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大爺さん

螺旋階段には所どころ外が見渡せる小窓が付いており、時より心地よい風が吹く

「ねぇ!見て!!外に大きな雲があるよ!綺麗」エミリーが底なしの元気で言う。

「さっきからずっとあるだろ。もう見飽きたよ。」おれはそう言ってダラダラと階段を登る。

下を見るとさっきまで居たお城がとても小さく見える。豆粒みたいだ。

「ここら辺は天気が良くて、そのままここで数日暮らす人も多いのよ」そう話しかけてきたのは書記の花川さんだ。30代くらいの女性である。

「そうなんですか~花川さんは依然ここにいらっしゃった事があるんですか?」ここに詳しいであろう花川さんにそう質問した、俺の過去やこの集団について知る手掛かりになるとも思った。

「私はないわよ(笑)未経験で話してごめんね、でも昔この塔を作ったとされる大爺さんの日記にそう書かれていたのよ。大爺さんは頂上から帰ってきて日記を地上に収めたの。今も展示されてるわ」

この馬鹿でかい塔を作った人間がいるとは・・・しかも言って帰って来たのかよ。俺はにわかに信じがたいがしっかりと受け止めた。

「そうだったんですね、一度その大爺さんに会ってみたいです(笑)」おれがそういうと花川さんは視線を下にやった。

「そうね、でもまずはジョン君は頂上を目指すべきよ。」花川さんの表情が暗くなったのでそれ以上は聞けなかった。



そして鼻歌を歌いながら登っているエミリーにも話しかけてみようと思った。

「あのさ、エミリー」

「んん?うんうん」とそのまま顔が他の方向を向いている

「いやうんうんじゃなくて、俺って意識が戻るまでどうやって歩いてきたの?」一番の疑問だった。一体意識のないままどうやって来たのだろう。

もし俺が誰かに背負ってもらったり、はたまた空から降って来たりでもしたらどうしよう・・・

頭の中に不安がよぎる。

「ジョンは普通に無言で登ってたよースタスタッってねwwしかも常に真顔だったよww」そう言いエミリーは思い出し笑いをしている。

俺は一瞬ポカンとしてからおもわず険しい表情になって

「マジかぁあああ・・・・」と嘆いた。



そして数時間後、外が一面星のあかりに照らされて綺麗な草原が見えた。

奥には小さな街があり、みんなは今晩そこに泊まるらしい。俺とエミリーは靴の塗り薬のお使いを頼まれていたので、さっそく東に進む。

「また戻ってくるよ~バイバイ!」とエミリーは大声で言い、みんなと別れる。

田舎のようなこの場所は気候と景色に恵まれた良い場所だと思った。

「あ!流れ星!!」エミリーが指を指す。

「何を願うんだ?」俺は星空を眺めて言う、流れ星は見逃した。

「うーんとね、お空を自由に飛べるようになりたい!」とエミリーはキリッとした表情で言った。

「エミリーが飛んだら壁に激突するよ」と俺が言うと

「そんなことないし!」とエミリーが言った。


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