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第四十一話 裏切り

 タコヤキをダイナマイトパンチで吹っ飛ばし、ボクの所へ駆けつけたサク。


 金属バットで殴られたボクは、吹き飛ばされ壁沿いに敷き詰められたドラム缶の下敷きになってしまっていたのだ。何が入っているのか、すごく重い…


 「はるみ、目離した俺が悪い。すぐに出してやる」


 と、慌ててボクを助けようとするサクの後ろに、人影が見える。


 「サク!うし…」


 サクはボクの言葉が言い終わる前に気づき、


 「トルネードキック!!」


 と、強パワーで後ろ蹴りを、放ったが


 パスッ…


 受け止められてしまった。


 「お、お前…」


 (何だ… サクの声色がおかしい)


 ただ、自分の攻撃を止められた悔しさだけでは無い、深刻な状況を声だけで分かった。身動きが出来ないボクは、首を最大限動かし、サクの後ろを覗くとそこにはアランが立っていた。


 「アラン! 来てくれたの!」


 ボクは新たな戦力が増え嬉しかったのだが、サクの様子を見ると、やはり何だかおかしい。


 アランは掴んだサクの足をパッと離し、払いのける様に足を引っ込めるサク。


 「お前、もしかして…」


 (何… いやいやいや、それは…)


 「お察しが宜しいですね。サクさん。お時間がかかっている様なので見に来たのですが、オコノミヤキとタコヤキでは、ダメだった様ですね」


 「ぅるせーっ! まだやってる途中だ。邪魔だ、どけ!」


 ステルスを解いたタコヤキはカッとなり、アランに喰いつく。すると…


 「私にそんな口を聞いてもいいのでしょうか?」


 と、アランは不気味な笑みを浮かべながら、目の見えない速さで動き、タコヤキへ詰め寄り、


 「3、2、1… パチンッ」


 と、カウントダウンを口にして、指を鳴らした。


 パスッ…


 すると、さっきまで話していたタコヤキは一度に数カ所切り裂かれ、倒れてしまった。ボクはそれを目にして言葉が出ない。こんな光景を見る事もショッキングな事だが、目の前で残酷な行動をしたアランに、軽蔑の目を向ける。それと同時に、ボク達のスパイをしていたと言う現実を知った。


 「お前、何を…」

 

 怒りが溢れサクは無我夢中で、アランに攻撃を与える。だが、動きを読まれているかの様に受け止められ、サクは両手両足を拘束されてしまう。さっきの網の様には行かず、怒りが収まらないまま抵抗し続けるサクだったが、首の後ろをオコノミヤキが持った金属バッドで殴られ、気絶してしまった。その間、両手両足がドラム缶に挟まったままのボクは、サクの名前を叫ぶことしか出来ず、頭を蹴り上げられ、ボクも気絶し、次に目を覚ました時には、牢屋の様な柵の中だった。


 その頃、田嶋くんとサクのお爺さんはスノーダイアリーに着き、久しぶりの再会に花を咲かせていた。


 「ロン陛下!! お久しぶりでございます! お元気そうでなりよりでございます」


 「おぉー、ガーデン、ゴウルよ。久しいな、お前さんらも元気そうで良かった。あの時は放って出てきてしまってすまんかったのう…」


 「いえ、ロン陛下の事ですから、私達に関わると迷惑がかかると、お思いになられたのでしょう。あれで良かったと思います。私達も、自立せねばならなかったので。ところで、ロン陛下はアザーには来ないと、サクさんと晴美さんが、おっしゃっていましたが…」


 「あぁ、事情が変わってな。田嶋こいつの事も心配じゃったしなぁ」


 田嶋くんが、ペコリと挨拶をする。


 「この方が田嶋さん。お話は聞いておりましたよ。無能力者だけど、サクさん達に協力してくれる大事な仲間だとおっしゃっていました。必ず来ると…」


 「その、サクとはるはどこ行ったんじゃ?」


 「しばらくここに居たんですが、少し前に旅立たれてしまいました。田嶋さんが来られたらこれを渡してと頼まれておりましたので、こちらを」


 四つ折りにされた一枚の紙を田嶋くんが手にして、ゆっくり開くと、こう書かれていた。


 『王様の所、先に行って来る。田嶋が来た頃にはもう終わってるかも知らねぇけど、とっとと、早く来い。お前が来ねぇと、せっかく決めたジョアラ名乗れねぇよ。ps.サクと二人じゃ、不安だから早く来てね、田嶋くん!!』


 田嶋くんは読み終わると、クスッと笑い胸ポケットに手紙を入れ、ガーデン達に


 「王様の居場所はご存知ですか?」


 と、質問をする。


 「ここから歩くと、半日程度で着く所にあります。マップがありますのでこちらを」


 ガーデンに頼まれゴウルは、田嶋くんの持っているスティックに念を込める。半信半疑に、田嶋くんがスティックを振ると、目の前にマップが出てきた。非現実な光景に少し驚く田嶋くんだったが、今はまだ見えない王の居場所の方角を向き、グッと目に力を入れた。


 「田嶋、ワシは別で行く所があるから、先に王のところへ行くんじゃ。ワシの居ない間に身の危険を感じたらhelpヘルプと叫び、スティックを天に向けるんじゃぞ」


 「助けはご無用ですが、万が一その様な事があれば、使わせて頂きます」


 すると、ゴウルは不思議そうな顔をして、


 「そういえば、サクさん達、王の居場所聞いて来なかったけど、場所分かっていたのかな?」


 と言った。それを聞いた田嶋くんは、頭に手を当て呆れ顔になる。


 「ここでゆっくりしていられません! あの二人、絶対にどこか分からずただ真っ直ぐ進んでいるだけです」


 と、慌てて出発しようとした田嶋くんを引き止めるガーデン。


 「もし、真っ直ぐ進んでいたのなら、隣町のブラックファクトリーに向かってしまっている可能性がありますよ。あそこは、悪い輩の生息地。何か変な事に巻き込まれていないと良いですが、王の居場所に行くのか、ブラックファクトリーに行くのかは田嶋さんに任せます。どうか、ご武運を」



 それから、田嶋くんは食料や物資を受け取りスノーダイアリーを後にして、お爺さんはまだ出発をせず、ガーデン達と共に田嶋くんを見送るのだった。

読んで頂きありがとうございます。

引き続き頑張りますので宜しくお願いします。

応援して頂けると幸いです。

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