21話:ライオンズクラブ・コンペ2
するとパチンと良い音がしたか思うと、すごい勢いでボールが舞い上がり
、なかなか落ちてこない、するとキャディーさんが大きな拍手して今日一の
当たりですとほめた。490ヤード、パー5のホールで左に曲がったが、
加速度的な曲がりで、素晴らしいドローボールで300ヤードは完全に
越えていると言い良いバネしてますねとキャディーさんが笑った。
佐藤は真ん中より少し左の270ヤードで残り、220ヤードとなり、
3番アイアンでパチンとあてて180ヤード位飛んでグリーンまで
10ヤードまで飛んだ、最後に、その細身の男でグリーンまで残りが
140ヤード、ピンまで175ヤードとキャディさんが言った。すると
5番アイアンでしっかり打てばちょうど良いと、独り言を言い、素振り
をした。そして集中しパチンと上手く当たり、真っ直ぐグリーンへ飛んで
行きグリーン一番前に落ちて、大きくバウンドして、ピンそば3メーター
に止まった。
これには拍手が起きた。そして彼はゆっくり歩き、佐藤と、もう1人の女性
が打ち、佐藤はピンそば4メートルにとまり、打つと、パー。もう1人の女性が
パーを逃しボギー。細身の彼は慎重にグリーンの芝目を見て距離を確認すると
キャディさんが弱いのはダメ、向こうのフチにあてて入れる感じでと言うと、
頷いて、パチンと強めに打つと、コツンと音がしてカップに入った。
危ない、ちょっと強かったと笑いながら言ったが、また、バーディーを取り
、ついに首位に並んだ。そして最終ホール、420ヤードの真っ直ぐで上りの
パー4のミドルホールで最初に細身の男がオナーで、ここが最終だとつぶやき
、一瞬、目をつぶった。その後、直ぐに気を落ち着けるように素振りをして、
リズムを確かめ、第一打を打つと、良い具合に当たった音がして、ボールに
ターボがかかったように、すごい勢いで飛んでいった。
そして、落ちると上りのコースで直ぐ止まった。キャディが280ヤード
、いや285ヤードといい直した。次、佐藤が打つと、260ヤードで残り
160ヤードと言った。その後、佐藤の番になり、5番アイアンで打とうと
すると、上りだから短いとキャディさんが言うと、4番アイアンを取った。
そして、しっかりと打つと、上手く当たり、グリーンの手前で、上手いキック
で何とかグリーンに乗り残り7メーター。
細身の男になり残り135ヤードと言われ7番アイアンで高い球を打つと
、ピンに向かって真っ直ぐに飛びナイスショットとキャディが言い、ピンの
上に落ちて少しバックスピンがかかり、ピン横1メータにナイスオン、
バーディーほぼ間違いない所に止まった。佐藤がパー、もう1人がボギーで
終了。最後に、細身の男が慎重に打とうとすると、びびっちゃ駄目よと
キャディーさんが言い、横からの芝目は強いから、カップの向こう側に当てる
くらい強めが良いと指摘した。
もう一度仕切り直して気持ちを切り替えたように、パチンと会わせると、
カップの向こうにコツンと当たり、バーディ-、これで1打差で単独首位
になった。残り4パーティーで上がって待合室で待った。そして2位の選手が
最終ホールに来ると緊張した感じで待っていると、そのパーティーの番になり
、最後に1打差の男性を見ると、あの体格の良い男だった。
朝、レクサスの燃費に驚いた男だ。その男が第2打目を打った。真っ直ぐ
ピン方歩行に飛んでちょっと強いかと思った瞬間、カチンという音がして、
ピンの根元に当たり、ピン横2メートルに止まった。絶好のバーディー
チャンスだ。それを固唾を飲んで見ていると、その大きな男も慎重に入れる
ことを考えているように見えた。
やがてアドレスに入り、はずすまいと慎重に打つと、やや弱く、下の方に
10センチ外した。これで、佐藤と同じ組の細身の男性の優勝が決まった。
すると、細身の男が、やっぱりなと言った。あとで、その理由を聞くと、
彼が私も、最終ホール、キャディさんの強気じゃないと外すよと言った一言
で救われたと言った。優勝が決まった瞬間、彼は、そのキャディさんにお礼
を言って、そっと、お土産を渡した。




