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スワン  作者: 友式ユウ
5/6




 概念という概念がその場から崩れ落ちた。時空はぐにゃりと歪んで渦巻いた。窓の外は衰退し、色褪せていった。夜更けだけが揺らめいて、いつしか静寂に燃えていた。

 二人はただ抱き合っていた。そのままずっと微動だにしなかった。お互い一言も交わさず、肌から伝わる信号だけを感じていた。

 朗雄の性器は硬く膨張していた。胸にはとめどなく熱いものが込み上げた。しかしそれと同時に朗雄の脳は覚醒し、徐々に意識は再生していた。

 破裂した「何か」がひっそりと闇に紛れ、背後にひたり寄る感覚がそこにはあった。

 朗雄は差し出されたそれを受け取った。

 朗雄は静かに顔を離した。鼻先には小夜子の顔が――その瞳は艶っぽく、一途に受け皿を求めていた。

 朗雄はしっかりと見据えた。瞳の奥に目を凝らした。

 切っ先にためらった。毒を飲むように耐えた。そして馴染ませた。

 朗雄は口を開いた。

「もっと早く再会したかった」

 窓の外はうっすらと明るんでいた。いつしか鳥がさえずりあっている。

 夜は明けていた。

「もう朝だ。送るよ」、起き上がって朗雄は支度をした。

「……うん」、座り込んだまま小夜子は動かなかった。





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