2人、売上次第で増やすという事
ではどうでしょうかと父に聞いた。わかった、詳細は、お前達に任せる
と父が言い、仕事に入った。




