第二 その手の感覚
主人公 木名瀬 記憶がなく気が付いたらこの世界にいた。
キャラクター
ミランダ 元気で活発な女の子
ニック 冷静だけど抜けがち、チームリーダー
ヲイラー 目が悪く杖をついている、年齢も高くチームのまとめ役
シルク 寡黙な男、誰にでも親切
「初めまして木名瀬、僕はニック、このチームのリーダーをやっているんだよろしくね」そういって美形の青少年が手を差し出してきた。
「よろしくお願いします」そういって俺はニックと握手をした。ニックは笑顔で手を握ってくれた。
「ニックは真面目で頼れる男の子だよ!」ミランダも笑顔で言った
俺は初対面で緊張したが悪い人じゃなさそうなのですぐに落ち着いた
「城の中に残りのメンバーがいるから紹介するよ、こっちだ」ニックがそういって俺達は鉄の城を目指して歩き出した
周りには誰一人俺たち以外には見当たらなく、音も風の音ばかりだ。この国には誰もいないのだろうか?
「なぁ木名瀬、君は人を信用するときに一番何を重視する?」唐突にニックが話しかけてきた
俺は少し動揺しつつ考えた
「そうだなぁプレッシャーをかけない人かな」俺はふと浮かんできたまま喋った
「木名瀬は少し変わってるな笑、大抵は共に過ごした期間が長いとかその人の性格とかなのに」ニックが意外そうな顔でいった
「自分でもなぜだかわからないけど、なんかそんな気がする」俺も自分でなぜそう思ったかの理由はハッキリしなかった
「私たちの仲間にはそういう人はいないから安心して!」ミランダが言った
「お、見えてきたな」そうニックが言うと二人の男の姿が見えた
「紹介するよ木名瀬、ヲイラーとシルクだ」
「初めまして」
「ヲイラーはあまり目が見えない、が、周りを察知する能力があるし経験も豊富だ。シルクはこの通り体格が良いがおとなしい性格だ仲良くしてやってくれ」
ニックがそういうと俺は二人と軽くあいさつし、握手をした。
俺はその後ミランダと二人で景色の良いであろう城の先端部分へと向かった。何か俺の記憶を取り戻す手掛かりになるかもしれない。
「こっち!こっち!風が気持ちいいよ!!」ミランダが嬉しそうに走って向かった
俺も後ろから追いかけるように行った、確かに心地よい風が吹いている。
「ねぇ!何か思い出した?」ミランダが羨望の眼差しでこちらを見てきたが何も思い出せなかった
そのことを伝えると少し残念そうにした
「実はね、私もここに来た時何もわからなかったの、ただ上に行くうちに色々思い出してきたの。だから今は上に行くという目標があるんだ」
珍しくミランダが真面目な顔で言った
「あ!何かある!」
俺はもっと聞きたいことがあったがミランダが何か見つけたようだ
「これは・・・なんか見覚えがあるけど・・なんだっけ?」俺はモヤモヤした
「なんだろうねこの黒いトゲトゲ、面白いから木名瀬に上げる!」そうミランダが言って俺がそれを受け取った。
俺はしばらくそれを見つめたが思い出せなかった
「あ!もう準備できたみたい!いこう木名瀬!ほぉら!」そう言ってミランダが俺の手をひっぱった
その手の感覚はとても暖かく懐かしいような感じがした。とても嬉しかった。