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1ー7 行商 取引 お茶

私はBLが早く書きたい・・・。楽しくなって長くなってしまった。魔法までやりたかったなあ。


 お小遣いを貰った。一週間につき銀貨五枚のお小遣いだ。これは授業の一環として娯楽や日用品をこのお金で払うと言うものだ。

 お金の種類は銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、金板の七種類だ。日本円に直すと、


銅貨=10円


大銅貨=100円


銀貨=1,000円


大銀貨=10,000円


金貨=100,000円


大金貨=1,000,000円


金板=10,000,000円


 になる。つまり一週間で5,000円も貰えるのだ。

 しかし買い物は家に行商人を招いて行う。何てこと無い普通の行商人を招くのだ。その行商人が日本の様に定価で物を売ってくれるわけなく、吹っ掛けられたりする。

 それら全てが授業の内容なのだ。


 僕はあるものがこの日は欲しかったのだ。洋食三昧の食事に辟易とし始めた時に植物図鑑を眺めていたら偶々あるページを見つけた。


 そこには『この植物は紅茶の様に葉っぱを乾燥させて茶葉として加工し、お湯を通すと苦味のあるお茶となる。ミルクや砂糖との愛称は最悪であるためあまり流通していないが、この植物を育てている農家や近隣住民はストレートを好んで飲んでいる』とあった。


 これを見た僕はピンと来た。これは緑茶や麦茶等の類いだとね。

 本は図書室の物を読んでいるために殆ど使わず余っていた銀貨を有るだけ掴むと、使用人に行商人を呼ぶように頼む。

 そして客間で行商人を待つと同時に、頭の中で算盤と値切り交渉の手札を考える。


 20分程時間がたつと客間の扉を遠慮がちに開いて、17歳位の若い青年が入ってきた。僕は使用人にお茶とお茶請けを持ってくる様にと頼んだ。

 そして行商人に満面の笑みで挨拶をする。


「初めましてシルバーと申します。今回は足を運んでくれてありがとうございます」


 僕を見た青年は一瞬ニヤリと笑うと人の良さそうな笑みを浮かべる。


「いえいえ、それが私の仕事ですので。それよりも何をお求めでしょうか?私を呼ぶと言うことは何か必要なものがありますでしょう。

 ちょうど遠くの辺境から本店へ戻る途中でしたので、何時もは取り揃えていない珍品も御座いますよ」


青年は楽しそうに自分を語る。自信に溢れたその表情は生き生きとしていたが、見ようによっては獲物を狙う猛禽類の様だった。


「早速だけどこれを見てくれる?僕はこの図鑑にある植物を買いたいのですが、今ありますか?」


「ええ、取り揃えてありますよ。これとは違って茶葉に加工された物ですがね。地元ではリョクチャと言うらしいですよ」


僕が図鑑を指差して確認すると、一層笑みを深めて青年が返してくる。大方僕をカモろうと考えているのだろう。

 しかし緑茶か!完璧だ!これで別物だったらお話にならない所だったから良かった!これで洋食ばかりの毎日に多少の変化を付けれる!


「そうですか。実物は見る事って出来ますか?もし僕の思っている物と同じなら定期的に買いたいのですが」


そう言うと青年はポーチに手をかける。何をしようとしているのか分からなくて眉を潜めていると、一つの小さな袋を出す。


「実は私薬や粉等の小さい物はある程度持ち運んでいます。是非手に取ってお確かめ下さい」


紐を解いて中を見るとそれは少し色が浅いものの確かに茶葉だった。一つ欠片を摘まむと匂いを嗅ぐ。仄かにお茶特有の匂いを感じた。


「おお!僕の欲しかった物であっています!大体200g欲しいのですが」


「大体これは100g当たり銀貨一枚と銅貨五枚になりますね」


1,500円!?とてもじゃないがこの色で1,500円は吹っ掛けすぎじゃないか?需要が少ないとはいえ流石に高く感じるな。


「農家が言うには一番美味しい時に摘んであるものらしいですよ。どうですか?」


青年は諭す様に話す。無いものが偶々見つかったのだから多少の出費は目を瞑っても良いかもしれない。しかしもしカモられているなら次からも舐められるだろう。


「多少の知識は僕にも有りますよ、これは少し色が浅いように見えますが本当に農家の人はそう言ったんですか?」


青年は笑みを崩さない。それどころかまだ小さい僕を完全に舐めきり、子供の戯れ言とばかりに余裕の態度のままである。


 すると客間の扉が開いて中年の女使用人が紅茶とクッキーを持ってきた。軽く礼をして半歩下がった女使用人がテーブルの上の茶葉を見ると、少し目を細めた。

 僕はその様子が気になり呼び止めた。


「あの、どうしたんですか?何か気になる事が?」


「それは緑茶でしょう?実はウチの実家の近くで育てている家がありましてねぇ。その家の人が少し摘み取るのが遅くなったと言って押し付けるようにして分けてくれたお茶とそっくりでしてねぇ。それが懐かしくて止まってしまったのです。すみません坊っちゃま。」


深々とお辞儀をする女使用人。その言葉を聞いた青年は笑顔がひきつっていた。

 僕は内心ほくそ笑むと女使用人に大丈夫だと言い仕事に戻らせた。僕は青年に向き直ると笑顔を浮かべる。


「聞きました?この一番美味しい時に摘み取ったらしい茶葉が゛摘み取るのが遅れて押し付けられた″茶葉にそっくりなんだって。不思議な事もあるものだね?」


「え、えぇ。本当に不思議な事ですねぇ・・・。」


青年の言葉が震える。うっすら汗も滲んでいる様だ。


「銅貨9枚で買えないですか?この茶葉」


「いえ、その、馬車での運送の手数料もありますし、魔獣からの防衛に護衛を雇ってますし、銀貨1枚と銅貨4枚までしか、下げれません、ね」


値切りしようとすると少し言葉に詰まる様になった。更にさっきまで農家の話だったのが手数料に変わった。


「図鑑ではこの街から数百メートル弱程離れた産地以外には数千キロ離れた国外にしか無いらしいですが?」


「・・・」


言葉に詰まった青年。文字通り顔が真っ青になっている。


「じゃあ銀貨1枚でどうですか?僕は゛一番美味しい茶葉″が定期的に欲しいんだけど?」


「・・・」


「どう?」


「銀貨一枚で売りましょう。御贔屓にして貰える様にしっかり良いものも選んで来ましょう」


話を終わるように一部を強く言う。すると青年はちゃんと理解したのだろう。僕の案を飲んでくれた。交渉成立の握手をすると銀貨二枚渡し200g買った。

 去り際の青年は少し老けて見えた。


 しばらくしてせっかくだし飲んで見ようと淹れて見た。

 若緑色の液体が流れ懐かしい思いを感じる。優しい風味が鼻をくすぐる。ドキドキして飲み込む。


「渋ゥ!?」


 どうやらあの青年はやっぱりカモろうとしてた様だ。今度来たらお茶にこれを淹れて、こちらからも吹っ掛けてやろうと思った。

早く男の子出して雰囲気作ってホモォ召喚しないと!読者に見捨てられる!

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