序章 終わった日
人生は突然終わることがある。
私の人生は小学4年生の夏休み明けの始業式の日に終わった。
あの日のことは、あまり覚えていないけど、頭が真っ白になった私をクラスメイトが心配してくれたことは覚えている。
その時の私はこれは何かの陰謀なのかと、回らない頭の隅で考えていたが、答えはもちろん出ることはなかった…。
人生が終わった原因はいくら探しても、他の教室を見ても私の名前が、始業式の日に張り出されるクラス替えの一覧が記載されたA4用紙に載っていなかったのだ…。
ありふれた苗字だから見落としているのかと、友人に協力してもらったが、やはり自分の名前を見つけることができなかった…だがすぐに答えが出ることになる、担任の照井先生が教室に向かって歩いてきたからだ…。
すると友人は親切心からか照井先生に私の名前がクラス替え一覧にないと伝えてくれると、照井先生は間髪入れず、クラス替え一覧に指を指して怪訝な表情で「ここに載ってるぞ」と言うと、そそくさと教室の中に入って行った…。
私は注視すると、そこには見慣れたありふれた苗字ではなく
『満十朱里』と記載されていた…今までの苗字は?どうして今日、このタイミングで?私の家庭で何が起きてるの?誰かの冗談?
私はショックで疑問を頭の中で何度も何度も反芻思考するだけで、このときの私は満十という苗字が母方の姓であることすら、理解が追いつかないでいた…。
疑問の次に思ったことは、誰にも見られず、泣ける場所が学校にあるかなと考えていた…。
結局、私その日どこで泣き、その後何をしていたんだろうか…。