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第二十六話 始まりと終わりの通過点①

 巫女視点めんどくせえ!


 この話、壊れたマイノートこの作品を書き始めたころから、てか最初に書いた話なのに、そのTXTが……、なんとか、覚えているものを呼び起こして書き直しました。


 なので、クオリティーが落ちています。


 もとはもっと、何ヶ月もかけて書いておいたのに。


とほほ…。


 

 2013/09、23/20:48:31

 

 目の前に広がる光景はとてもじゃないが、信じられるものではなかった。


 周りの建物は全て崩壊し、特に、此処からでも見えるあの赤い建物は、すごい大きいが、それは倒れてしまって、余計に被害を大きくし、人々は、それを行なった人物から恐怖の為逃げ惑っている。


 ある、一人は、目の前の恐怖から唯ひたすらに逃げるもの。


 ある、一人は、現実から目をそむけて、ただ呆然と、破壊される光景を眺める者。


 ある、一人は、一種の錯乱状態にでもなったのか、それとも自分が何かのヒーローにでもなったのか、近くにあった鉄で、現れた魔物たちに反抗しようとして、ゴブリンから放たれた棍棒で腕がへし折れ、泣き叫ぶおろかな人たち。


 ある、一人は、いまいる“一番強い存在と戦う人物”。


 彼は、一体何者なのだろうか? この世界に魔法という概念がないのはすぐに分かった。


 この世界には魔力のもととなる存在が無いわけではないが、それ自体があまりにも薄く感知がぎりぎりでできるほどにしかない。


 だから、発見されてはいないだろうと思われる為、戦うすべが素手か、何かの武器しかないと思った。


 しかし、彼は近くに鉄らしきものがあるというのに素手でメギドナに挑んだ。


 メギドナは、魔王の手下の中でもNO.3だ。


 彼と対等に対峙するには、魔法を扱えることは大前提だ。


 しかし、彼に魔力は少しも感じられはしない。


 それに、体もそこまで大きくは無い。


 ある程度の筋肉は付いているだろうと思うが、とてもじゃないが、メギドナの拳を受け流せるような力があるとは思えない。


 そして、なにより、身体強化を使っているメギドナになぜ、同じ速度で追いつける?


 彼は、一体何者なんだ?


                          ☆


 紅鷹は、すごく冷静だった。


 目の前の奴が、少なくともここにいるやつらで一番強いことが分かった。


 近くにいる、緑の物体のほうが、一見強そうに見えるが、目の前の奴から感じる殺気と比べると、幼稚園児レベルだ。


 だから、迷わず、一番強いと思うメギドナに近づいていった。


 メギドナも、気づいたのだろうか、二つしかない目を紅鷹だけにむけた。


 二人は、唯、見つめあいながら一歩近づく。また、一歩と。


 ゆっくりと。


 そして、メギドナが先に仕掛ける。


 身体強化をしているメギドナにとっては、軽い踏み込みだ。


 彼女はなめているのだ。この世界の人間を。


 少し腕を振るっただけで崩れる死体。


 こんな奴らがどうして、此処までに近未来の技術を持っているのか。


 そんなことは、どうでもいいくらいに殺し続けた。


 だが、見つけた。


 紅鷹を。


 彼なら少しは楽しめる、そう思ったが、あくまでこの世界の人間だ、だからちょっとした腕試しのつもりで軽く、踏み込んだ。


 しかし、紅鷹の反応はメギドナの予想を遥かに超えていた。


 踏み込み、紅鷹の目の前まで来たメギドナが、振るった右ストレートをかわすのは予想の範囲内だったが、その後、まさか反撃されるとは思は無かった。


 だから、すかさず、攻撃をよけた。


 しかし、攻撃はそれで終わりではなかった。


 よけたメギドナに、さらに紅鷹は足を踏み込み連撃を仕掛けてきた。


 思わずもらった拳は、人間とは思えぬ力で、とてもあの細腕じゃだせるものではなかった。


 メギドナは、油断していた上に、鳩尾にもらった拳のせいで、地面に足をついてしまった。


 そこを紅鷹は見逃さなかった。


 地面に膝をついたメギドナの顔面に、膝をそのままクリンヒットさせた。


 そこで、後ろに反り返るはずの体を、それを越える速度で後ろに回りこみ、後頭部に右回し蹴りを浴びせる。


 その威力は、魔法の身体強化に引けをとらないモノであるため、メギドナは数百メートル吹き飛ばされた。


 紅鷹は、少しの油断も慢心もしてはいない。


 メギドナが、特別な力を使うことは重々承知のことだ。


 しかし、それは紅鷹のほうも違いは無かった。


(こんなときに、じじいに教えてもらった“気”が役に立つとは思わなかった。だが、まだ終わってない)


