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22話:損保と車屋の共同作戦

 そして、閉会式、その細身の男が照れながら、今日は優勝するなんて

考えてもみなかったので、ありがとうと言い、最後のキャディさんの一言

で優勝をもらったものだと、最終ホールの話をした。そして、もう1人、

今後の有望株がいますと言い、佐藤を呼んだ。彼は良いセンスをもっている

から、今後、毎回、コンペに参加してもらい優勝させたいと言ってくれた。


 すると佐藤の名前と顔が売れた。佐藤は、この人、本当に何者と思ったほど

、営業センス抜群だった。帰る前に、彼に佐藤がレクサスの営業マンと言うと

、彼は、私の名が脇田健介と言い、ソニー損保の営業課長をしていると正体を

明かした。なるほど、それで佐藤に今後、商売をしやすくするために全員に

紹介してくれたのだと理解できた。


 そして帰り際に、レクサスを、そのうち一度、試乗させてくれないかと聞く

ので喜んでと答えた。その後、脇田健介から電話が入り、コンペの1週間後の

夜19時、千葉駅近くの交番で待ち合わせることになった。要件は、今後の

共同作戦の立案と言った。時間に行くと女性1人と男性3人で来ていた。

 脇田が上手い中華料理屋があるからと言い連れて行ってくれた。


 そして脇田が女性から姫島夏子、身体の大きい方が山種幹男、小さい方が

梓浩一郎と紹介してくれた。そして最初にビールで乾杯して脇田が要件は

簡単、君は車屋、僕たちは車の保険屋、共同戦線を張ろうと言った。

 すると紹介マージンはと佐藤が聞くと1年分の保険金額と言い、佐藤に

君の所の条件はと聞くので車両本体価格の1%と言うとわかったと言った。


 これで話は決まったと言い、今日は懇親を深めて共同戦線の前途を祝おう

と話していると、美味しそーな料理が次々と出て来た。話しているうちに

佐藤が、脇田さんに、何故、うち、レクサスと共同でやろうか思ったのか

理由を聞かせて欲しいと聞いた。すると、大手自動車メーカー、トヨタ、

日産、ホンダ、スバル、ダイハツ、スズキ、マツダ、三菱は系列化していて

入りにくい。それに歴史があるので既に損害保険会社がほとんど決まって

いると言った。


 そこへ行くとレクサスは新しいブランドで入りやすく高級車ブランド

であり保険金も大きいと考えたからだと言った。保険会社も新規開拓が

一番大切な仕事だからねと本音を言った。その後、脇田が君は部下をもって

課長してるのか聞かれ、いや、肩書きだけで、以前本社の技術畑にいて、

実家が千葉なので、営業に移って戻って来たというと面白い、技術屋さん

が何で営業にと聞いた。


 そりゃ給料が多いし、自分の能力を試したかったと言うこともあるかな

と言うと営業ってそんなに簡単に、運転免許でもあるまいし、学科試験、

実地試験で、はい、合格と言うほど簡単ではないだろうと言った。

 そうかも知れませんが、私はとにかく、その道を選んだというと

不思議そうな顔をしていた。まーいいや、今度とも、マージンも決まった

ことだし、持ちつ持たれつ、高い車を買い換えたいと言う情報が入ったら

、佐藤さんに知らせるからと言ってくれた。


 車を買いそうな人がいたら情報を共有して下さいねといったので、

わかりましたと答えた。ソニー損保さんで奨めたい損害保険の資料を

私の家に送って下さいと言い、最後に名刺交換をし、会合が終わり、

みんなで店を出て、別れた。

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