第二話 偶然の召喚「改訂? まだするかも」
また今日も投稿できました。これからもよろしくお願いします。
2011年、6月29 午後7時25分
暗い。
僅かに浮かび上がった意識の中、言葉を口にした。
声にでていたのかはわからない。
耳が聞こえていないんのだ。
おまけに目も見えていない。光がなく、ただ暗い。
このままずっとこのままかともったが、少しだけ暗闇から小さな光がさした。
すぐに、なにかが聞こえてきた。
「―――――――なのか?」
(何だ………………? 誰かいるのか?)
耳が正常に音を拾うことが出来ていないのか、雑音が混じり会話の語尾部分しか聞き取れなかった。
おそらく、周りには何人もの人がいるのだろう。
正常に作動していない耳でもざわめきは聞こえていた。
「―――召喚で来たのだから勇者で間違いないはずだが……」
(召喚…………勇者? ……一体何の話をしている?)
聞こえた限り、上記の二つは非常に気になった。とても穏やかに済みそうとは思えない事態に撒き込まれているのではないかと危惧する。
寄りにもよって拉致か? 自分は見知らぬ宗教にでも見始められてしまったのかとありえなさそうな考えが頭に浮かんだ。
よく分からない、もしかしたら拉致かもしれない状況になって数分。ようやく周りの音が普段と変わらずに聞き取れるようになった。
同時に機能した目で周りを見た。
「本当に、これが魔王を倒せるのか?」
右側にいる派手なローブみたいのを着ている男が近くにいる男女を含めた数名に、その場にいた是認の言葉を代弁したかのように言った。
それに応えたのはやはり、疑問を投げかけた男と同じ派手なローブを着た少し髪の薄い中年のオッサンだった。
「確かにこんな身なりじゃ無理だろうが、覚醒の泉でものすごい能力を発揮させ、手に入れるかもしれんぞ」
(魔王? しかも俺、侮辱されてるのか………?)
周りから、数十人といった数の人間の皮肉と不安の声が多数寄せられている。まるで、期待していたものが、思ったよりかは釈然としないもので失望したような空気。それにもしかしたらといった僅かな期待。それが皆の心の中で浮遊する気持ちなのだろうと推測できた。
だが、多数の中の声に一つだけ、かわいらしい声で俺の身を案じてくれたものがいた。
「大丈夫ですか?」
透き通ったガラスのような繊細さを持つ声に、胸がすこしだけ熱くなった。
女性経験は少ないわけではないが、多いとも言えないので初対面でしかも、かなりのルックスを誇る目の前の少女に目を奪われた。
俺は、強く打ち付け未だにグラグラと揺れていると錯覚している頭をさすりながら腰を上げた。
そして、かすれ声で答えた。
「ああ、なんとかな。……だが、この状況を説明をしてくれないか?」
むしろしてもらわないとかなり困る。
予想だが、たぶんこれがかの異世界召還。基、拉致かと――――。
「はい…………あなたには私たちの国を救ってもらうためにここ、エルフォード国へ勇者として召喚させていただきました」
言い切られた。少し、本の少しだけ迷うそぶりは見せたものの、そのあとは躊躇うことなく真実を告げられた。
そういう時って、多少は真実を隠してできるだけ冷静に判断を下せるように落ち着かせるものだと思っていた。
少し位は言葉を濁してもいいのに。
だが、なんだろ、……なんか無性に腹の虫があばれたがってる。正直言って腹が立った。まあ、勿体ぶられるよりかは遥かにマシだが。
「ですから、まずあなたの素の力量がどれくらいなのかを見させてほしいのですが、よろしいですか?」
俺は、即答はできなかった。
もし、この力を見せれば周りのやつらからは評価はもらえるが、それではだめだとあの日に思い知った。
力なんて安易に欲してはいけない。ましてや、その力を手にして私利私欲で使ってはいけない。
使ってしまえば、人として何かを壊してしまうと思ったから。
だから、模擬戦もどきをやるのは別にいいが、本気・ましてや相手を倒すことは避けて倒されることを頭に留め、答えた。
「ああ、かまわない」
「えと・・・あの・・・」
俺はすぐに理解した。
何か言おうとしているのがわかるが、たぶんこういうことはいつも相手側が先きに言っていたのだろうと思い彼女の聞きたいことをできるだけ笑顔で答えた。
「あ、悪いな。俺の名前は獄閻寺紅鷹だ、よろしく。俺のことは紅とよんでくれてかまわない。俺の周りものはみんなそう呼んでいた」
俺は自己紹介とともに手を差し出した。すると彼女も理解したのか自己紹介を始めた。
「リリス・エルフォードです。よろしくお願いします紅」
「ああ、よろしくリリス」
こうして獄閻寺紅鷹の長いようで短い2ヶ月間の戦いが始まるのであった。
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ネタがあるのにあまり指が動かないのはなんでだろ?
本当に困る。




