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俺の未来

「それで、結局どうなったわけ?」

 メアリアンとルナが俺に詰め寄った。

「ディアナ嬢と俺の縁談はつぶれたんだよな」

 ルナに確認してみるとルナはこくりと頷いた。

「これを機にうちの一家は分家に乗っ取られるだろうな」

 そういうとルーファスがのけぞった。

「うわ、やることがえぐい」

「いやあ、やる手段さえあれば俺だって同じことをやるぞ」

 レオナルドはそう言って俺に向かって親指を立てて見せた。

「久しぶりにスカッとすることがあったぜ、うちの家族に見立てたら本当に幸せで」

 こいつもいろいろたまってたんだな、まあ無理もないが。

「しかし、あのお方はどうして俺たちに情報を流したりしたんだろう」

 俺の脳裏に金髪の長身のあのお方の姿が浮かぶ。

 そもそもの発端はあのお方の情報だった。

「そういえば、あのお方のもとで結構高額の賭けの話があったな、それどころじゃなかったから突っ込んで聞かなかったけど」

 まさか?

「まさかデイビッドVSマキシミリアン、どっちが牙をむくかで賭けをしていたのか?」

「いや、あのお方のことだもっと細かくいろんな展開を考えて賭けを展開していたはずだ」

 俺は背中に冷たいものが走った。

 俺のやらかしたことが、あのお方のもうけにどうかかわったか。

 自分の金もうけのためにそういうことをやってくれたのはほぼ確信している。

 あのお方はそういう楽しみのために、もしかして裏連中の娯楽のために俺はいろいろ苦悩していたんだろうか。

「ああ、そういえばお前、これからどうするんだ」

「一応決まってるよ、学園を卒業したら地方領主になることになってる」

 色々とやらかした俺を親族たちも放置することはできなかったようだ。

 地方の領地で飼い殺しという結果だ。

 俺としても家を継がなくて家を出てという目的は達しているので文句はない。

「卒業したら遠いところに行くことになるな、もしかしたらもう会うこともないかもしれないが」

 俺がちょっとしんみりとした顔をしたが、ルーファスが笑った。

「大丈夫、うちで始めた郵便事業がある。手紙や物のやり取りとかあと数年で確立する予定だから」

「それじゃ、産業とか考えてお前が来れるようにしてやるよ」

 ルーファスの言葉に俺はそう答えた。

「心配するな、俺は暇なごくつぶし官僚になるつもりだからそうなったら遊びに行くよ」

 いや仕事しろよ。

 俺はレオナルドの冗談、冗談だよなを笑い飛ばした。

「あの、私もいつかお会いできる日を」

「おい、お別れは五年後なんだけど」

 卒業までの時間を俺は指摘してやった。


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