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Do you remember?  作者: 白降冬夜
Cheshire cat ~maris~
11/31

Bhopal

お待たせしましたっ!

一週間以上も待たせてしまいすみませんでした。

原作好きは回れ右っ!推奨っ!

「あ、そうだ。アリスにこれを渡しておかなきゃ」


そう言って、彼が懐から取り出したのは、オートマチック式のハンドガンだった。

差し出された黒い軽火器と、なぜか笑顔を見せているチェシャ猫を交互に見返す。


「なに戸惑ってるの? 別に気兼ねしなくてもいいんだよ?」


「っそういうことじゃなくて……!」


どうして私が銃を持たなくてはならないのか。

それに今まで指一本として触れたことのない物を、どう扱えというのか。

ましてや、一度も使ったことはないのに、どうしろっていうの?


そうやって矢継ぎ早に問いを投げかけたくなるのを、抑えるように口ごもる。


「最初っから、アリスのものだよ? だからこれを持ってきた僕以外、誰もヴォーパルには触れてない」


最初から……、私の、もの……?

でも、なんでこんな物騒なものが私のものなの?


「……っ、触りたくない……」


ハンドガンから目を背けて、か細い声で呟いた。彼に聞こえたかどうかなんてどうでもいい。私は、銃を触りたくないのだから。

早くどこかにやって欲しかった。


でも……、


「駄目だよ。こういう時のための銃なんだから」


私の手を引いて、その手に無理やり銃を持たせてくる。冷たい金属の感触に投げ捨てたくなるが、チェシャ猫がそうさせてくれなかった。


「駄目だってば!」


「こういう時って、なに……?」


彼に銃を握らされたまま、視線を合わせずに小さい声で問いかけた。

ありえないというような表情を私に向けてくる。そして、案ずるような目で私を見てくる。


「分からないの? 白ちゃんにあんなことをされたのに?」


それでやっと理解する。

白うさぎみたいに私がアリスではない、よそ者だと認識している者がいるということ。

さらに悪ければ、先ほどのように命の危険に晒されるということだ。

だから、自分の身ぐらい自分で守れと言っているのだろう。

チェシャ猫が言いたいのは、こういうことだと思う。


「チェシャ猫が、守ってくれるんじゃないの?」


「その時に僕がいなかったら、どうする? 僕を呼ぶ? 喉絞められて声が出せなかったら?」


私が問いかけた質問に即座に返されて、しかも追い詰めるように矢継ぎ早に質問を投げかけてくる。

私には、しようと思ってできなかった芸当だ。


「っそれは……」


「だったら、ほら構えて。練習するよ」


彼の手が私の手を離れた。途端に手の甲に冷たい空気が触れて、寒いと思ってしまった。

彼に言われるまま、銃を構えて引き金を引いた。


曇り空の下、乾いた風船が割れたような音が耳を劈いた。


ここから先、更新が遅くなるかもしれません。

すみません。先に謝っておきます。

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