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第三十三話 アザー到着!

 田嶋くんと別れ、アザーのゲートに入ったボクとサクは、重力が無い空間の様に、身体が浮き、どんどんと吸い込まれていく。外から見るとゲートは黒く見えたが、中は万華鏡のように華やかだ。両親にやっと会えるという期待を胸に晴々とした気持ちで行きたいところ…

 ボクの思いは叶わず、心臓の方にはすごく重く、ドス黒い圧がかかっている。アザーとは、どんな所なのか。


 ゲートに入ってから体感では1分ぐらいの時間で、外に出ることができた。着いた場所は、サクのお爺さんが言っていた、元部下の人達がいる地域。名前は確か、『スノーダイアリー』という地域だ。名前の通り、ボク達の格好には厳しい環境だった。


 「ちょっと、何でこれお爺さん教えてくれなかったの…」


 「爺ちゃん、日本で、年中空調設備使わずに過ごしているからな。感覚麻痺ってるんじゃねぇか?」


 「せめて中のシャツ、長袖にすれば良かった…」


 そう、ボク達はアザーに向かう前日、お爺さんの家に集合していた。挨拶と共に、戦闘服を準備してもらっていたからだ。


 1日前に遡る。


 「来たか。もう用意できておるぞ、一回着てみろ」


 戦闘服は揃えるつもりは無かったんだが、お爺さんにどんな物が良いかと聞かれて、ピタッとしている全身タイツのような、戦闘服も嫌だし、普段着の様なと言っても、パーカーにジーパンしか持っていないし、一番正装された姿が、学校の制服だったから、制服みたいな戦闘服が良いと言ったんだ。すると、サクと田嶋くんは揃えた方が一体感が出て良いという事で、制服の様な戦闘服を頼んだのだが…


 「ねぇ、お爺さん。スカート、短すぎない?」


 「お? 今時の若者は、このぐらいじゃろう」


 「いや、この長さ、アニメか現役の女子高生ギャルしか着てないよ! 動いたらパンツ見えるじゃん!」


 「あー、それは大丈夫じゃ。安心せい、ほら」


 ボクのスカートが風で靡いた瞬間、お尻にモザイクがかかった。


 「いや、逆にいやらしいよこれ!」


 「んー、困ったなぁ…」


 お爺さんが腕を組んで悩むが…


 「じゃあ、下に体操服を着れば良いんじゃ無い?」


 ボクが納得しようとしたその時、


 「ダメだ! 下に体操服だけは絶対ダメだ。JKといえば、ダンスや激しい動き、寒い日は下に体操服を着る風習があるが、ダサいし勿体無い! 俺はパステルピンクのパンツ希望だが、流石にそっち路線はいけない匂いがするから、黒パンだ、うん、黒パンにしよう」 


 キランッ



 と、サクは一人で言って一人で解決している。ボクが着る服なのに何でサクが決めるのか。


 「んー、そうじゃのう… あ、これはどうじゃ?」


 おじいさんがテレポートしたのは、黒パン。ただ、ボクサータイプでも無ければ、5部丈でも無い、黒のパンツ。いや、黒だったら何でも良いわけじゃ…


 「はる! 『ジョアラ』という、名前シールをだせんか?」


 名前シール、名前シール… あ、幼稚園の時にスモッグに名前付けてくれていたあれ…


 「おなまえシール!! 名はジョアラ!」


 すると、ボクの手から赤い色で、じょあら と一文字ずつ書かれたシールが出てきた。


 それをお爺さんが、アイロンで貼り付けてくれたが…


 「いやいや、なんかこの幼児感いやだ」


 サクと田嶋くんは、くすくす笑っている。


 「もうこれだったら、ボク普通の黒のパンツ持ってるし、それ履くよ。念のため二重で。あくまでもそれはパンツじゃ無い、サブパンツだと」


 「まぁ、はるがいいんじゃったら、それで行くか」


 「そういえば、ジョアラって何ですか?」


 田嶋くんが不思議そうにしている。


 「あぁ、俺たちのチーム名だ」


 「え!? チーム名なの? ジャガーの一件でそんな事あったけど、あの時だけの話じゃ無いの? しかも、女子高生とアラフォーでだと、田嶋くんの要素は…」


 よくぞ聞いてくれたと言わんばかりの顔で、


 「あれはあれだ。俺たちのチーム名に関しては、ジョアには喜びや、楽しさという意味がある。それに『ラ』を付けたら、複数形になるだろ? 困っちゃうよな〜俺のネーミングセンスがありすぎて」


 と、サクは満足げに言っている。


 「いや、ジョアの意味にそんな意味もあったとは知らなかったけど、なに、複数形にラって。洋風に見せかけて、最後めっちゃ雑」


 「でも、良いですね。最初の女子高生とアラフォーだと、ボク混ぜてもらってない感じがしますけど、その意味だとちょっと嬉しいというか…」


 「だろう?? 良いよな? 田嶋は分かってくれるか俺のセンスを」


 「あ、いや、かっこいいかどうかは置いといてですが…」


 サクは腕で目を隠し、両目から噴水の様に涙が出ている。


 「もう! 泣かないで。ありがとう、そうやって名前をつけてくれると、なんか仲間って感じして、明日からの不安がちょっと晴れた気がする」


 ボクが慰めると、お爺さんも含めて四人で肩を組み、大会に出る前の様に声出しをした。


 「明日から、何が待ってるか分からねぇが、絶対生きて帰ってこい! 行くぞー!」


 「おー!」

 「おー!」

 「おぉ…!」


 「無賃宇宙旅行!!」


 「いやそっち!?」


 という様な、事があった。



 時は戻り、現在。


 「ゔぅぅぅ… 絶対間違えたよ…」


 「はるみ、そのブレザー貸してくれよ」


 「はぁああ… え? サクの制服、ボクより布多いじゃん!」


 「いや、出会った頃に、廊下で貸しただろ? 仮が残ってるぞ」


 「ちっさい男ー! そんな時まで借り作って覚えてるの。もう分かったよ、貸すよ」


 ボクは冗談だと思って貸してあげたが、返ってこない。


 「あーーーー、今は何も聞こえなーい。 うゔーー、あったがー…」


 サクを睨みつけるボクだったが、その目線を超えて、何か人影が…

読んで頂きありがとうございます。

アザーに着いて、早速人影が…


引き続き宜しくお願いします。

応援して頂けると幸いです。

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