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エア不良

 ルーファスは手の中の葉っぱをもてあそぶ。

「手ぬるいね、小鳥を使って毒見をさせるなら、小鳥は死なないけど人間は死ぬという毒を用意すればいいのに」

 そういう問題じゃねえ。

「兎もね、植物性の毒なら人間の致死量ぐらい平気だよ。猫ならいいのに、人間が食べて大丈夫なものまで食べたら死ぬぐらい毒に弱いから」

 やめて、猫可哀そう。

「お前、そういうことを詳しいっていうから、というかなんでお前そんな事詳しいんだ」

「別に、ちょっとした趣味」

 ルーファスはそう言って葉っぱを放り出した。

 俺がこっそり母親の部屋に忍び込んで持ち出した葉っぱ数枚をルーファスに確認してもらった。間違いなく有毒植物だが、味と匂いがきついので騙して飲ませるのは不可能なんだとか。やはりあの母親は阿呆だ。

「親戚に植物に詳しい学者がいるといってもどうしてそういう動物に詳しいんだよ」

「デイビッドはスリリングな休日を過ごしたんだな」

 だらっとしたレオナルド。いつも自堕落な格好をしているけれど、今日は一段と自堕落な姿勢をとっている。

「お前はいったい何をしていたんだ」

 レオナルドは軽くサムズアップをして見せた。

「ちょっとぐれてみた」

 こいつはいったい何を言っているんだろう。

「休みの日は夜分遅くに家を抜け出して酒場で過ごしたな」

 おい、基本的に俺たちはまじめグループだろ。

「いったい何を考えているわけ?」

 メアリアンは何やらわからない書物をめくりながら呟く。

「決まってるだろ勘当活動だよ」

 勘当活動?いったいこいつは何を言っているんだ。

「あの家と手っ取り早く縁を切るには勘当してもらうのが一番手っ取り早いからな、そういうわけで不良になることにした」

 レオナルドは気だるげにため息をつく

「で、お前酒場で何をしていたんだ」

「もちろん働いていた」

 レオナルドは胸を張る。

「散財したという名目で小遣いも貯金に回したぜ」

 そう言って軽くポーズをとっている。

「おい、まあわからんでもないけど」

 勘当してもらうために不良を装うのか。

「でもさ、デイビッドも考えたらどうだ?」

「考えたらって俺もぐれろと」

「まあ、不良になったという風を装うことも可能性として考えたほうがいい。それに不良だから家を継げないという芝居もできるしな」

「なるほど、確かに俺が不良になれば、あっちも油断するかもしれない」

 家を継がないためなら多少の汚名は覚悟した方がいいのかもしれない。

「それに貯金もした方がいい、なんかいい内職とかないかな」

 やはり金か。

 内職のことを考えてみた。


 


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