幼馴染みとある日の帰路での話
胸の傷口が膿んでじゅくじゅくと痛むようだ。
なにか言おうにも腐蝕は喉にも広がって情けないほど言葉が出ないのです。
本当に僕という一個体は情けない生き物に出来ているようなのですからもう諦めようかとも思うのですが、世間体というものが僕の手網をしっかり握ったままでいるのは意識せずにはいられずにはいられない、そういうところが僕はまた弱い生き物でもあるのだと、気付けば自己嫌悪の沼の生あたたかさに中毒になっているようでそれも情けない。
幼馴染みの。堕落した姿を見るのは痛ましい。
その人間が僕の中で大きい存在であればあるほどに、この社会で堕落というものが一体なんであるのかお前は分かっているのかと、目の前に恐ろしい問題が立ちはだかって、僕は何も言えない。
その人間が僕の今の同級生がするのと何ら変わりの無い笑い声をたてるたびに、僕がそんな葛藤を抱くことこそが罪であるのだと、僕の胸はじくじくと痛むのです。
着飾る、不自然に真っ白な二の腕をさらけ出して、世の中に己の反骨さをこっそり主張するようなそんな外見と、言葉にしていることはまさに不釣り合いで、おまえ一体なにに向かっているのかと、胸が痛い。
このまま漂って、そのうちに、光の届かない暗い場所に行ってしまわないだろうか。
どうかこの世界に、彼女の向かっている場所があることを、彼女がそこに辿りつけることを、誠に自分勝手ながら、僕は願い、そして、
幼馴染みと下校途中の駅で会い、そこからしばらく歩いて帰った時の心中を、悶々とした気持ちを落ち着けるために書きなぐったものです。
そして、の先は書けなくてなぜ書けないのか今でもちょっと分かりません。