表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

運命の赤い糸

お使いのため、東にあるという塗り薬の家へ向かって、しばらく草原に囲まれた夜道を歩いていくと、ふとエミリーが言った。

「ねぇ、ジョン、ジョンは赤白黒の中で何色が好き?」エミリーの綺麗な目に見とれながら俺は答えた。

「う~ん・・その中なら赤色かな、情熱って感じがしてやる気が出てくる色だから」

俺は真っ先に頭に浮かんだ赤色を選んだが、正直何色でもよかった気がした。

「私も赤!!!やったー!!同じ!!」とエミリーははしゃいだ。

「そんなに喜ぶことかー?」俺は呆れて質問する。

「だって!だって!運命の赤い糸の色だよ!私たちは運命で繋がってるんだよ!!」

「運命の赤い糸ねぇでもエミリーに繋がってる糸は直ぐに絡まっちゃうんじゃないか?」そういって俺が少し笑うとエミリーもすかさず

「口開けたまま真顔でずっと歩いてたジョンに言われたくないねーだ!」とエミリーがアッカンベをして笑って先を走って行った

「それは俺の黒歴史!!」と顔が熱くなりエミリーを追いかける。




そうこうしている内に目的地の家についた。家の隣には水車があり、奥には断崖絶壁の崖がある。

家には背の低いおばあちゃんがいた。エミリーとすぐに打ち解け、一緒に食事をした。エミリーはいつも明るく、周りにいる人を笑顔にしてくれる。まるで俺の太陽みたいな存在だ、エミリーとならこの長い旅も辛くはないだろう。そう思う。

そして目的の塗り薬をもらい、眠りにつく。今夜はいい夢が見れそうだ。




ガタガタ!っと物音が聞こえた気がした。少しだけ目を開けた。だけどすぐに音が止んだため、おれは気にも留めずそのまま眠りについた。

そして朝になり、下に降りると人の気配が全くしない。二人共まだ寝ているのかなと思いしばらく待ったが、一向に降りてこない。仕方がないのでエミリーが寝ていた部屋に入ってみると、そこはもぬけの殻でエミリーの姿はなかった。鼓動が高鳴る。急いで全ての部屋を確認したがどこにも二人の姿はなかった。

「エミリー!からかってるのかー?」そう叫んでも俺の声は消えていくだけ。

一時間、辺りをくまなく探したが何も手掛かりは見つからなかった。

「きっともう街に戻ったんだろう、そうに違いない・・・・」そう自分に言い聞かせ、街に戻ることにした。テーブルの上にポツンと置かれた塗り薬を持って。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