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225  作者: Nora_
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「おはよう」

「あんたねえ」

「だってやっぱり一緒にいたいじゃない、あなたとゆっくり過ごすなら学校前のこのお散歩の時間しかないじゃない」


 短い休み時間はあれでも昼休みに過ごすとか色々とあるのに非効率的なことをする、運動をしたいということなら付き合うけど……。


「もかとはどう?」

「あの子がひっついてくる回数が増えただけでそれ以外は特になにもないわ」


 やたらとご飯を食べさせてくることが増えたものの、それは美味しいうえに楽だから嫌なことではない。

 一つ気になるのはすぐに悲しそうな顔……? をするところだ、あの顔を見る度に既に後悔しているような気がして引っかかる。

 そのくせ、なに? と聞いても「あさの顔を見たかっただけだよ」とかふざけるだけだからモヤモヤが止まらなかった。


「あなたの方からしてあげているの?」

「ま、たまにはね」

「そう、ならもかも嬉しいでしょうね」

「どうだかね」

「あら、上手くいっていないの?」


 隠すようなことではないからなにがあったのかを説明する。


「それって物足りないからじゃないの?」

「物足りないって、関係が変わったような翌日にひっつかせなかったぐらいでそれからは許しているのよ?」


 いちいち許可を取らないでしろと言ったようなものだからあの子が悪いわけではないけどね。

 あとは季節も影響している、あの子は温かいからくっついてくれていた方がポカポカして安心できるのだ。


「あ、ちゃんと言わないからモヤモヤしているとか?」

「でも、寝た時点で受け入れるって言ったようなものじゃない」

「それなら私となんて何回も寝たじゃない」

「な、なんか変なことをしているように聞こえるからやめて」

「ふふ、あなたが言い出したことなのよ?」


 そうか……って、当たり前だ。

 恥ずかしくなるだろうけど言わなければ駄目だ、学校に着いたらちゃんと言おう。

 それでもいまは切り替えて歩くことに集中する、で、終わったら大人しく帰ろうとしたら何故かゆみの家に上がることになった。

 彼女のご両親とは何度も話したことがあるから気まずくはないけど……少し気になるのも確かだ。


「あんたと違ってお喋り好きよね」

「私だってお喋り好きよ?」

「あ、友達とばっかりいるんだからそうか、これは私が間違っていたわね」


 朝のはなんだったのかと言いたくなるところが容易に想像できる。

 でも、別にそれでも悪いわけではないから強気にいけないのも確かなことだった。

 だから中野の件といい、スッキリしない点は多いままだった。

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