第二十七話 巫女の最期 ①~
一人視点を書いてみましたが、無理。
2015/09、23/20:48:31
紅鷹が死んでから、もう二年。
いまだに魔王勢力の侵略は訪れてはいなかった。
魔物たちの繁殖期は種類がいるためにバラバラだ。
それに、早熟で、あっという間に成長し、一人前に人を食い殺せるようになる。
そんな奴らが二年も、向こうの世界で繁殖しているかと思うと、悪寒が走る。
「この世界は、このままで大丈夫なの?」
一人、ひっそりとこの部屋で、考える。
どうか、悲惨な未来にはならないでください。
そんな思いは通じなかった。
☆
数日後に、魔王勢力はゲートの向こう側からゾロゾロと現れた。
当然、此方と向こうをつなぐゲートは精鋭たちで待ち構えさせていた。
しかし、NO,1には誰も勝てなかったと報告があった。
それに、凡そで軽く億は越える数が侵略をして来たと。
その報告から数時間で、さらに別の報告があった。
エルフォード国が、サザーミア国が魔物たちによって堕ちたと。
そこには、友がいる。
唯一、別世界から人間を召喚できる魔法を使える彼女が。
死んでしまっているだろう。
こんな世界あんまりだ。
さらに報告があった。
今魔物たちが向かっているのは、この私がいる国だということ。
死ぬ。
殺される。
世界が奴らのものになる。
だれも食い止めることができない。
そんな世界認めない。
(“使おう”。あの魔法を)
「こんな世界、私が変える」
呟いた言葉とともに、足元に魔方陣が現れる。
その魔方陣は私から、ほとんどの魔力を持っていった。
それに加え、周りの魔力までも持っていった。
それでもいい。
なんとか、紅鷹の血肉をリリスに渡さなければ。
あのとき。
2009年に行なわれたあの会議で、もし勇者召喚を可決させれば、私の行動によって紅鷹を呼び出せれば、世界は変わる。
行こう。
過去へ。
その部屋から巫女は消え、残ったのはただの空気と僅かな魔素だった。
☆
2009/06、27/01:58:32
大量の魔力を消費し、着いた場所は私が使っていた部屋と変わらない場所であった。
変わったといえば、此処が物置部屋になっていることぐらいだ。
魔力の枯渇がものすごい。
気を抜いたらすぐに倒れそうだが、あんな未来向かえたくない。
すぐにでも、届けなきゃ、でも誰に渡せば。
自分に渡せばいい。
さすがにバレるとかなり大変なことになりそうだから、フードで顔を隠そう。
あまり、私も持たない。
早く届けなきゃ。
ちまちま歩いていたんじゃ持たない。
「身体強化」
早くこの場から抜け出そう。
そして、私はあそこを歩いているはず。
☆
現代巫女から遠ざかった未来巫女は残り僅かな魔力で、移動する。
時間に換算すると、ほんの数十分だが、巫女にとってはきっと最期のような時間なのだろう。
彼女は悟っている。
自分が死ぬことを。
本来は、過去に飛ぶという行為は一度きりが精一杯なのだ、特別な存在などいない。
死ぬことが前提で過去に飛んだのだ。
だから、悔いは無い顔をしている。
もう、場所は人気が無く、まるでどこかの無人島に似た砂漠のような場所。
(ここで、一人骨を埋めるのもちょっといいかな)
なんて、未来巫女のおもいが頭に出てくる。
どて、と彼女は砂漠の中に倒れこんだ。
「どうかお願い。世界を“救って”。“あなた”がそうできることを唯、願っている。これで終わる―」
そう、人生の幕を下ろそうとする巫女は、残り少ない灯火に唯、日差しに照らされ続けた。
そして、ひっそりと巫女は息を引き取った。
時間をかけずに書いているのでクオリティーが低いですが、投稿しているだけで許して。




