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ぜったいぜつめい、いいえちがいます

うわあ、まさかぶつかった人物が生徒会関係者だなんてラッキーなの?アンラッキーなの?

答えは間違えなくアンラッキー。私からしたらだけどね、こういうキラキラした方々に一般生徒が近づくなんて女子の皆様からの反感やジェラシーをかうにきまってる、私が買いたいのはそんなものではないので遠慮したいわけだけども自らぶつかっていくという失態をおかしてしまったわけであり手遅れなような気もする。今の現場を女子生徒の方に見られてなきゃそれでいい、早くこの場から立ち去りたい。


「ええと、ありがとうございます。それとぶつかってしまってごめんなさい」


そうとだけ言葉を残して私は早足で図書室の方へ去る。

後ろは見ない、自ら死亡フラグを立たせるような真似はしない。


その後私は後ろを見ておけばよかったと後悔することになる。

だって、誰が後ろで会計の百合乃命と副会長の藤見東が会話してると、思うのだ。


「ねえ、あず……今の誰ー?」

「今年入学した一年じゃないか、お前は何しにきた」

「あずに見向きもせずにどこいくのかなーと思いましてね……あっちは図書室の方だよね!」

「ああ」

「んじゃ、あずばいばい!ちょっといってくる」


「騒々しいな……ん……?何だこれ……1年A組、倉田字色……?生徒手帳か……さっきぶつかったときに落としたのか……。はあ、面倒事がまた増えた」


そんなことを考えながら私以外の人間がまるでいないかのようなひんやりとした廊下を黙々と走り、図書室というプレートが見える。

やっとついた、そう思いながらガラリと図書室のドアを開き図書室内に入る。

図書室には人の姿は見えず、どうやら私しかいないようだった。


うん、なら好都合だ、静かに本が読めるというものだ。

私は両手でしっかりと握っていた小説を読むために適当な椅子に座り読みかけのページを開く。


「続き続きっと……」


小さくつぶやいたはずなのに、誰もいない静かな図書室には私の声がよく響いた。

パラリ、ページをめくる。


“学校についた、ひどく緊張した、入学式の教師の話とか挨拶なんて耳にはいらなかった。

それよりも私は一番気になっていたことがあるのだ。


ずばりー……この学校美男美女が多すぎやしないかい?

ボンッキュッボンッなお姉さんからロリっぽい女の子、ショタっぽい可愛い系の男の子から俺様系に見えるスラリとしたイケメン。

レベルの違いという奴かこれが。生まれ持った素質の差というやつですね、わかります。

こんな美形って本当に存在したんだなんて感心しながらも私には眩しすぎるので自分のクラスに行こうっと。


私のクラスはずばり、1-A組だ。うん、そのまんま。何組まであるのかは覚えていない。自分がA組なことだけは覚えている。ということで1-Aの教室にレッツゴーだということでいってみたのはいいものの……うわあ……美形だらけで自分に自信もてないわかなしいー……。内心そんなことを考えながらも自分の席に着く。鞄の中にはいっている物を机の中につっこみ、ぼっちだけは避けたいがためにぼっちを避ける方法を考える。ずばりだ、女子にぶりっこしろ。


私は男にぶりぶりするやつは馬鹿だと考えている。何をもって男にぶっているのかは知らないがそんなことしたって馬鹿な男がよってくるだけなのだ。

女子にこそぶる価値はある、陰口悪口を叩くなど言語道断であり、女子の前ではいい子を演じきる。

そうすれば敵を作らずにすむわけだ、我ながらいい考え、そんなことを考えていると前の席の女の子が私に話しかけてきた。”


ここまで読んで、違和感を感じる。

いや、それは、ない。ありえない、ありえない、あってはいけない。


ドクドクと煩わしくなる心臓の音が聞こえる。


“「ねえねえ!私中等部からいるんだけどさっ倉田さんって高等部からだよね!」


わあ、元気っ娘な少し幼い感じがする女の子、こういう子は性格がサバついてるというかネチョネチョしてないから好ましい分類に入る。


「そうだよ、ええとー「工藤明くどうあきだよ!」ありがとう、工藤さんは中等部からなんだね。私は高等部からだからぼっちにならないか少し心配だったんだ、話しかけてくれてありがとう」


「えへへ、そういわれると嬉しいね!!」”


工藤明、寮の部屋が同室で、前の席で、明るくてかわいらしい女の子。

間違いなく、彼女だった。


小説の主人公は私で、登場人物はそのまま私の周りの人間?

誰がこの小説を何のためにかいたというの。そして、何で私の考えてることもすべて、かいてあるの?

私の考えはあくまでも私の考えであり、誰かに私の考えを無断で読み取られまるで記憶を覗き込まれているかのようなプライバシーの侵害とかそういうレベルじゃない行為をされているなんて許せるわけがない。


その前にそんな行為をできる人間なんて存在するはずがない。


そう、うだうだ言っていても現実、私の行動思考すべてがこの小説に綴られているのだ。

誰が、かいたというのだ。あ、そ、うだ。作者!


作者、作者、そう思い私は一度パタンと小説を閉じて表紙を見ようとする。




そのときだった。




「ねえ、何してんの?」



冷めているような、そしてどこか甘さを感じさせられる声が図書室内に響く。

後ろを振り向けば、そこにいたのはショタっぽい可愛い系の男の子、こと生徒会会計ー百合乃命だった。


ふわふわとした蜂蜜色の髪を揺らして、彼はもう一度。


「何をしているの?」


と、冷めた声色で、そういった。


そこに甘さは含まれてはいなかった。

エラーエラーエラーで中々投稿できなかったのですがやっとのことで更新。

接触2です、藤見さんのターンが1話で終わった苦い現実。

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