無力
エミリーと一緒なら何か変われると思っていた、自分が。記憶も。
だが、そのエミリーはもういない・・・信じたくない、
それにあいつは一体何者なんだ、ジャックとか言う男、人狼事件の犯人が俺・・・?
記憶がないからこそ自分で自分を疑ってしまう・・だけどあの夜、部屋の外から聞こえてきた物音は確かにあった、だから他の何者かがエミリーとお婆さんを襲ったんだ・・きっとそうだ・・・。
しばらく横になった。暗く冷たい床の上でひたすら無心になった。混乱している頭で考えているとどうにかなりそうだったからだ。
そして数時間が経ち、目を開けた。
きっとどこかにいる・・・・彼女を探さないと・・・エミリーの笑顔をもう一度・・・。
そう心の中で思い、誓った。そして鉄格子を思いっきり蹴り飛ばす。
「・・・いってぇぇ・・・」あまりの痛さに足を抑える
鉄格子は頑丈で一般人の蹴り程度ではびくともしない。
「くそっ!エミリーに関する手がかりを探すにしてもここから出られなきゃ何も始まらないじゃないか!」そう言い再び何度も何度も蹴り飛ばす、足が赤くなるまで蹴り続けた。
窓もベットもないただの鉄格子のなかで俺はこのまま終わるのかな。。
何も出来ずに壁にもたれかかって目を閉じる、しばらく眠るしかなかった。
???「一緒に頂上まで登ろう!俺たちならいける、だってここまで来れたんだから」
(これは・・誰だ・・・ジャック・・そう、ジャックの声だ)
???「うん、ほらジョン!行くよ!」
(この声は・・エミリー・・・そうか・・以前はこうやって一緒に・・・)
(そうだ、行かなければ・・ってあれ、動かない・・自分の体を見てみると心臓や腕、足のいたるところにナイフが突き刺さっている・・血だ・・・あぁ・・そうか俺・・・)
パッと目を覚ます。心臓が高鳴っている、冷や汗が出ている、これが俺の記憶、それとも夢なのか・・?
ドゴゴゴゴゴッ・・!
その音でジョンが我に返る、何やら上から音がした
「誰かくる、おーーいここだ!!誰か助けてくれーーー!!」俺は力の限り叫んだ。
すると誰かが階段を下りてくる音がした。
再び俺が叫ぶと声がした。
「ぷぷっ!wちょーうけるんですけどwステインどう思う?w」と笑いながら女が言う
「面白そうだな、マリア」と男も答える。