 このくらいで、メギドナが倒れるとは思ってはいなかった。


 しっかりと、メギドナが吹き飛んだほうを見ていた紅鷹は、すぐに臨時体制に入った。


 いつも言われていたあの言葉。


 今はしっくり来る。


『油断はするな。誰もが、敵を倒して終わったと思った瞬間が一番のすきなのだからな、覚えておきなさい』


「今なら、本当にしっくりくるぜえええ!!!!」

 

 煙が立ち込めるほうから、メギドナが最速で体当たりを仕掛けてくる。


 メギドナは逆上したのだ。


(人間ごときに、俺が!!)


「ふざけるなああああああああああ!!!!!!」


 体当たりをしっかりと受け流すが、その威力に地面のコンクリートの方が耐え切れずに深く沈む。

 

 その、瞬間に地面に目をはなした紅鷹を見逃さずに、魔法を放つ。


 もはや、手加減を見失ってしまったメギドナは、得意の毒の魔法で発動する。


 ブシャああっとメギドナのかざした右手から汚れた水のような物体に塩酸の混じったような液体が紛失される。


 自分の失態に気づいた紅鷹は、下を見ながら気を集中させ吐き出される何かを防ぐ。


 全ては防ぎ切れずに、両腕に何適か浴びてしまう。


 すると、その本の少しの水滴が、まるで、腕を溶かすように、ジュクジュクと音をたてて腐敗させようとする。


 その液体に対して、ゾッとした紅鷹は水滴を腕を払って腕から落とす。


 すると、塩酸のように腕の皮膚を溶かす行為はとまった。


(今のは、塩酸? 毒に似たようなものか? どうしてあんなものが? さっきのは右手から出た。もしかして両手からもでるのでは? 注意しろ! しっかり相手を見定めろ)


 より、いっそうを相手を警戒した紅鷹には隙がまったくと言っていいほど無かった。


 紅鷹の隙が無くなり下手に手を出せない二人はお互いに相手の次の行動を見つめるだけであった。


 そんなんじゃ変わらない。


 なにも、できっこない。


『相手が手を出さないのは、相手を探っているか、隙が無いか、出方を伺ってカウンターを仕掛けるかのどれかじゃ。そんなときは、突っ込むのみじゃぞ。気を使ってな』


(わかってるよ。体全体に気をまとわせる。なにも、気を集めることだけに集中するんじゃない。相手を見ながらだろ)


 自然と、体全体が熱くなる。


 心臓の鼓動の数も二倍近くに早まる。


(これで良い)


 体から蒸気のような煙を発生させた紅鷹は、踏み込んだ。


 踏み込んで、相手の顔面にめがけて拳を振るう。


 それを、メギドナは、軽く体を屈めてよけた後、紅鷹の顎めがけてアッパーを繰り出す。


 しっかりと集中している紅鷹には軌道がある程度見える為、自然と体は足裁きで避け、相手の右側に回りこむ。


 回りこんだ状態で、両手を使い顔面と脇腹を狙った、山突きを放つ。


 自然と、顔をかばったメギドナは、残りの脇腹を狙った拳に気づかずに入る。


「ッ!?」


 うめき声を漏らし、両手をぶらん、と地面に向かって下げる。


 両手が下に下がった瞬間、防がれた顔面を狙った右手で、正拳突きで再度顔面を狙う。


 顔面は、軽やかに右手を頬に貰い、相手の顔が左に体ごとねじれながら吹き飛ぶ。


 放物線のように吹き飛んだ体を追い、着地する寸前で、踵落としで腹から地面にたたきつける。


 もうそろそろ、メギドナの体力は尽きそうだとおもい、奴の目を見る。


 その目を見た瞬間、紅鷹は、すぐさま飛び引いた。


(あの目、……あれは合い打ちの覚悟だ!)


