誕生日の日に俺をよく見ている、俺よりできる幼馴染彼女に告白舌だけの話
気まぐれに、ただ思いついたから言葉にする。
「お誕生日、おめでとう」
俺、一条 透はそう言って、彼女、風見 凛花に四葉のネックレスをあげた。
今日は彼女の誕生日だ。そして、覚悟を決めてあることに挑む。
「透、ありがとう。私からはこれ」
そう言って、渡された紙袋。
今日は俺の誕生日でもあった。俺と彼女は幼馴染でかれこれ25年の付き合いだ。
「ありがとう。帰ってから、「今ここで見てくれない?」え?」
彼女は俺の言葉を遮ってまで、今ここで彼女からの誕生日プレゼントを開けるように催促してくる。
仕方ないのでしぶしぶ紙袋を開くとそこには『一条』と掘られた判子と朱肉だった。
「ねえ、私への誕生日プレゼントはこのネックレスだけ?」
彼女は顔を真っ赤にしながらそう聞いてくる。
俺はため息を吐いた。
また、彼女のほうが一枚上手だと。
彼女は僕をよく見ている。
いや、僕しか見ていない。
だから、何でも気づかれてしまう。
彼女は僕より頭がいい。
いや、僕は一つの事に集中できないだけだ。
だから、何かを決めた彼女の計画はいつも完璧だ。
だから、俺は再び覚悟を決めさせられ、答えの教えられた質問をする。
「俺と、結婚してください」
「透・・・これあげる」
彼女は僕の言葉に対して一枚の紙
そこには、まだ年号が変わる前に遊びで二人で書いた婚姻届。
あの時は二人とも判子だけ押さずすべてを書いていた。
それを彼女は俺に差し出した。
そこには、以前と違うところがあった。
彼女の判子が押してあった。
「凛花・・・」
「透、これが私の答え。誕生日プレゼント使って、今から出しにいこ?」
ああ、また今回も彼女の方が上手だった。
僕はこの25年のいつも通りを味わいながら、今までに感じたことのない幸福をかみしめて誕生日プレゼントを使うのだった。
一応、前後の話の考えもあるので読みたいと思ったら評価と感想をお願いします。