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初めてのダンジョン その3

GW連投

「嬢ちゃん無事か!?」


ガンザスが音のした部屋へ到着するとそこで見たものは、10センチを超える魔石をもって目を輝かせている少女・・・ネムだった。


「さすがゴブリンロードの魔石だ・・・これを売ればしばらく暮らしていけるな。ああ、でも討伐対象のゴブリンはまだ倒していないわけだしクエスト失敗で没収なんてことは・・・隠して後で換金は難しいよなぁ出どころ聞かれそうだし。」


「おい、嬢ちゃん。ここにでかいゴブリンが出たって報告があったんだが、その魔石はどうしたんだ。」


しまった、魔石のサイズに興奮して人が来たのに気づかなかった。

この状態じゃ魔石を隠すことは不可能・・・報酬は山分けか。


「ここにゴブリンロードがいたので、ちょっと倒してドロップしたというかなんというか。隠すつもりはなかっ」

「ゴブリンロードだって!?いや、嘘だとしてもその魔石のサイズのモンスターを倒したということになる。むしろモンスターを偽る必要もない・・・。」


「いったん外に出よう。ここではまたモンスターがリポップするかもしれんしな。」


走ってダンジョンの外に向かうと外からサーシャが心配して祈るような顔でこちらを見ていた。

二人の姿が見えた瞬間に膝をついて泣き出してしまった。

どうしたらいいかわからず、とりあえず頭をぽんぽんと叩いて慰めると、今度は抱き着かれてしまう。

優しく背中をさすってやるが、頭の中では「結構大きいな。」などと考えてしまった。




しばらくしてサーシャが落ち着きを取り戻し、ハンスもポーションが聞いたようで意識が戻った。

教官のガンザスが何があったのか説明を求めたため、ハンスとサーシャが話始めた。


「げほっ、1階と2階では大したモンスターもいなくてほとんどが一角ネズミだったんだ。」


「ええ、ゴブリンの1匹すら見つからなかったわ。」


「3階でも同じように一角ネズミを追っていくと大部屋の行き止まりにたどり着いたんだけど、そこであいつ出てきたんだ。」


この時、サーシャは少し震えていた。


「あいつは明らかに普通のゴブリンとは違ってたから、ゴブリンの上位種だと思った。きっとあいつは出入り口を塞ぐために、俺たち全員が部屋に入るのを確認してから姿を現したんだと思う。」


「なるほどな・・・そこまでの知能があるなら下位種のゴブリンではあるまい。」


「その後は少し戦った記憶があるけど、途中で意識を失ったみたいで覚えてないんだ。」


強烈に吹っ飛ばされていたからな。


「そこからは私が話すわ。」


少し震えながらもサーシャがその続きを説明する。


「ハンスが吹っ飛ばされた後、炎の矢があのゴブリンの足を貫くのを見たの。あれはネムちゃんの魔法よね?」


うなずく。

まあ、矢ではなく槍を打ったんだが。


「私も気が動転していてしっかりとは覚えていないのだけど、炎の矢が刺さったゴブリンが転げまわる姿とすぐに足の再生が始まった瞬間を見た気がするわ。そのあとはハンスを抱えてダンジョンの外に出た後は教官の知っての通りよ。」


再生が始まったと聞いてガンザスが仮説を立てる。


「ゴブリンの上位種といえばまずホブゴブリン、小鬼の王(ゴブリンキング)さらに小悪鬼を統べる者(ゴブリンロード)と続くわけだが、再生能力を持つゴブリンは後者2種だけだ。」

「・・・あとはネム君の報告を聞かせてもらえるか?」


説明は苦手なのでかいつまんで話すことにした。


「あそこにいたモンスターはゴブリンロードで間違いない。」


「「「!」」」


全員が驚く。

当然だろう、たかが3階にゴブリンの最上位種がいたのだから。


「ゴブリンロードだと判断した理由を教えてもらえるか。」


「まず見た目の特徴だな。目と耳が大きかった。ゴブリンロードは状況を判断して手下のゴブリンたちを指揮するために視覚と聴覚が発達している。あと、弱すぎる。」


少し、皆の雰囲気が変わる。


「弱すぎる、とは?」


疑問を抱くのは当然だな、おそらく俺以外のここにいる誰もゴブリンロードに挑んだとしても勝ち目がほぼ無いようなものなのだから。


「そのままの意味ではあるが、正確にはゴブリンキングよりも弱いということだな。」


「最上位種のゴブリンロードがその下位種であるゴブリンキングよりも弱いの・・・?」


「ゴブリンロードの真の恐ろしさは軍勢を引き連れることだ。普通なら数十~数百のゴブリンを従えているのが今回は軍勢はいなかった。」

そう今回はゴブリンロード一匹だけだったのだ。

ゴブリンロードが出現するときは出現と同時にゴブリンやゴブリンキングを同時召喚する。

今回はなぜかそれがなかった。

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