第二十三話 コンフィデンス!
特訓開始して数日が経った。
「俺のファンタジーは、奪わせねぇ」
「パワーキーパー!」
(あ、その決め台詞みたいなの、練習からいってるのね)
ボク達は各々特訓に励み、少しずつ変化が見えてきた。まずはサク。
「ストロングガン!」
また新技を開発し、威力も調節できるようになってきている。ストロングガンという技は、文字通り強力な銃の様なパンチ。パンチを遠くから打っても鋭く相手に当たる、遠距離攻撃に適した技。筋肉が肥大するだけで、こんな技を習得出来る事に関しては、ボクも訳がわからない。サクだから罷り通るんだろう、きっと。
後は、腕のみならず、脚と額を使った攻撃も習得したそう。お爺さんにアドバイスされ、生み出したみたいなのだが、これがまたダサいのに威力は目が飛び出るほどだ。
「トルネードキック!」
もう少し捻ってくれというぐらいの、ネーミングだが、パンチで効果がなかった時、パンチを制御された場合に、回し蹴りをするという技。ただ、サクの威力だ。びくともしなかった流石のおじいさんも一歩分後ろに下がるほどの威力。これはアザーに行っても期待できそうだ。
後は額での技なんだが、ヘディングのように使うと思いきや、防御の能力を身につけたらしい。その名も、
「おでこぴっかーん!」
だそうだ。何と言ったらいいか…。夜道を歩く時や、工事などで使うヘッドライトのように、額のテカリで光を照らし、シールドのような物を作り出す能力。パワー系のサクには、図太い腕でガードして欲しい所だが。しかもその欠点が、額に油が乗っていないと発動できないらしい。対戦開始直後や、寒い地域では活用できない。どうか、アザーの気候は温暖な気候でありますように。
次は田嶋くん。田嶋くんはある程度体力があることから、ゴーレムとの対戦に徹していた。お爺さんから渡されたスティックの使い方もだいぶ慣れてきたようだ。いまだに、技を出す前には“コンフィデンス"は必須。そろそろ自信も付いてきただろうに、願掛けのように今は使っているらしい。
「コンフィデンス・ファイヤー!」
スティックから、爆発するような炎が飛び出してきた。スティックに自分の出したい能力を送り込めば、ある程度は実現可能。後は、フランムの技には、ファイヤー。オーウンの技にはウォーター。ソンイルの技には、tsuchi。フラシュの技にはライト、と言ったように大きくまとめて居るおかげで、その属性の何の技が出てくるのかは、田嶋くんがスティックの能力を発動するまでわからない。ということは、相手から何の技が飛び込んでくるのか、学習しづらくするというメリットがある。ただ、属性に合った名前をつけないと発動しないみたいで、どんな属性の攻撃が出てくるのかは悟られてしまう。田嶋くんの事だから、うまく相手を油断させた時に使うだろう。能力がない事で能力値も無ければ、限界パワーゲージが無いのが田嶋くんの強み。自信がつけばつくほど強くなれる。まだまだ強くなっていきそうだ。
「田嶋!一回俺とやろうぜ!」
サクが田嶋くんを誘い、手合わせをすることに。ただの無能力者では無くなったが、大丈夫かな? 心配だが、ボクは離れたところで様子を見ることにした。
「ゴーレムも爺ちゃんが作ったやつだ。ある程度強くされて居るはずだが、生身の人間同士でする緊張感も必要だと思ってな。怖かったら辞めてもいいぞ」
「いや、お願いするよ。僕も役に立てるようになりたいしね」
サクは肩を回し、体制が整うとお互い目を合わせ息を合わせながら始まった。サクは走って距離を詰めながら、
「ストロング・ガン!」
早速新技を、出してきた。だが、田嶋くんもそれに合わせて、
「コンフィデンス・ウォーター!」
と、唱えると、大きい泡を大量放出。泡なんかでサクのパンチを止めれるのか…
むぎゅぅ… スポンっ!
なんと、泡の中にサクの放った銃のような衝撃を閉じ込めてしまった! あの威力を封じ込める泡ってどんな泡?
「おぉーすげぇな!田嶋! まぁ、俺はまだ本気を出してないから、そろそろ出しちゃおうか」
(いや、初っ端から張り切ってましたよ。本気出してたよねきっと)
田嶋くんを褒めていたが、実力の差が開いていると思っていたサクは少し驚いたようだ。
「はい、本気で来てください!」
本当だったら怖いはずなのに、狼狽えず立ち向かう田嶋くん。優しくて、ボク達のせいで巻き込んでしまったのにこんなに必死に頑張ってくれる姿を見て、きっと好きなんだなと分かった。でも、今はそんな事言ってる場合じゃ無い。この2人に負けないように、ボクも頑張らないと。お父さんとお母さんを連れて帰るんだ!ついでに世界救ってやる!!
だから、この甘い気持ちは戦いが終わるまでしまっておく事にするね。
2人の特訓を見た後、ボクのやるべき事の一つ。体力をつける事。今も坂道ダッシュは続けている。後半には脚が動かなくなって、顔だけ若返るお爺さんに引きずられながらだけど。でも、お陰様で体幹の真ん中に熱を集めながら走る事ができるようになって、実践で能力を出しても、今までより身体の負担が全然違う。さすが元王様だ。ボク達の欠けている所を拾ってくれている。
「この調子で頑張るぞ〜!!」
ボク達が着実に力を付けていき、希望が見え始める。
そんな時、新たな影が現れるが、ボクたちはまだ知らない。
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