 飛び引いた紅鷹を見ながらメギドナは高笑いをする。


「俺じゃあ、普通にやっても勝てそうにねえぇわ。でも、俺の魔法で全てとかしてやんよおおおおおおおおお!!!」


 一気に近づいてきたメギドナは、両手両足を使って攻撃してくる。


 しかし、それら全てを紅鷹は受け流すことはしないし、反撃もしない。


「何だそれは!?」


 声を張り上げるほどの奇妙な体をメギドナはしているのだ。


 体は、スライム見たいな状態。触ったらポヨンと揺れそうなやわらかさが見た目だけでも伝わってきて、なにより、体全体が、全てを溶かす塩酸であるからだ。


 数秒、たっているだけで、メギドナの触れているコンクリートは溶けていく。


 さすがにコンクリートというべきか、そんなすぐには溶けはしないが、それがもし、皮膚に浴びてしまったら、数分も持ちはしないだろう容易に想像が付く。


「くっそ!!」


 紅鷹は、反撃できずに、唯ひたすら避けるのみ。


 メギドナは、先ほどまでの圧倒的劣勢をひっ繰り返し、どんどん士気を増していった。


「おらおら!! 避けてばっかじゃーいつまでたっても俺を殺れねえぞ!」


 攻撃はとまらず、たまに飛び散る液体が、頬や、腕、膝、といった箇所に当たりそこを急速に溶かしていく。


 それを振り払いたい気持ちが高いが、そんなことをすれば一撃を貰ってしまう。


(一撃で決めるしかない)


「くれてやるよ、この腕。その代わりお前の命を貰っていく!!」


 体全体に纏っていた気を、両腕に集中させる。


「俺がお前の命を貰うううううう!!」


 ぶつかり合った二人の体はどちらも絶望的であった。


 抱きつくように二人の体は触れ合い、メギドナの顔と心臓の辺りは、近くに吹き飛び、紅鷹は払ってもとれないような量の液体を体に浴びた。


 体が、溶けながらもメギドナの体を自身の体から離し、ふらふらとしながら、歩こうとする。


 しかし、おもいの他、体を溶かす進行度が速いしで、足は、もうまともな形状をしていなかった。


                                 ☆


 巫女は二人の戦いをじっと見ていた。


 周りにいる魔物たちは、メギドナの命令によって私を襲わないようになっているからずっと二人の戦いを見れた。


 私は、期待していた。


 もし彼がこのまま、あの毒牙のメギドナに勝って、そのままNO,2を破り、NO,1と、強敵たちを打ち倒していってくれるのではないかとおもっていた。


 しかし、魔法という存在に最期は勝てなかった。


 やっぱり最期はそれが問題になる。


 “もし、彼が魔法を使えていたら、事実は大きく異なっていたのではないだろうか”。


 そう、思えてくる。


 私は、近づいたんだ。


 彼に。


「ねえ、あなた。名前はなんていうの?」


 理由なんて分からない。


 ただ、聞いておきたかったのかもしれないし、聞かなければならないような気がしたからかもしれない。


「俺か、俺…は……獄閻寺ごくえんじ紅鷹こうようだ」


「そう、ねえ、あなたの血肉を貰っていいかしら?」


「血肉? いいかもな。どうせ後何時間も生きていられる自身がない。もしあんたが俺を治せるような力があるのならくれてやりたくはないな」


 私はうつむいた。


 もし私に、彼を治せる魔法を覚えることができたらどんな未来が待っていたのだろうか。


 せめて、もし、悲惨な未来になってしまったときに、あなたを使うことができれば。


 だから、頂戴? あなたの血肉を。


「ごめんなさいね……私はそういうのはできないの」


「そうか……じゃあ、俺が此処で戦って、あいつを倒したこと覚えていてくれるか?」


「ええ、あなたの有志、忘れないわ」


 彼は、紅鷹は笑顔で静かに息を引き取った。


   

 私は、走る。


 この世界から、私の世界に戻って、逃げなきゃ。


 いまなら、逃げれる。


 NO,2はいない。私を、私の魔法を恐れて監視する奴は誰もいない。


 そのまま、私はゲートを通ってもとの世界に帰り、いずれ来る奴ら《魔王勢力》を食い止める為に走った。






 

 


 

はい、赤い建物は、どう考えても東京タワーです。


なんか、ぶっ壊してみたかったですたい!!


本当はもっと、いい表現があったのですが忘れちゃった。

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