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悪の組織とその美学  作者: 桜椛 牡丹
第一章 『悪の組織とご当地ヒーロー』
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エレメント能力 その1

 公園での戦闘から数日後のある日。

 カシワギ博士に呼び出されたツカサは、彼女?(見た目は幼女、中身はお爺さん)の研究室へと足を運んでいた。

 「おはようございます博士。どうしましたか?」

 ツカサが扉を開けて研究室へと入れば、ちょうどカシワギ博士が研究室に併設された実験室から出てくる所であった。


 「おお、ツカサくん。ちょうどよかった。この間の戦闘から、お主のベルトを借りて調査しておったじゃろ?それと細々とした調整が終わったもんでな。返すついでに説明しようかと思ったんじゃよ」

 「おお、早いですね。……それで、細々と言いつつベルトが腕時計に変わっているようなのですが?」


 ベルトを調査に出した事は覚えているが、腕時計を出される謂れはないはずだ。

 「じゃから説明すると言っとるんじゃ。まぁまずは着けてみぃ」

 ツカサは言われるがまま差し出された腕時計を着けてみるが、至って変わっている所がないように思える。強いて言うなら、少々見た目がゴツイのと、市販の腕時計と比べてボタンの数が多い事であろうか。


 「まずは黒のボタンを押してみぃ。誤作動防止のためにやや固く作ってあるが、押せん程ではないはずじゃ」

 「黒ですね?……ポチッとな!」

 言い方はさておき。ツカサが黒のボタンを押すと、一瞬の間の後にツカサの腰周りを淡い光が包み、すぐにツカサの見慣れた黒雷の変身ベルトが出現した。


 「お、……おお!ベルトの転送と自動装着!?」

 ツカサ、大興奮。今までベルトはアタッシュケースに収められており、変身の必要がある度に人目のない安全な場所で変身してから出向かなくてはならなかったのだ。だがこの腕時計さえあれば、人目を気にする必要はあっても持ち運ぶのに支障はでない。


 「ホッホッホッ、それだけではないぞ。次は黄色のボタンじゃ」

 「はい、博士!」

 黒のボタンをもう一度押してベルトを戻し、次は黄色のボタンを押す。そうすると今度は全身を淡い光が包み、すぐに全身黒タイツへと変貌した。

 「前に路上で戦闘をしたと言っておったじゃろ?黒雷で出るまでもない場合用にと思ってな」

 「これも正直助かりますね。しかし……なんかいつものと若干デザインが違うような?」

 鏡が無いため正確なところは分からないが、タイツの端々で普段とは違う模様やらパーツやらが目に入る。


 「まぁ、いつものデザインは集団行動用じゃからな。君がソレに着替えるのは単独行動の時だけじゃろう。なんで、別系統っぽく見えるように見た目を変えてみたんじゃ」

 「なるほど、言われてみれば」

 「他にもボタンやら機能やら詰め込む予定だったんじゃが、今はまだこのふたつだけじゃ」

 「いやいや、ベルトの調査だけだと思ってたのに十分ですよ。というかこの数日でよく作れましたね?」


 改めて、ツカサは腕時計を眺める。黒を基調としたハード系の見た目で、少々ゴツイこと以外は日常生活で使用しても何ら違和感の無さそうな代物である。

 「あー、うむ。実際はベルトを試作していた段階でコレもあったんじゃがな?君が気に入られるか分からんかったもんで今まで渡せなかったんじゃよ……」

 カシワギ博士はそう言うと、腕時計の側面をコツコツと叩く。その瞬間腕時計が勝手にブルりと震え、


 【■■■■■■■■■■■■■!!】

 中から球状の物体?が飛び出してきた。

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