Crock
これは本当にR15です。要注意。
っていうか、こっからさき、ずっとそんな感じ。
だと思う。
その無機質な音を出したものの正体を見ようと、涙で白く霞んでしまった目を拭う。けれど拭う端から新しいのが、流れてくる。だから何がカチャリと言ったのか、私には見ることができない。
「泣かれちゃ、困る……ってさっき言わなかった?」
そんな言われても、涙なんかそんなすぐに止まるはずない。
拭ってすぐの視界は綺麗だけど、しばらく待たずとも、またすぐに白く霞んでいく。
「うざいな……」
低い声でそう呟くのが聞こえた。続いて風船が割れるような音が空間に響く。
その音の大きさにさっきまで流れていた涙がすぐに止まる。そして、耳鳴り。
やっとのことで彼を見れば、右手にはリボルバーのハンドガンが握られていて、それを私に向けている。
確か名前は……、クロック……だったと思う。小さい頃の私は軽火器を見るのも嫌だったから、よく覚えていない。
つまり先ほどの音は、銃声。
向けられた銃口をまともに見ることもできないし、一瞬見ただけで呼吸が浅くなる。
銃を向けられたのは初めてで、どうすることが最善なのか分からず、後ずさるだけだ。
「冗談……、だよね……?」
「本気だけど……?」
冗談だと、思いたくて聞いたけど、即答される。
冷たい目で見下ろされて、萎縮してしまう。
「そっちこそ、冗談でしょ? よそ者のあんたがアリスに成り代わろうって?」
「……いよ……」
ひどいよ……。
なんでそんなこというの?
「なんで、私が冗談言わなきゃならないの? 私……、アリスだよ?」
後ずさりながら……だから、全然説得力がない。銃を向けられたままっていうことが私は、怖いから。
もう怖くてたまらなくて、膝が笑っている。少しでも気を抜けばへたり込んでしまいそうだった。
「あんたは、アリスじゃない。僕が知ってるアリスは…………」
低い、心を凍らせるような冷たい言葉が少しだけ聞き慣れた優しい声に戻る。冷ややかな表情をしていたはずの彼の表情が少しだけ、切なさを帯びた気がした。
気がした……だけだから、気のせいだと思う。
「……っ! 帰れぇっ!! 二度と僕の前に現れるなぁっ!!」
彼が声上げると同時に二度目の発砲音。銃口は私に向いているから、弾は私の頬をかすっていった。その反動で私は後ろへと跳ね飛ばされ、へたり込んでしまう。
痛いというよりも、熱い。高温で熱せられた鉄の細い棒を頬に当てられているように感じてしまう。
「……つ……ぅ……っ!」
彼の表情は鬼そのもので、私を拒絶しているとしか見えない。やはり私と彼との間には、分厚い超えられないほど高い壁が立ちふさがっていると考えていいだろう。
ここには来るのも帰るのも、いつも突然で、自分ではどうやって来ているのかは、全く分からない。
それを、突然帰れと言われて帰ることができるわけがない。
「どうしたら、いいの? どうやったら……っ」
三度目の発砲音。
今度こそ、私に当たる……そう思った。
短い気がするのは……、私だけ?
遅筆ですみませんっ!
頑張るから、気長に待ってて欲しいっス!