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悪の組織とその美学  作者: 桜椛 牡丹
第四章 『悪の組織と夏のデキゴト』 前編
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激突! 海水浴場の決戦! その1

少々短いですが、キリのいいところまで。

 開戦の合図の銅鑼が鳴り響き、両軍が遂に激突した。

 雄叫びを上げ、武器を手に、前へと。

 雑魚の群れと全身黒タイツが互いに距離を詰め、交差し、入り乱れる。

 もはや海水浴場などという娯楽施設の面影なぞなく、あるのはただの命懸けの戦場だ。

 珍妙な者達の織り成すコントラストが砂浜を染め、それを見る全ての者から容赦なく正気度を削り取ってゆく。

 『うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!』

 そんな両軍の雄叫びが重なる中、ぽっかりと空く空間がある。

 その空間にはたった6人……いや、少なくとも3人は人間だが、半分はまた別の種族……が立っている。


 ブレイヴ・エレメンツと黒雷の3人。そしてそれに相対する呂布イカと貂蝉アンコウ、華雄ウツボである。

 【誰からでも】【いい】【相対を】

 「……この状況でも一騎討ちをご所望ってか」

 サラマンダーは何処か嬉しそうに、その手の大槍を呂布イカへと向ける。

 「アンタの相手はオレがする」

 それを聞いて、呂布イカは嬉しそうに足の一本で砂を強かに打つと、自らもまた方天戟を頭上で振り回し、構えた。

 【では私は……そちらの蒼い子をもらいますね】

 呂布イカとは違い流暢に話す貂蝉アンコウは、ウンディーネに視線だけで着いてこいと誘導すると、空間のほぼ中央を陣取った呂布イカとサラマンダーから離れるようにして円の外周へと向かう。

 「ご指名と言うならば、習いましょう?」

 ウンディーネもまたそれに従い、外周へ。

 【我ら】【向こう】【ついて】【参れ】

 「はは、すまんな華雄殿。私は彼女らほど強くはないもので、余り物を引かせてしまったようだ」

 【なに】【精霊と共に】【ある者が】【謙遜するな】

 華雄ウツボと黒雷もまた、軽口の応酬をしつつ(少なくとも黒雷は割と本音)、ウンディーネとは反対側へと向かう。


 3人の移動に合わせ、雑魚と黒タイツのうねりもまた形を変える。砂浜を広く満遍なく戦場とするべく、大きく縦長の楕円へと形を変えたのだ。

 「ウォォォオオオ! 俺達のバカンスを返せぇぇえ!」

 「まだトンテキ食えてねぇんだぞゴラァ!」

 「たまには平和な作戦だなとか思ってたのにぃぃぃ!」

 【知るか】【ァァァァ!?】

 ……何やら黒タイツ側からの怨念というか呪詛の言葉が強いが、それはそれとして。

 大将が中央を陣取る以上、お互いの軍に前も後ろもありはしない。衛生兵を除く全ての兵が参戦し、その全てが一進一退の攻防を繰り広げる。


 「じゃ、オレ達も始めようか」

 一騎討ちの形を取ったならば、正々堂々と戦うのが当然である。精霊戦士としての名乗りは上げたが、まだ誰も個別で名乗ってはいない。

 ならば名乗らねばならない!

 「オレの名はサラマンダー! アンタを倒す戦士の名だ!」

 【姓は呂】【名は布】【字名(あざな)烏賊(イカ)】【真名は】【強敵(とも)と】【認めた】【その時に】

 「私はウンディーネ。貴女を、斬ります」

 【姓は貂、名は蝉。字名は鮟鱇(アンコウ)。私も真名は後でね?】

 「我が名は黒雷! お前を倒せるのはただひとり!」

 【姓は華】【名は雄】【字名は(ウツボ)】【いざ】【尋常に】

 それぞれがそれぞれと名乗りを交わし、己の得物を構える。そして……。


 再び浜辺に響く銅鑼の音。それを合図に3人が駆け出し、激突する。

 しなくてもよい決戦が、今始まる──!!

 調べてみたら貂蝉は架空の人物で、称号みたいな扱いのようですね。姓名で分ける事は無さそうですが、まぁこの鮟鱇は別物という事で……。

 ちなみに字名(小名?)は三国志とかでよく見るものですね。真名は恋〇無双からの、『親しいと思った者にのみ名乗る特別な名前』みたいな扱いです。


 そして恋〇無双の要素を絡めると、途端に性別が怪しくなる罠。もはやフィクションでの英雄TS物はありふれている中、この魚介類は一体どちらなのか……!?

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