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冒険者登録 その1

やはり深夜テンションで一気に書くにかぎります。

小休憩を挟みながら歩いて半日、ついに町に着いた。

ほどほどにボロボロな看板には「ようこそ!アドバンの町へ!」と書いてあるのが辛うじて読める。


「それじゃあ、まずはギルドに向かおうか。」


町へ向かう途中に話していたのだが、親のいない、ましてや自分の名前が思い出せない少女が一人でいると大体は教会や孤児院に保護されることになるらしい。

今は少女の体とはいえ精神は男だ。

魔法も使えるし魔獣を倒せる程の力も持っている。

何よりもなぜ自分がこのような状況に陥ってしまっているのかを調べたいという思いがある。

そこで考えに上がったのが「ギルドに登録して冒険者として活動しながら調査する」方法だ。


冒険者はその実績によってランク分けされており、高ランクの冒険者はそれだけで信用を得ることができる。

高ランクの依頼であれば依頼書がそのまま各国への通行証にもなりえるため、出生がはっきりしていなくとも様々な地域での活動が可能になる。

もちろんランクが高くとも評判の悪い冒険者もいないわけでも無いが…、今の状況からすれば最善手であることは間違いない。

ケイン達には元々男であったことは話しても理解はされないだろうから、身分証が欲しいという理由で連れて行ってもらうことにした。


看板の様相とは裏腹に町はずいぶんとにぎわっていた。

あちらこちらから客寄せの声が響き、様々な食べ物の匂いが鼻をくすぐる。

少し食べて回りたいところだが、手持ちもないためギルドの登録と依頼をこなしたら食べるリストを頭の中に作りながら歩いた。


「おお・・・、ここがギルドか」


町の中心付近、さっきの喧騒が少し遠くに感じるほどの場所にギルドの建物があった。

先ほどの露店が立ち並ぶ場所と違い、この辺りにのは武具店・宿泊施設そして酒場が多数並んでいる。

ふと自分が来ている服に目が行く。

薄汚れて端が所々破れている。


「靴を履いていることがせめてもの救いだな。」


ギルドに入ると中は広く、正面に受付が3つ並んでいる。

受付にはそれぞれ職員らしき人が立っており、男一人に女が二人だった。

心なしか女性の受付に男が多く並んでいるような気がする。


ケイン達の後について物腰の柔らかそうな(一番人が多く並んでいる)女性の列に並ぶのだった。

順番を待っている間、待合所にいるガラの悪そうな冒険者からは「みすぼらしいガキだ。」とか「顔は好み。」だとか「胸が小さいマイナス30点。」と聞こえてきた。

元々男だから気にしてはいないが、最後の男だけは顔を覚えた。


いよいよ順番が回ってきた。

まずはケイン達の依頼だったトゥースナイフドッグ討伐の換金から行う。

今回は討伐依頼だったため、素材の買取はギルドでは行わず近くの買取店で行うことになる。

そのため、成功報酬のみの支払いとなり時間はかからずに終わった。


「お嬢さんのご用件はなにかしらぁ。」


ふんわりとした声で話かけられ、


「あ、え、と。冒険者登録をお願いします。」

見た目相応な反応をしてしまった。


やはり、というか女性職員は困ったような顔をして


「冒険者登録はお金を払えばだれでもできるけどぉ、すご~く危険なお仕事とかあるわよぉ。」

ぼろぼろの服装で痩せた少女が冒険者になりたいなんて、普通に考えればあり得ない話である。

登録するためには登録費がかかる。

身分証にもなるとは言ったが、身分証のためだけに冒険者登録する人はいないのだ。


「その辺は、大丈夫、です。ちゃんとわかってます。」

引く気はない、という意思を込める。

教会で修道女として育てられるなんてまっぴらごめんである。


意思が通じたのか登録用紙を渡され、冒険者の規則説明を行うので登録費の銅板5枚を持って奥の部屋へ行くようにと促された。

ちなみに登録費についてはトゥースナイフドッグ討伐報酬の一部を貰うことになっている。

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