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第十八話 何も残らなかった未来

自分の説明の下手さと、トンでも設定が……。


誰か助けてーーー


なんか、矛盾が……。


手直しするのがつらい。


さきに謝ります。


本当にすいません


 ▲

 

 世界が絶望への階段を登り始めて五年。


 その脅威は、全国の政府組織、ともに一般市民で構成されたチームが、それぞれのリーダーを筆頭にし魔物たちを狩っていた。


 そのうちの一つの組織で俺はリーダーだった。


 俺は、五年前の2013年、9月23日。


 その日のうちに東京中心に発生したほとんどの魔物をすべて殺した。他県や、他国に逃げた魔物は後回しだった。


 当然、そのシーンを幾人もの人間に見られたが、あるものは俺を尊敬し、俺の下へとついた者、あるものは、警察などというまったく機能のしない機関に助けを求めるもの。あるものは、自分たちでチームを結成し束ねるものたち。


 その三つに代替的に分かれた。


 そして俺は、暁、美希を連れながら全国を回りながら徐々に仲間を増やした。


 当然、俺より年上や年下。複雑な家庭環境を持ったやつら。


 様々の人間が俺をリーダーの座から引きずり落とそうとしてきた。


 その理由はこうだ。


『お前は不思議が多すぎる。なぜ突如出現したやつら《まもの》を簡単に殺せていたのか、なぜ人間離れした体を保持しているのか、お前らはただの学生なはずだ』


 いろんな反感があった。


 そのたび俺はそういうやつ等をチームから除外した。


 そんなやつらがいたらチーム内の統制が乱れるだけなのだから。


 当然、俺のチームを抜けていったやつらは一週間も持たずに壊滅をした。碌に戦闘もできない。指揮も取れない。そんなチームは壊滅を記すだけだ。


 そして残った残党がもう一度、俺達のチームに入れてほしいと志願してきた。


 俺はなおもそいつ等を蹴った。


 一度裏切ったやつがのこのこと戻ってきたところで、また裏切るのが落ちだ。


 もちろん、そういうやつらだけではなかった。


 俺に直接、自分の裏切りを償うように働いてくれたもの。いまではそいつは俺の組織のかなり上層部に位置している。


(実に優秀なやつだよ。あいつは)


 そして、俺は日本一の組織のリーダーとして成長した。


 そして世界に進出するまでになり、全世界に蔓延した魔物をすべてを共同戦線で狩りだしてから五年。


 2018年、10月13日。


 暁、美希がともに眠る墓の前で、夕日と海が見渡せるこの場所で今までの人生を振り返っていた。


 俺が不甲斐無いせいで可憐を死なせ、油断していたとはいえ二人を死なせてしまった。


 守ると誓ったのに、守り通すことはできなかった。


 場所はもう言ってもわからない所だ。ただ日本であることには違いないことは確かだ。


 崩壊した世界全体の技術はすべて廃れた。それと同時に、過去の失われた科学技術を継続させようと復旧作業が現在進行形でなお行われている。


 だが関係ない。俺にはもう生きる意味は“無い”。


「もう疲れたんだ…………いいよな? 世界は救ったんだ。目的は終えたんだ。これが、俺の、人生だったんだ」


 五年という短い月日ですんだのは、魔物たちを初日でほとんど東京内で倒せたことが吉となったのだろう。その他の魔物は他県や他国で数を増やした。

 

 それらを世界でつぶすのに意外と時間はかからなかった。


 そうして、暁、美希がともに眠る墓で、静かに手刀で首を切る自殺を図ろうとしたとき、一人の――、“日本に存在する者はすべて殺した”はずの、“魔力を持った”気配が後ろに現れた。


 できるだけ声を押し殺し、振り返ることはせずに、冷たく相手を射抜くように声を絞った。


「……誰だ?」


「……初めまして、紅鷹」


 こいつは一体何者だ? なぜ俺の名前を知っている? なぜ体内に魔力を保持している? そんな疑問が浮き上がる。


 少なくとも俺は魔力の気配に対して敏感でそれらの特徴を覚えてられるので知っている魔力ならば誰かは判断できる。しかし、今感じられている魔力の気配には一度もあったことは無いはずなのに。


 再度、疑問を投げかける。


「誰だと聞いている? 答えなければ殺す」


「怖い怖い、なーに急かさなくても教えるよ―」


 そしてやつはいったんだ。


 俺に。


 重要なことを。


 「――“君を”、向こう《異世界》に召喚するように細工をした人物は“私”だよ」


 まるで他人事みたいに、自分はあくまで関わっただけとも取れる言い方だった。


 俺を、“召喚”するように促したのはわたし―。当然、紅鷹は混乱を起こす。


(どういうことだ!?)


 召喚はランダムだと、少なくとも紅鷹はリリスにそう聞かされていた。


(リリスが嘘を付いていた? もしくは、真実は知らなかったのか?)


 混乱している紅鷹を落ち着かせようと、さらにそいつは言った。


「えーと、混乱しているとこ悪いけど、このことを伝えてくれって言ってきた人物がいるんだ」


「誰だ!?」


 もはや即答だった。当然だ。悪意ある行動がそれを起こしたのなら暴動ものだ。


 今となってはそれをしても無意味に近いし、異世界に渡るすべも無い。


 紅鷹の反応にに動揺しながらもゆっくりとしゃべってくれた。


「たしか、エルフォード国の騎士、セインだよ」


(なに? エルフォード国? セイン?)


 エリスを殺して、俺を―。  


 耳から入ってきた情報によって、脳が活性化する。いや、何かを必死で探し回っているような感覚。


(っ!? 思い出したぞ)


 そうだ、俺はセインに気絶させられた跡にこっち《日本》に強制的に戻ってきていた。


 あいつが? 敵? この際、どうやったかは気にはならなかった。


 じゃあなぜそいつが五年たった今、そんなことを伝えにくる?


