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第四十二話 貴方は

 一方、ボクとサクは鍵のかかった柵の中で、どうにか出ようと試みていた。


 「ねんどんねー!」


 「粘土?粘土で開くのか?」


 「へっへーん。粘土でこう…」


 ピシャンッ!!…


 気まずそうにするボクを見て、首を傾げるサク。


 「粘土で鍵の型を取ったら開けれると思ったんだけど、跳ね返されちゃった。こうやって、手だけだと通るのに、能力使っちゃうと通らないんだね」


 サクは立ち上がり、


 「こんな物、力が上回ればぶっ壊れんだろ」


 と、全力全開でパンチをしたが、プク〜っと、拳が張れるだけだった。


 「ねぇ、もしかしたらここに、お父さんとお母さんもいるかもしれないよね」


 「そうだろうけど、俺達を近くに置いて相手にメリットあるか?」


 (珍しく真面目に答えてる…)


 「そうだよね… ここまで来たんだから早く会いたいな」


 寂しげな顔をするボクを見て、


 「はるみの父ちゃん、母ちゃーーーん! はるみはここにいまーーーす!」


 と、いきなり叫び始めた。


 ボクも便乗して叫ぶが、見張りの男に注意され呆気なく終了。ボク達を邪険に扱えないのか、食事は配られていたお陰で、食事中は少し気を紛らわせる事が出来た。


 が…


 「サクー、暇ー。もうこのままボク達、能力だけ吸われてポイっなのかなぁ。田嶋くんには王様の所に行くって言ったけど、ここ王様いる気がしないんだよね」


 「暇って言葉にするな。余計に暇になる。そうだなー、いつ反逆されるか分からない奴らの側にトップを近づけないだろうなー。まぁ、田嶋の事だから、きっと俺達を見つけてくれるだろうよ」


 と、冷たい床の上で大の字になって寝転ぶボクらに、苛立ちを覚える声がした。


 「どうも、先程は失礼致しました」


 瞬時に起き上がり、戦闘体制に入るボクとサク。柵越しにボク達の目の前に居るのは、アランだ。


 「先程は失礼致しました? どの面下げてボク達の所に来てるの」


 「お前!この外出たらすぐに粉々にしてやるよ」


 と、軽蔑の目を向けながら、サクは柵に手をかけ今にでも飛びつきそうだ。


 「あはははっ。威勢のいいお二人ですね。ここまで温めた甲斐がありました。敵がやられて怒るなんて、さぞかし余裕がお有りなのですね」


 挑発に乗ってしまい、ボクも柵に手をかけ、ボク達はまさに猛獣の様な状態だ。


 「タコヤキはどうしたの」


 「分かりません。あそこに置いてきたので。もう興味もありません」


 歯が砕けそうなぐらいに、歯を食いしばるサク。


 「あぁ、そう。分かった。それで、何しにきたの? ボク達の能力を取ろうだなんて、そんな簡単にさせないんだから」


 またクスクス笑い出すアラン。


 「何がおかしいんだよ!」


 と、柵を強く殴りつけるサク。


 「いえいえ、私は貴方達の能力なんて、要らないですよ。絶望する顔が見たいだけなので」


 と、不気味な笑みを浮かべるアラン後ろに伸びるアランの影、と他にも人影が見えた。誰か後ろに居る。



 「えっ… お母さん!…お父さん!!」


 ボクは久しぶりに両親の顔を見る事が出来て、目の前がどんどん水で溢れかえり、涙で溺れそうになった。サクはボクの両親を見た事が無かった為、初めはピンと来ていなかったが、ボクの涙を見て、すぐに悟ってくれた。


 だが、


 「誰ですか?貴方は。うふふ。貴方のご両親に、似てらっしゃるのですね。私達は、貴方のご両親ではありませんよ」


 「うん、人違いだ。俺達は、アランの両親なんだから」


 と、活力がない状態の、両親を目にしてボクは唖然とする。

読んで頂きありがとうございます。

引き続き頑張って参ります。

応援して頂けると幸いです。

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