表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/54

第四十四話 新たな仲間

 しばらく待っていると、ボクとサクの目の前に田嶋くんが現れた。


 「田嶋くん!」

 「田嶋!」


 再度現れた田嶋くんに向かって、安心の涙が溢れる。


 「泣くな、泣くな」


 久しぶりに会った田嶋くんは何だか頼もしい。どこか一線を潜り抜けて来た様な振る舞いだ。まさか、オコノミヤキ!? 流石に違うかな…


 「って後ろにいるのは… ジャガー!?」

 「おぉー!久しぶりだな! 取引の事覚えてくれていたのか!」


 興奮するボクとサクに、田嶋くんと後ろに居るジャガーが、指を立てて静かにしろと言われてしまった。


 ボク達が何をしても開かなかった柵は、田嶋くんとジャガーによって簡単に開いてしまった。ちょうど見張りが居なくなったタイミングで来てくれたことによって、音を立てない様に柵から出たボク達は身を隠せる場所に移った。

 そこで田嶋くんからここに来るまでの出来事を教えてくれたのだった。


 と、その前に。


 「ねぇ、そこで後ろ向いて立ってる人だれ?」


 「ほんとだ! 誰だ?挨拶もしねぇで、愛想ねぇなぁ」


 サクが後ろを向いて立っている人の肩を持ち、振り返らせると…


 「ヴァイロン!?」

 

 ボクとサクはすぐさま戦闘体制を作り、田嶋くんたちを後ろに行かせる。振り向いたヴァイロンは相変わらず反抗期の男みたいな顔をしている。


 「ちょっと待って蒼井さん、サクさん」


 田嶋くんがヴァイロンと、ボク達の間に入って来て、何もしないように忠告されるボク達。


 「この話も順を追って話すから、まずは静かに聞いててほしい」


 その場で、ボク達は正座をして田嶋くんの話を聞いた。ヴァイロンは不満を残しつつフンッと鼻息を荒くして腕を組む。


 ガーデンの忠告を受けた田嶋くんは、ボクとサクがブラックファクトリーに向かっていると踏んで、王様の居る宮廷には向かわず、ブラックファクトリーに向かった。


 ブラックファクトリーに向かっている最中、能力の無い田嶋くんはある人物に出会った。その人物とは…。


 「あれ… あの時に見た人だ」


 ボーッと見つめる田嶋くんに出会った人物から、


 「何見てんだよ。死にてぇのか?」


 と、額同士があたるほどの近さでメンチを切られた。


 「あー… いやいや、何だか見た事ある人だなと思って見てしまいました」


 「けっ。そりゃそうだろうな。俺の事を知らない奴は居ねぇ」


 メンチを切っていたにも関わらず、何だか嬉しそうしている人物は、ヴァイロンだった。田嶋くんは、ボクとサクが初めて会った日、影に隠れて見ていたそうだから、ヴァイロンの顔を覚えていてもおかしくは無い。だが、ヴァイロンからすれば、初対面だ。


 「そうなんですね! だって見るからにお強そうですもんね」


 と、ヴァイロンの好きそうな言葉を選び田嶋くんは対応する。


 「そ、そうだろ? お前よく分かってるじゃねぇか」


 案の定、ヴァイロンは嬉しそうだ。


 

 「あの、ブラックファクトリーで、誰かが来たとかそんな話は聞いてないですか?」


 さっきまで嬉しそうにしていたヴァイロンの顔色が変わる。


 「もしかして、アイツらが来たのか? いや、俺はここには住んでねぇ。だから何も耳には入ってねぇんだ」


 「アイツらとは何方の事でしょう?」


 

 田嶋くんは、ヴァイロンの察しの良さに緊張が走る。


 「あのー、あれだ。無駄に力が強い男と、晴美…だよ」


 「晴美!? 僕でも苗字で読んでいるのに!?」


 ヴァイロンは、田嶋くんがいきなり大きな声を出し、近寄って来たことで圧倒されている。


 「な、なんだよ…。どう呼ぼうと勝手だろ」


 「駄目です! 貴方は、蒼井さんを傷つけようとしました! 僕は許しませんよ!」


 田嶋くんの額がヴァイロンの頬へ食い込んでいく。それを押し返すように、唇をとんがらせながら、負けないヴァイロン。


 「お前、晴美のピーー…」


 「ピーーーーー…だよ」


 押し合っていた二人はピタッと止まり、少し距離を置いた。そしてヴァイロンは顔がどんどん赤くなっていく。途中のピー…が気になるが、まず話を聞くことにした。


 「お、お前…。そ、そそそそんな恥ずかしい事、よく俺なんかに言えるな」


 田嶋くんが何を言ったのか、何の話なのか、ますます気になるが…。


 「何故、ヴァイロンさんが赤くなっているのでしょうか?」


 「う、うるせぇ! 赤くなんかなってねぇよ」


 「あ、髪の毛が赤いから反射して…」


 「なわけねぇだろ!」


 「じゃあ、何故赤く?」


 「だから赤くなってねぇって!」


 「はぁ…、何が言いたいんですか? もう僕、どうでも良くなりました。先を急ぐので、それでは」


 話している間に、ヴァイロンから敵意は無いと判断し、ヴァイロンの横を通り過ぎて、ボクとサクを探しに行こうとするが…


 「待て」


 ヴァイロンが田嶋くんに背を向けながら呼び止め、面倒くさそうに振り向く田嶋くん。


 「何でしょう。もう顔が赤くなった話はもう良いですよ」


 「晴美を探しにいくなら、俺に思い当たる場所がある。条件付きで教えても良いが」


 田嶋くんの顔色が変わる。


 「条件とは何だ」


 「この俺と勝負しろ」


 さっきまでは敵意は無いと思ったが、やはり来たかと戦闘体勢に入る田嶋くん。


 「分かった。いつでも来い」


 だが、ヴァイロンは何もして来ない。


 「何だ?来ないのか? 来ないなら、僕から行かせてもらうよ」


 と、スティックを振り上げようとした瞬間、ヴァイロンの口が開く。


 「そういう事じゃない。ピーーーーー…」


 「はぁ!? 貴方何歳ですか?」


 「14だ。歳なんて関係ないだろ!」


 「そうですね… 分かりました。受けて立ちましょう」


 そんなこんなで、田嶋くんはヴァイロンと共に行動する事になった。


 一旦現在に戻る。


 「いや、ピー…のせいで分からん!!」


 ボクとサク、おまけにジャガーも戸惑っているが、田嶋くんとヴァイロンはグータッチをして男の友情を確認している。もう何なんだお前達は…。


 回想の続き。


 勝負がついたのか分からないが、回想が再開した時には、ヴァイロンの思い当たる場所へ向かっていた。だが、道中で、


 「ヴァイロンさんは何をしていたのですか?」


 「あー、さっきか。宮廷を抜け出して来たんだ。やってられねぇって」


 「それ、詳しく聞かせてもらっても良いですか?」


 と、ヴァイロンは生い立ちから話す事に。


 

読んで頂きありがとうございます。

引き続き宜しくお願いします。

応援して頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