 その疑問を解消してくれるように目の前の人物はさらに言葉を続けた。


「でも、その人は確か、『獄閻寺紅鷹にこのことを話すとき決してこの言葉を言わないと、やつは勘違いを起こす。だから伝えろ。いまお前に話しかけている俺は、エルフォード国の騎士セインであって、そうではない魔王の手下NO1だ。


 そして、あの場にいたエリスを殺したのは私ではなく本物のセインだ。やつらは、エルフォード国は、はじめからお前をコマにし、殺す予定だったが、俺がセインの記憶を一時的に書き換えたのだ。遠隔操作でな。


 どうしてそんなことが必要なのかって? それはお前にすべてを観測してもらうためだ。お前は、いや“俺の知っているお前は”すでに一度、今お前にこのことを話している人物《時の巫女》に“時間を逆行する魔法”を教えてもらい、遡ったが“失敗している”。いや、リリスを魔王との決戦のときに救うこと自体は成功したが、その後に、別の死に方をした。そして、本来魔王との決戦時、お前は気絶している最中に死ぬ。


 そして、“お前は”どうしても変えられない未来に希望を失う。だが“お前は”思ったんだ、もしかしたら別の過程を進んだ俺が成功への道を切り開いてくれるのではないか。だから本来死ぬ筈であったお前を生かすことにしたんだ。しかし、そうするためには同じ人間は同じ世界に二人存在できない。それは記憶の中のお前が重大なパラドックスを起こそうとしたからだ。二人が同じ空間にいて鉢合わせるということがな。

 

 だからどちらか一方を殺す必要があった。それを未来のお前は、俺の知っている“お前は”笑顔でよろしくと頼んできたよ。だから俺は、未来の“お前が”魔王との決戦時に“お前を”割り込ませずに俺の手で殺した。


 そうして新たな可能性を作った。そして、お前が“生きる”ことによって、お前の記憶の中のお前が生きる世界になるんだ。


 わかりづらいだろうから少し、仮定を入れさせてもらうよ。


 本来、この世界とは別の未来があった世界を①と仮定するよ。その世界で何らかのことがあったんだ。それを回避するために時の巫女は過去にとんだ。


 この事象で大きく未来が変わったはずなんだ。そして、変わった世界を②として過去にとんだ時の巫女がなぜかは知らないが、何らかの方法で、①のお前と接触し、お前のDNAを採取していたんだ。


 それを、まだ何も知らない時の巫女に何らかの方法で、君のDNAを受け渡した。本来、時を逆行する魔法は人一人の魔力を使っても全然足りないはずの物なのだけど、それを時の巫女は一人で行うことができた。それはお前も同様にな。


 しかし、“生死は不明”。もし万が一死んでいるのだとしたら、正確に彼女の死ぬ前の時間、つまり過去に飛んできた瞬間に捕まえるんだ。しかし、君のいる世界は③に値する場所なんだ。


 時の巫女が避けようとした未来を①、記憶の中の君がどうしても変えることができなかった世界を②、そして、②の記憶の中の君によって変えた世界が③、お前がいるところだ。


 本来なら、お前の③の世界からでも、巫女の行動を阻止すれば①にいけるんだが、その前にでも疑問に思うことがあるだろう?


 お前が殺されるんだったらなぜお前は死なないのかって。それは簡単だ。時間は常に未来に流れているわけではない。生きているお前があってこそ俺は、俺の知っている“お前を”、セインを装って生かすことができたんだ。それは、お前らが知らない時の中で繰り返し行われたことで、成った結果だ。


 多分、お前がこの話を聞いて時間を逆行するはずだ。それによって、俺に助けを求める。俺にだ、魔王の手下NO1の俺に。俺はどこの世界、どこの平行世界、どこの世界線の記憶だろうと共有できる。だから、お前が俺を頼るのは必然。すでにそれは確定している。しかし、あくまでお前の主観の範囲でだ。

 時間は循環しているのだ。お前を中心として。

 まとめようか―』」

 そしてまるで目の前のやつも、セインを名乗る魔王の手下も同時に話を止める。


「『要するに、――お前が一度死ぬのは確定した未来であって、それを経験したお前が世界を変えることができる』」


 それ以上は必要なかった。


 俺には、“失敗した俺の記憶がある”。多分、いやそれはセイン(偽)が俺に記憶を何らかの方法で植え付けたのであろう。


 だから、簡単とまではいかないが理解するのに時間は余りかからなかった。


 つまり、誰かに、“変えられた世界”に俺達はいるということになる。


 記憶の中の俺が目の前のやつに時間を逆行する魔法を教えてもらったが干渉した世界はすでに未来は確定していて変えることはできない。それは“記憶の中の俺”が証明をしてしまった。


 何度繰り返してもエリスの死は変わらない。因果がそれを了承してしまっている。


 そしてまた、俺が時間逆行をするのも確定している。


 なら、俺は世界を変えるのを止めなければならない。


 いや、そうしたら俺はどうなる?


 消える? それとも多世界解釈なのか?


 だとしたら、この世界《異世界》が救われる可能性も無くなるのか?


 それはだめだ。少なくともそうでなくては異世界の人々が報われない。


 ならどうすればいい。


 俺だけがまだ未知の世界に飛ぶにはどうすれば。


 今は、迷っている時間は無い。絶望に浸っている時間は無い。


 過去に飛ぶんだ。それが今の最善の選択なのだから。


 だから迷わず俺は言ったんだ。


「過去への飛び方を教えろ」




 


 



 

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