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夏美に甘い俺
そう言えば、夏美初めて会った時より大人っぽくなったよな。
ってか当たり前か。
だって、初めて会った時から、4年もたったんだもんな。
あ、でも、初めて会った時って12歳だったよな?
確か転校してきて、最初は喧嘩ばっかりで、でも喧嘩したあとはいつも手を繋いで帰ったっけ。
夏美の泣き顔が好きで、でも他の人に泣かされた夏美を見るとそれが許せなかった。
しょっちゅう、男子と喧嘩してた。
「夏美、水いる?」
「うん」
「持ってくる」
「ん、離れないって言った」
「ちょっとだけじゃん」
「そのちょっとが私には長いの」
「じゃあ、いい子に待っててくれたら」
「待ってたら?」
「待ってた分、いいことしてあげるから」
「うん」
俺は夏美の頭をそっと撫でる。
コップと水を持って。
「夏美、戻ったよ」
「遅い」
「ごめんて」
「それでいい事って?」
「お粥作ってきたんだ」
「え?本当?」
「で、食べさして欲しい人」
「はーい」
「はい、あーん」
って、俺はどこまで夏美に甘いんだよ〜!