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1ー6 図書室 食事 団欒

変な所あったらコメントお願いします。

それと料理詳しく無いから描写拙いけど楽しかった。


 四歳になった。背丈は60cmの柵を越せる位には大きくなった。柵を置く意味が無くなったのか、柵が無くなり部屋から出る事を許された。

 フフフ・・・。部屋から解放された!キタ!僕の時代がキタ!ファンタジー小説のテンプレを今日こそこなしてやる!


 ぶつぶつと呟きながら数年前迷いに迷って結局近かった図書室に入る。そこは図書館と言っても差し支え無いほどに本が並んだ場所だった。

 大人サイズでも見上げる様に高いだろう本棚が部屋いっぱいに並び、二階の見える吹き抜けがあった。


 多分あの時入れたとしてもお目当ての本は見つから無かっただろうと僕は確信した。

 取り敢えず僕は管理を任されている使用人さんに、魔法書入門、王国の歴史の本、植物図鑑、動物図鑑、料理のレシピ本を頼んだ。

 

 使用人さんは腰の曲がったお婆さんで、今いる使用人の中で最も古参の使用人らしい。

 シワだらけの顔をくしゃりと歪めて笑うと僕の頭を『シルバ坊っちゃまは勉強熱心ですなぁ』と言いながら撫でてくれた。

 しかも本が重いだろうと言って僕の部屋に本を運ばせるらしい。気遣いのできるお婆さんだった。今度肩を揉んであげよう。


 本が運ばれるのを楽しみにしながら他にも面白そうな本が無いかと目を光らせていると、二度目の鐘つまりお昼の鐘が鳴った。

 今までは部屋でそば子と昼食を共にしていたけど四歳になってからは、礼儀作法やテーブルマナーに始まりいろんな勉強をしている。


 そのため授業の一環として昼食を家族全員で食べる様になった。

 今日の献立は朝聞いた時には魚をメインにすると言っていた。僕は肉より魚が好きなので少し楽しみにしている。


 少し小走りで移動すると、男の使用人さんが扉の前で立っていた。

 扉を開けて貰うと大きなテーブルに意匠の凝らされたテーブルクロスがかけられ、その上に美味しそうな料理が並んでいる。

 天井に取り付けられたきらびやかなシャンデリアの柔らかな光に照らされ、ソースや野菜達が反射し視覚的にも満足出来そうだった。


 それを囲む様に置かれた椅子の一つに座ると先に所定の位置に座った両親が微笑みかけている。

 こんな綺麗な場所でご飯を食べるという事に慣れていないので、毎回見とれている僕が可笑しいのだろう。


 僕が席につくと少し間を開けて、コック帽を被ったおそらく料理長の男が一歩前に出る。


「御料理の説明をさせて頂きます。

 今回のメインは今朝入ったばかりの新鮮な鱈を使ったピカタで御座います。

 下味を朝から仕込み小骨は全て取り除いておりますので、坊っちゃまにも食べやすいと思います。


 サラダはこの領地で栽培され他の所よりも甘味のあるレタスやニンジン等を使用し、遠方から取り寄せたトウモロコシをのせています。

 少し茹でてあるので甘味は増している事でしょう。お好みで少し酸味を聞かせたドレッシングを御用意してあります。是非お申し付け下さい。


 最後にデザートは坊っちゃまが大変お気に召されたリンゴをふんだんに使用したアップルパイで御座います。

 お気に召されなければ切ったリンゴも御用意出来ます」


 つらつらと目の前の料理を語ってくれ作ってくれた料理長に感謝の念を感じつつ、食べれるのを今か今かと待ち構える。

 魚料理が洋食なのは少し残念だったが、それを差し引いてもお世辞抜きで旨そうだ。


 後ろに立っていた毒味役を兼任する使用人が紅茶を注ぐ。立ち上る湯気に香る茶葉の匂い。とても落ち着く優しい匂い。

 

 ぼーっとしていると父親が食事前の神への感謝を始めた。

 僕は慌てて復唱する。


「全てを照らし希望をもたらす光の神よ、今日も貴方様の御力で今日の糧にありつく事が出来ました。

 この感謝を胸に日々を暮らしていきます」


 全員が目を瞑って一分程黙祷すると、感謝の儀式は終わり食事を始めた。

 この国の宗教は、火、水、土、風、光、闇の自然と魔法の属性を神として擬人化し、崇めている。家によってや人によって崇める神は違うが僕の家は代々光の神を崇めている。

 また、この儀式も神によって違いがあるらしい。


 それよりもご飯だご飯!

 毒味役が毒味し、切り分けて貰ったピカタを頬張る。僕はこぼれそうな程に目を見開いて感情を顕にする。

 料理長はホッと胸を撫で下ろしていた。


 日本の家庭の様に話ながらはテーブルマナーとして良くないらしく談笑することは出来ないものの、けして冷えきった家庭の空気ではなくちゃんと一家の団欒の様な暖かな空気と時間が流れていた。


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